フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPS)2015、第3戦中国杯(カップ・オブ・チャイナ)。男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
1 グラント・ホッチスタイン(アメリカ) SP:74.27(5)
「Due Tramonti」♪ 羽生結弦が優勝した世界ジュニア2010で5位だった選手。シンプルなグレー。静かな曲で、丁寧なスケーティング。冒頭の4回転トウループは両手をつき、トリプルアクセルは頑張った。イーグルの美しさで惹きつける。後半のルッツ・トウ3-3も着氷できた。
自己ベスト更新。
2 宋楠(Nan SONG)(中国) SP:76.46(4)
「When Michael Met Mozart」♪ グレーのシャツにストーンが光る。この人の復活を、中国のファンは待っていただろう。4回転トウループ、跳んだ トリプルアクセルも決まってさらに歓声。ルッツ・トウは3-2になったが、手拍子に後押しされてステップを踏んでいく。
スピンでフィニッシュ、にっこりと笑顔 久しぶりにいい得点。
3 モリス・クヴィテラシヴィリ(ロシア) SP:66.92(11)
「I Believe I Can Fly」「What Is Love」♪ ライトブルーのジャケット。メロウな曲で滑り出し、トリプルアクセルは転倒、4回転サルコウは片手をついた。フリップ・トウ3-3は頑張って下りる。ディスコ調の曲でノリノリで踊りながらステップ、意外と踊るの好きそう。
時間オーバーの減点はもったいない。
4 エラジ・バルデ(カナダ) SP:64.68(12)
「Echoes of Harlem」デューク・エリントン♪ 白シャツに蝶ネクタイ。ファンキーなトランペットの音にのって滑り出す。冒頭のトウループはおそらく4回転予定だが3回転に、トリプルアクセルで転倒。ルッツ・トウは3-2で大丈夫。グルーヴ感を出したいステップだったが、ちょっと今日はちょっと乗りきれなかったか。
5 イヴァン・リギニ(イタリア) SP:68.98(10)
「誰も寝てはならぬ」プッチーニ、歌唱:ポール・ポッツ♪ 白から黒へグラデーション。この曲は今季の流行か トリプルアクセルはなんとかこらえ、4回転トウループは転倒。両手上げの3回転ルッツに沸いたが、続けた3回転トウループの転倒が惜しい。
一生懸命盛り上げようとステップで頑張っていたが、マックス・アーロンや宇野昌磨のバージョンには、ちょっと追いつかないかも。
6 マイケル・クリスチャン・マルティネス(フィリピン) SP:72.24(7)
「エグモント序曲」ベートーヴェン♪ 裾の長い白いシャツ。また少し背が伸びたような ルッツ・トウ3-3を下り、トリプルアクセルは惜しい転倒。イナバウアーを見せた後の3回転ループはきれいに入った。フライングシットスピンに入るとき、大きく構えたので何を跳ぶのかと一瞬びっくり^^;
ウィンドミルやI字姿勢、最後は見事なビールマンスピンでフィニッシュ。高得点に笑顔はじける。
7 金博洋(Boyang JIN)(中国) SP:90.05(2)
「タンゴ・アモーレ」♪ 昨季と同じ曲、赤系の衣装。いきなり、4回転ルッツ+3回転トウループ クリーン トリプルアクセルはややこらえる着氷だったが、後半に4回転トウループ 前代未聞
ステップも昨季よりクリアなエッジで、ちゃんと進歩している。キャメルスピンの姿勢などは柔軟性を増している。
技術点53.76、べらぼう・・・
8 リチャード・ドーンブッシュ(アメリカ) SP:70.21(8)
「ムーラン・ルージュ」より「Come What May」♪ ワインカラーの半袖。会場がまだざわつく中、4回転トウループ転倒。アクセルに入ろうとしてスリップして転倒 3回転ルッツ+3回転トウループが決まってよかった…
滑走姿勢やスピンの姿勢などはしっかりしていて、わりと好きな選手なんだけど
9 閻涵(Han YAN)(中国) SP:73.97(6)
「シング・シング・シング」♪ 白シャツでシンプルに。4回転トウループ転倒、トリプルアクセルはステップアウト。ルッツ・トウ3-3は高さがあってよかった。軽妙な振付、軽やかにスイングするステップ、全体では素敵なプログラム。
