フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPS)2015、第2戦スケートカナダ。男子フリー(ジャッジスコア)。
1 イ・ジュンヒョン(韓国) SP:47.19(12) FS:104.86(12) 合計:152.05(12)
「ロミオ+ジュリエット」♪ 白に右袖だけ黒。この曲はいつも人気だ。トリプルアクセル+2回転トウループ、3回転フリップ+3回転トウループを決めたが、後半のトリプルアクセルで転倒。
ロックのステップでは手拍子をもらいながら頑張る。少し元気がないかな・・・
2 ティモシー・ドレンスキー(アメリカ) SP:62.46(11) FS:156.60(6) 合計:219.06(7)
「Orchestral Variations on Themes of Chopin(ショパンのテーマによるオーケストラ変奏曲)」♪ 黒のVネックでシックに。冒頭のコンビネーションから、後半トリプルアクセル、3回転ループ+ダブルアクセルのシークエンスなど、全てのジャンプでまったくミスなし リンクの端から端まで雄大なイーグルとスパイラルを見せ、回転の速いアップライトスピンでフィニッシュ。
終わった瞬間、両腕を突き上げた。
3 キーガン・メッシング(カナダ) SP:67.13(10) FS:115.12(11) 合計:182.25(11)
「ピンク・パンサー」♪ 紫のシャツにピンクのネクタイ。4回転トウループに2度挑んで転倒、トリプルアクセル2本はなんとか着氷。スローパートでは観客を指差すような仕草も楽しい。スピンは回転が速く、高いバレエジャンプでも会場が沸いた。
キス&クライでカナダのジャージを着ると、背中のCanadaを指差して見せる。アメリカ人だけど、カナダ所属を選んだ誇り。
4 川原星 SP:67.36(9) FS:127.85(9) 合計:195.21(10)
「ピアノ協奏曲(宿命)」♪ 端正なブルーのジャケット。トリプルアクセルをなんとか下り、2本目はダブルに。スローパートで丁寧にステップを踏み、後半3回転ルッツ+3回転トウループを決めた。3連続が3-1-1になったのはちょっと口惜しいかも。天を仰いでフィニッシュ。
プレゼントを自分で拾い、リンクサイドで深くお辞儀。キス&クライで「きつかった~」。フリーとトータルでも自己ベスト更新、頑張りました
5 キム・ジンソ(韓国) SP:68.64(8) FS:127.20(10) 合計:195.84(9)
「雨に唄えば」♪ ベストにネクタイ、振付は宮本賢二。最初のジャンプは4回転予定だったと思われるが2回転に。トリプルアクセル転倒、ルッツ・トウ3-3は頑張る。後半アクセルがシングルとフリップがシングルに しかしその後、サルコウ・トウ・ループ3-2-2、さらにトリプルアクセル 終盤でこのファイトに拍手が起こる。
一つ一つの音や歌詞をとらえる細かい振付を、頭や肩の動き、軽やかな足さばきで踊り、カート・ブラウニングの名作を知る観客にもアピールした。このプログラム、とにかく楽しい
6 アレクサンデル・ペトロフ(ロシア) SP:71.44(7) FS:149.58(7) 合計:221.02(6)
「オブリビオン」アストル・ピアソラ♪ グレーにゴールドがきれい。哀調をおびた男性ボーカルで、トリプルアクセルを2本、3回転ルッツ+両手上げ2回転ルッツと決めていく。テンポが速いパートでは、タンゴらしい切れのいい動きでステップ。後半も3-1-3などミスなく、しっとりとイーグルなどのコレオシークエンスもよかった。観客の拍手に笑顔でこたえる。
自己ベストには届かず、少し残念そう。
7 羽生結弦 SP:73.25(6) FS:186.29(2) 合計:259.54(2)
「Seimei」♪ 集中した表情で構える。左手をパン!と頭上に掲げてスタート。4回転サルコウ、決まった 4回転トウループ、入った さらっと跳ぶフリップ、ビールマンスピン。太鼓の音で静謐なステップ、今回はレベル3が取れた。後半の4回転トウループ、片手をついたが着氷2回転トウループをつけられた。
トリプルアクセルでやや乱れてなんとか1回転トウループをつけたが、次のトリプルアクセル+1回転ループ+3回転サルコウは跳べた でもルッツで転倒 ハイドロブレーディングやイナバウアーのコレオシークエンスが、クライマックスに導く。
力の限り、今日できることはやりきった。
8 ミハル・ブレジナ(チェコ) SP:75.46(5) FS:143.12 合計:218.58
「海賊」♪ 赤に金をあしらった華やかな衣装。冒頭のトリプルアクセルがきれいに入ったが、4回転サルコウは2度とも転倒、2本目のトリプルアクセルも転倒。ほかの3回転ジャンプは問題なく、バレエ曲らしいターンの連続で魅せた。
9 ナム・ニュウエン(カナダ) SP:76.10(4) FS:162.72(4) 合計:238.82(5)
「パッサカリアとフーガ、ニ短調」バッハ♪ 白いブラウス。最初の滑り出しが少し羽生の「バラード1番」に似てきたような^^; 4回転トウループ+3回転トウループ、単独4回転トウループ決まった トリプルアクセルもかなりきれい。2本目はちょっとターンが入ったが2回転トウループをつける。
終盤フリップ・トウ・ループ(片手上げ)3-2-2が決まると一気に盛り上がり、最後までほぼノーミスで滑りきった。終わって両拳を握って喜ぶ。
自己ベストには少し届かず。
10 アダム・リッポン(アメリカ) SP:80.36(3) FS:159.33(5) 合計:239.69(4)
「Because (The World is Round)」「Get Back」「Yesterday」「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」ビートルズ♪ 鮮やかな赤に黄色の線が眩しい。今日も4回転ルッツに挑戦したが転倒。トリプルアクセル+3回転トウループ、両手を上げての“リッポン”ルッツなどは余裕。「Get Back」で軽やかなステップ、「Yesterday」でしっとりと魅せ、最後はまた盛り上がれる、楽しいプログラム
11 パトリック・チャン(カナダ) SP:80.81(2) FS:190.33(1) 合計:271.14(1)
ショパン・メドレー♪ 4回転トウループ+3回転トウループ決まった!今日はトリプルアクセルもきれいに入る。後半のルッツ・トウ・ループ3-2-2なども乱れなく、絶好調 細かく動きながらきれいなエッジのステップやトランジションは、この人の本領発揮。
ノーミス演技に感激の表情。観客はスタンディングオーベーションで国の英雄を讃えた。ジャッジスコアに1つのマイナスもない、完璧なプログラムだった。
12 村上大介 SP:80.88(1) FS:171.37(3) 合計:252.25(3)
「Anniversary」YOSHIKI♪ 黒に白と金が入った衣装はフォーマルな感じ。4回転サルコウ、4回転サルコウ+2回転トウループ、トリプルアクセル+2回転トウループ、次々ジャンプが決まっていく。後半にルッツ・ループ・サルコウ3-1-2も入り、ほぼ減点はない。
つなぎのスパイラルやイナバウアー、コレオシークエンスのバレエジャンプなどもよかった。チャンの直後で、少しスケーティングやスピードは見劣りしたかもしれないが、今持てる力を出し切れた。
自己ベスト更新はならず。終盤までスピードを落とさずに演技構成点を上げていくこと、スピンのレベル等の取りこぼしをなくしていくことが、これからトップを目指すために必要かも。
結果、優勝はパトリック・チャン、2位羽生結弦、3位村上大介。日本勢2人が表彰台に 4位リッポン、5位ニュウエン。GPSデビューのペトロフとドレンスキーが6位と7位、ベテランのブレジナが8位。川原星は10位だった。
終わってみれば、予想とそれほど違わない結果だった 羽生と村上がファイナル進出に向けて悪くない順位が取れたことが、日本のファンには一安心 心穏やかに夜のテレビ放送を見ようっと