10 ミーシャ・ジー(ウズベキスタン) SP:69.13(9)
「道化師」レオンカヴァッロ、歌唱:ルチアーノ・パヴァロッティ♪ 黒に赤と白を斜めに。高橋大輔のフリーを思い出させるこの曲で、彼のもう一つの故郷である北京で滑る。
冒頭のトリプルアクセルは転倒、ルッツ・トウ3-3はセカンドがダウングレード 3回転フリップは大丈夫。キャメルスピンは前半通常と逆回転、足を換えてから通常回転で回った。ドラマティックなステップは、以前より体そのものを大きく使えるようになっている。
11 セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア) SP:80.99(3)
「Butterflies and Hurricanes」ミューズ♪ 黒の半袖から見える両腕は、タトゥー風 4回転トウループ+3回転トウループを決めたが4回転は両足着氷かも? トリプルアクセル、3回転ループは見事。力強いステップでフィニッシュ。
もうひとつ、見せ場らしい見せ場がないような・・・
12 ハヴィエル・フェルナンデス(スペイン) SP:93.19(1)
「マラゲーニャ」演奏:パコ・デ・ルシア、歌唱:プラシド・ドミンゴ♪ 赤いシャツに黒ベスト、薄く髭を生やして闘牛士のたたずまい。4回転サルコウを深く膝を曲げてこらえ、3回転ルッツ+3回転トウループ、トリプルアクセルを決めると客席からどよめき。ほかの選手はあまりやらない、フライングアップライトスピンもカッコいい。
ボーカルが入るといっそうスペインの雰囲気が盛り上がり、ステップは本場のフラメンコのリズムを刻んでいく。しっかり体を絞ってシーズンに入ってきている。
技術点こそ金博洋には届かなかったが、コーチのブライアン・オーサー氏が「Second mark」とつぶやいたとおり、演技構成点では追随を許さないのだった。
結果、フェルナンデスがトップ、金博洋が3点差の2位、約9点差でヴォロノフが3位。4位宋楠、5位ホッチスタイン、6位閻涵。地元中国勢3人がフリー後半グループになった。
フリーで金くんが4回転を何本決めるか、、、順位よりそっちが気になる
フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPS)2015、第3戦中国杯(カップ・オブ・チャイナ)。女子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
1 鄭璐(Lu ZHENG)(中国) SP:47.23(12)
「アメリ」♪ 清純な白の衣装。ループ・トウ3-2、3回転フリップ、ダブルアクセルとジャンプは安定していて、決まるたびに大きな拍手。キャメルスピンのきれいな姿勢や、ヘアカッターからビールマンスピンもよかった。
初めての国際大会がいきなりGPSだが、落ち着いて滑っていた。表現力やステップのエッジ使いなどは、これから。
2 趙子荃(Ziquan ZHAO)(中国) SP:48.66(11)
「キャラバン」♪ ブルーのセクシーなデザイン。トウ・トウ3-3頑張り、ドーナツスピンやI字スピンなどを見せる。3回転ループ、足を上げてからのダブルアクセルとミスなし。ステップでは体を大きく使えるようになってきた。ヘアカッターから足首のあたりをホールドするビールマンスピンで盛り上がる。
3 ハンナ・ミラー(アメリカ) SP:55.25(8)
「アラベスク」♪ 紫にカラーストーンがきらきら。中東風の曲で艶っぽく滑り出す。トウ・トウ3-3、3回転ルッツが決まった。バレエのようなジャンプからダブルアクセルとジャンプは完璧。レイバックスピンの入り方なども、曲の雰囲気によく合わせていた。
4 カレン・チェン(アメリカ) SP:58.30(7)
「誰も寝てはならぬ」プッチーニ♪ スケートアメリカに続いて今季GPS2戦目。ルッツ・トウ3-3は第1ジャンプのあとちょっと間があいたせいか、転倒してしまった。ステップでは一歩を大きくクリアに踏む意識が感じられる。ターンからの3回転ループ、イナバウアーからダブルアクセルときれい。足を高く上げるスパイラル、軸の細いビールマンスピンに喝采
5 李子君(Zijun LI)(中国) SP:58.62(5)
「月の光」♪ 紺にパールを散らしたシックな衣装。「加油!」とたくさんの声がかかる。しっとりとスパイラルから滑り出し、3回転フリップから2回転トウループのコンビネーション。イーグルを見せてからの3回転ループ、イナバウアーからダブルアクセルと決まる。
清純さを保ちながら、ふんわりと大人になりつつある美しさ。常に姿勢がきれいだった。
この時点でトップ、観客は大喜び
6 パク・ソヨン(韓国) SP:52.47(10)
「黒いオルフェ」♪ この選手もスケートアメリカに続いて2戦目。サルコウ・トウは3-3にしようとして、途中で開いた感じ。3回転ルッツで転倒したが、ダブルアクセルはしっかり決めた。
ギターとパーカッションが印象的なパートでステップ。もう少しラテンっぽさがあると洗練されるのかな。
いよいよ、浅田真央がリンクに登場
7 浅田真央 SP:71.73(1)
「素敵なあなた」♪ 藤色にストーンを散りばめた衣装。客席にバナーがたくさん 日本語の応援の声。。。
じっくり時間をかけて位置につく。腕を組み、視線と肩をきゅきゅっと動かしてスタート。トリプルアクセル、決まった 3回転フリップ+3回転ループ、決まった フライングキャメルスピンのあと、女性ボーカルが始まるとまた仕草で沸かせる。3回転ルッツ、跳んだ
スローからだんだんテンポを上げる曲にのっていくステップで手拍子。
見事な復帰、おかえり
ループに回転不足、ルッツにエッジエラーeがついたけど、これから改善していけばいい。
8 ニコル・ライチョヴァ(スロバキア) SP:54.76(9)
「Feeling Good」♪ スケートアメリカに続いて2戦目。真央のあとでちょっと滑りづらかったかな^^; トウ・トウ3-2、3回転ルッツを決め、フライングキャメルではホールドする手の持ち替えを見せる。気持ちよく曲にのってるステップ、ダブルアクセルとしっかりまとめた。
シーズンベスト更新。
9 コートニー・ヒックス(アメリカ) SP:62.38(3)
「The Feeling Begins」ピーター・ガブリエル♪ ワインカラーのワンショルダー。コンビネーションはフリップ・トウ3-2、イナバウアーや長いイーグルで魅せ、3回転ルッツやダブルアクセルをきっちり決める。キャメル姿勢からそのままシット姿勢になるスピンは見どころ。
自己ベストの得点にコーチたちと喜ぶ。
10 本郷理華 SP:65.79(2)
シルク・ド・ソレイユ(キダム)より「Incantation」♪ グリーン系の衣装が不思議な世界観を表す。フリップ・トウ3-3、3回転ルッツ、後半ダブルアクセルと問題なし。ステップで体を大きく使いながら表現していく。ウィンドミルをぶんぶん回すと会場が沸いた。
ちょっとだけベスト更新。
11 エレーナ・ラジオノワ(ロシア) SP:58.51(6)
「Je t'aime」ララ・ファビアン♪ サーモンピンク、裾が長い。スピードにのって滑り出したが、冒頭の3回転ルッツは単独に。もしかするとこっちがコンビネーションの予定だったかも。コンビネーションスピンの姿勢はなかなか面白い。
後半の3回転ループに3回転トウループをつけ、ややこらえて着氷。アクセルがシングルに でも流れるようなステップはさらに大人っぽく、きれいになっている。
12 アンナ・ポゴリラヤ(ロシア) SP:61.47(4)
「バイオリンとオーケストラのためのボレロ」♪ 赤のバンデージ風。ドラマチックな曲調で大きく動き出す。3回転ルッツはやや傾いたが3回転トウループにつなげ、惜しくも転倒。3回転ループとダブルアクセルはきれい。コンビネーションスピンに入るところでぐらついてしまった。
雰囲気のあるステップ、なかなかよかったんだけど。
結果、ただ一人70点越えの浅田真央がトップ、2位に本郷と日本勢が1、2のスタート。3位ヒックス、4位ポゴリラヤ、5位地元中国の李子君、6位ラジオノワ。
ライバルのロシア勢に10点以上の差をつけた浅田真央、フリーに向けて視野良好 楽しみ
フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPS)2015第3戦、中国杯(カップ・オブ・チャイナ)。最初は、アイスダンス・ショートダンス(ジャッジスコア)。
叢玥(Yue CONG)/孫鳴(Zhuoming SUN)が棄権、7組での競技となった。
2 趙悦(Yue ZHAO)/鄭汛(Xun ZHENG)(中国) SD:51.02