(BS朝日では、2日16:00~と3日15:00~の放送で男女全員が見られそう)
フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPS)2015、第2戦スケートカナダ。女子フリー(ジャッジスコア)。
1 エリザベト・トゥルシンバエワ(カザフスタン) SP:49.84(12) FS:115.32(4) 合計:165.16(7)
映画「愛のイエントル」より「Papa Can You Hear Me?」♪ SPで思いがけないミスでこの滑走順だが、フリーは落ち着いていた。冒頭、2本のルッツがどちらも単独になってしまったが、フリップ・トウ・ループ3-2-2や後半ループ・トウ3-3などをしっかり決める。
柔らかい体を活かしたスピン、曲に入り込んだステップは、しっかり観客の心をとらえる。終わってみればフリーの技術点は3番目、確かな実力を示した。
2 イサベル・オルソン(スウェーデン) SP:50.23(11) FS:91.35(11) 合計:141.58(12)
「夏」(ヴィヴァルディ「四季」より)♪ 赤い孔雀の羽のような衣装。ストリングスの速い曲にのって、最初から最後までよく動いた。2本目のルッツをコンビネーションにできなかったが、後半のサルコウ・トウ3-2やダブルアクセル+1回転ループ+2回転サルコウなどを決める。多少ぐらついたり手をついたジャンプはあったが、転倒なしでのりきった。
3 アリョーナ・レオノワ(ロシア) SP:52.08(10) FS:108.29(8) 合計:160.37(8)
「Summertime」「Jailhouse Rock」「In Other Words」「Sing Sing Sing」♪ 白い手袋にチェックのスカートが可愛い。冒頭トウ・トウ3-3を頑張って下り、ルッツや後半フリップ・トウ3-2などを着氷。曲が変わるたびに雰囲気をがらりと変えて、しっとりしたパート、はじけてるパート、笑顔をふりまく。終盤サルコウが2回転になったのは少し口惜しそう。
4 ヴェロニク・マレ(カナダ) SP:52.17(9) FS:99.68(9) 合計:151.85(10)
「バイオリン協奏曲変ホ短調」メンデルスゾーン♪ 青に花を散らす衣装。地元の大歓声の中、3回転フリップをややこらえて下り、ループでステップアウト。後半のほうが体が動いてきた感じで、フリップ・トウ3-2、高さのあるサルコウなどが決まった。
バイオリンの速い音にステップでもしっかりついていった。
5 ガブリエル・デールマン(カナダ) SP:54.13(8) FS:118.20(3) 合計:170.33(5)
「Tema de Maria (from "Maria del Buenos Aires")」「Yo Soy Maria」アストル・ピアソラ♪ 力強いルッツ・トウ・ループ3-2-2から入った。続くフリップ・トウ3-3はちょっとぎりぎりだったが、後半のジャンプも高さがある。スローパートでスパイラル、スペイン語ボーカルで情熱的なステップを見せた。
ほぼノーミスで大喜び フリーの自己ベスト更新。
6 エリザヴェータ・トゥクタミシェワ(ロシア) SP:55.37(7) FS:133.62(1) 合計:188.99(2)
「ペール・ギュント」グリーグ♪ まさか前半でフリーを滑ると思っていなかった。しかし今日は別人。トリプルアクセルに挑んでステップアウトしたが回転は足りていた。ルッツ・トウ・ループ3-2-2、後半のトウ・トウ3-3、サルコウからダブルアクセルのシークエンスなど、大きな減点の要素はなし。
「ソルヴェイグの歌」アリアでしっとりとステップ、終盤の合唱パートでダイナミックなコレオシークエンス、スピンからびしっとフィニッシュポーズを決めると、手をぐるぐる回してガッツポーズ
得点は、もう少し欲しかった顔。
7 ヨシ・ヘルゲション(スウェーデン) SP:56.26(6) FS:99.44(10) 合計:155.70(9)
「Once Upon a Time in Mexico」「Las Bandidas」♪ 黒レースに赤がアクセント。ルッツ・トウ・ループ3-2-2はうまく決まったが、フリップで転倒、ルッツがシングルに。しかし直後の3回転ループをしっかり決めて、大きく崩れはしなかった。ただ、ジャンプ構成があまり高難度ではないので、ノーミスでないと厳しい
スパイラルやスプリットジャンプのコレオシークエンスは大きく表現。終盤にクライマックスに向かう曲でのステップはもう少し機敏に動けるといいのかも。
8 ポリーナ・エドマンズ(アメリカ) SP:56.85(5) FS:111.84(5) 合計:168.69(6)
映画「風と共に去りぬ」より♪ ビビアン・リーが着ていたような雰囲気の衣装。見事なルッツ・トウ3-3に3回転フリップ+1回転ループ+3回転サルコウと立て続けに入った。後半フリップで転倒したが、フライングキャメルスピンで工夫した姿勢、雄大なスパイラルなど大人の表現。スケーティングの一歩がよく伸びるので、見ていて美しい
ちょっと回転不足が多かったのが今後の課題かな。
9 ケイトリン・オズモンド(カナダ) SP:59.21(4) FS:86.85(12) 合計:146.06(11)
「Danzarin」「Oblivion」「Tanguera」♪ 黒レース、髪に赤い花を飾って大歓声の中に登場。フリップ、ダブルアクセル、ルッツと3つ続けて転倒。ループ、フリップとなんとか下りたがステップアウト。さらにフリップで転倒と、痛々しい出来になってしまった。
スパイラルやイーグル、ヘアカッターのようにブレードを持って腕をくるっと頭の上を通す得意の動きなどは見せてくれた。
10 村上佳菜子 SP:59.79(3) FS:111.80(6) 合計:171.59(4)
映画「サユリ」♪ ブルーの広がった袖をひらりと翻して登場。フリップ・トウ3-2から入り、アクセル・トウは1-3に 後半3-2-2、最後にダブルアクセルがやっと決まった。細かいところでもう少しクリーンに決めたいところか。
三味線のリズムにのっていくステップがサユリの世界。そんなに悪い出来ではなく、次につながるフリーだったかな。
11 永井優香 SP:63.35(2) FS:109.57(7) 合計:172.92(3)
「August's Rhapsody」♪ すぐ前の選手とほぼ同じに見えるブルーだが、背中にバイオリンのような模様。SP同様、びしっとルッツ・トウ3-3から。ループが1回転になったが、次のループ・トウ・ループ3-2-2をしっかり決める。後半ダブルアクセル+3回転トウループも頑張った。最後のダブルアクセルを決めると、晴れやかな顔でスパイラル。
終わって両手を突き上げてガッツポーズ、GPSデビュー戦をやりきった。トータルの自己ベストをちょっとだけ更新、この時点で2位とメダルを確定 回転不足がいくつかあったが、修正できればさらに上を目指せる。
12 アシュリー・ワグナー(アメリカ) SP:70.73(1) FS:131.79(2) 合計:202.52(1)
映画「ムーランルージュ」より♪ 昨季と同じ曲だが、衣装は白に変えた。ダブルアクセル、フリップ・トウ3-2と序盤から安定したジャンプ。ループ・ループ・サルコウ3-1-3など後半のジャンプも隙がない。ほぼノーミスで終盤のスパイラルに入ると一気に盛り上がり、最後まで力強いスケーティング。
初の200点越えで優勝
結果、優勝はワグナー。SP7位から挽回したトゥクタミシェワが2位、永井優香がGPSデビュー戦で3位、村上佳奈子が僅差で4位。5位デールマン、6位エドマンズ、7位トゥルシンバエワ、8位レオノワ。
実は接戦だった3位争いは、永井優香が逃げ切った形になった。転倒やパンクなしで跳びきれるか、回転不足なく回りきれるか、そのあたりが結局ポイントになるのかも。
このあとはアイスダンス・フリー、ペア・フリー、最後に男子フリー。さて、どうなる