「La Valse Champagne」「La Polka de Paris」♪ ピンクのドレスとグリーン系のジャケット。ツイズルをきれいに合わせ、全体に滑らかでミスらしいミスはなかった。このカップルで2シーズン目、ベストを大きく更新。
3 王詩玥(Shiyue WANG)/柳鑫宇(Xinyu LIU)(中国) SD:50.64
「Piano Man」「Fever」♪ こちらは赤みの強いピンクで、男性はベスト。ワルツの課題をポップスでというのも面白い。ツイズルで少しふらついたが、大きなミスにせずまとめる。
4 フェデリカ・テスタ/ルーカス・チョリー(スロバキア) SD:53.90
「Waltz in Swing Times」「They Can't Take That Away From Me」「That's Entertainment」♪ オーソドックスな燕尾服、男性は特徴だった長めの髪を切ったらしい。ツイズルはばっちり、リフトの姿勢変化が自然でスムーズ。大柄な二人なので動きが映える。
減点はリフトの時間超過、ちょっともったいない。
5 エレーナ・イリニフ/ルスラン・ジガンシン(ロシア) SD:63.54
「Somebody to Love」「We Will Rock You」クイーン♪ そろって黒。後半グループになるとツイズルのスピードが違う。肩と胸を使うリフトに迫力。ロックでステップが個性的
アイスダンスのSDは課題リズムがあるので、みんな似たような選曲になりがちだが、こういう選曲もありか~ 70点には届かず。
6 ケイトリン・ハワイエク/ジャン-ルック・ベイカー(アメリカ) SD:58.35
「くるみ割り人形」♪ ピンクのチュチュでツイズルが、オルゴール人形のよう。随所にバレエらしい動きがあって、オーソドックスなプログラム。
終わって女性が少しつらそうだったが、痛みでもあったのかな? 男性が慰めていた。シーズンベスト更新。
7 アンナ・カッペリーニ/ルカ・ラノッテ(イタリア) SD:66.39
「メリー・ウィドウ」レハール♪ ワインカラーのドレスがきれい。エッジをホールドするツイズルの姿勢がいい。細かい脚捌きを丁寧にしている。ひところより全体のスピードが落ちてるかも^^;
8 マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ) SD:65.36
「More」アンドレア・ボチェッリ/「アンチェインド・メロディ」イル・ディーヴォ♪ ブルーのチューブドレスにタイなしの燕尾服。ステップシークエンスは滑らかでボールルームダンスらしい。ツイズルは少し合わなかったか^^; 後半しっかりスピードを上げ、膝の上に立つリフトで盛り上った。
技術点が伸びなかったのは、ツイズルやパターンダンスでレベルをやや取りこぼしたあたりか。
結果、カッペリーニ/ラノッテがトップ、2位にチョック/ベイツ、3位にイリニフ/ジガンシン。この3組がやはり表彰台の位置を争うことになりそう。
このあとは女子ショートプログラム
今夜からフィギュアスケート・グランプリシリーズ第3戦中国杯が始まる。浅田真央がGPSに復帰する試合で、日本との時差は1時間、これは日本でもテレビ放送にちょうどいい時間帯
と思いきや、、、今夜は女子ショートプログラムの放送がテレビ朝日で8時からあるが、競技は19時半ごろ終了している予定 8時は男子ショートプログラムが始まる時間だ。
しかし今大会は、日本から男子が出場してない(出場予定だった小塚崇彦が欠場となり、代わりに召集されたのが日本の選手ではなかった)。男子ショートプログラムの放送は、地上波では明朝5時から。ちょっと不遇
女子フリーは、競技は明日17時半から19時半ごろだけど、放送は18:56から21時半までの2時間半枠。まずSPの演技を振り返ってから、かな 時間がたっぷりあるんだから、全員の演技を放送してもらいたい
その間、男子フリーが行われ、、、放送は深夜(早朝?!)3:45から。リアルタイムで見づらい時間帯^^;
北米の大会をライブ中継するのは時間帯的に難しいけど、時差1時間の中国の大会も、必ずしもライブに適した時間帯ではないようで 女子がもう少し遅い時間帯だったら日本のテレビ局にはありがたいんだろうけど、中国では男子やペアのほうが人気で、ゴールデンタイムにしたいのは当然。そうそう都合よくいかないか
・・・テレビ放送は待ってられないな・・・