フィギュアスケートのグランプリシリーズが今年も始まって、第1戦スケートアメリカは宇野昌磨の優勝&三原舞依のデビュー戦3位と、嬉しい結果だった。
ところで、今年はショートプログラムの滑走順が抽選で決められている。今までは世界ランク(World Standings)の低い方からだったので、抽選はしていなかった。
テレビ朝日の放送で解説の織田信成氏は、「プレッシャー軽減の意味があるのでは。(ランク上位の選手は)毎回最終滑走だった」と説明。実況アナが「(浅田真央が3番を引いたが)滑走順が早いと点が抑えられるのでは、という心配もありますが。」それに対して織田氏は「浅田選手の実力なら大丈夫」みたいに返していた。
滑走順が早いと点が控えめ、滑走順が遅いほうが高得点が出やすい、という傾向は、全くないとは言えない 前半で素晴らしい演技が出て、気前よくGOEと演技構成点に高得点を出した場合、後半で同じかそれ以上の演技には同様に高得点を出さないと整合性がとれないから、全体に得点高めの大会になる。それが極端だとまた問題になるので、前半の採点はやや慎重になる、かもしれない
本来、ジャッジは「目の前で起こったこと」だけに対して採点しなければならないので、滑走順に左右されてはいけないんだけど^^;
今季、「世界ランク低い順から」を「抽選で」に変えた理由は何だろう。ちょっと考えてみた。
1.視聴率
「世界ランクが低い順から」だと、トップ選手たちは後半の登場になる。生中継する(海外の)テレビ局としては最初から見てほしいから、多少は前半にも人気選手が入ると嬉しい
今回スケートアメリカのアイスダンスでは、世界ランク3位のマイア・シブタニ/アレックス・シブタニが第1滑走を引いた。余裕でSDトップ 第1滑走でも全然得点に関係なかった。同じく地元アメリカのハベル/ドナヒューやポグレビンスキー/ベノイトは後半になったから、いいバランスだったかな。
2.選手権と同様
ヨーロッパ、四大陸、世界ジュニア、世界選手権では、世界ランクでグループ分けしてから抽選する。グランプリシリーズに出場するレベルの選手は、開催国枠の選手を除けば、おおむね選手権で後半に入るくらいの世界ランク上位。ということは、同じようなもの
事前に滑走順が想定できるのは有利だが、GPシリーズで抽選で決まった滑走順に対応する経験をしておくことによって、選手権でも慌てないですむかも。選手にとって、そう悪いことではないのかな?
3.世界ランク≠実力
フィギュアスケートの世界ランクは、当該シーズン・前シーズン・前々シーズンのポイント合計で決まる(前々シーズンは獲得ポイントの70%で計算)。
大会の規模によってもらえるポイントは違い、世界選手権(&オリンピック)優勝が1200、ヨーロッパ&四大陸優勝が840、世界ジュニア優勝500。2位以下は10%ずつ低くなっていく。同様にGPシリーズ優勝400、ファイナル優勝800。チャレンジャーシリーズ優勝300、その他国際大会(出場選手と代表国・地域の数が規定をクリアした場合)250となっている(一覧)。
長期間試合に出ないと、その間のポイントがないので必然的にランクは下がっていく。一方、ブランクなく試合に出続けていると、積み重ねでじわじわランクが上がっていく。
世界選手権やグランプリシリーズで目立った成績を残せなくても、B級国際大会にこまめに出て表彰台に乗れば、その分のポイントは常にキープできる。トップ選手たちはそんなに多くの大会にエントリーしてこないから、大会によってはそれほど高得点でなくてもいい順位が取れる可能性もあり^^;
実際スケートアメリカの時点で、浅田真央はパク・ソヨン(韓国)やロベルタ・ロデギエロ(イタリア)よりランクが下だった。浅田真央は休養後に昨季復帰したが、チャレンジャーシリーズやB級国際大会に出場しなかったので、ブランク1年分を取り返すに至っていないようだ。
してみると、「世界ランクが低い順」は、必ずしも実力が低い順ではない感じ ジャッジに変な先入観を持たれないように、ランダムな抽選順がいい
4.ジャッジも鍛錬
世界ランク低い順だと、なんとなくジャッジもそういう眼で見て採点してしまうかも。どんな順番でどんな演技を見ても、公平に採点できるように、、、って、今までもそうだったと思うけど、さらに徹底というところかな。
例年だとフリーはショートの順位が低い順に滑走だったが、今年は細かくグループ分けして抽選となった。下位半分(12名なら7位~12位)をさらに半分に分けて10位~12位と7位~9位、上位半分(1位~6位)をやはり半分に分けて4位~6位と1位~3位、それぞれ抽選。下位グループから滑走。
スケートアメリカの女子フリーでは、SP順位で10,11/8,9,7/4,5,6/2,1,3という順番になった。例年ならSP10位の村上佳菜子はフリー2番滑走になるはずだった。
フリー滑走順決定の方式は選手権でも採用されるので、フリー最終グループでショート1位や2位の選手が最初や2番目に終わってしまい、ショート5位、6位の選手が最終滑走という状況は起こらない予定。男子の5位6位だと、上位と20点くらい差がついている場合もあるので、表彰台争いに絡めそうもない選手が最終だったりするのはちょっと残念だから^^;
全体として、観客・視聴者がより楽しめるように、という観点からの改正と思われる。どんな効果を生むか、今季はじっくり観察
どちらもNHK。
29日(土)23:00~24:00 Eテレ「ETV特集」、「香港は誰のものか」。“今年9月、香港の議会にあたる立法会の選挙がおこなわれた。争点は、中国との関係。今回は若者中心の新興勢力が台頭し、波乱含みの展開となった。50日間の選挙戦を追った。”
「雨傘運動」をきっかけに存在感を増した若者中心の勢力が、経済を重視して中国政府との関係を強化したい勢力にどこまで迫れたか。。。
香港の人たちには、このままいくと中国政府に何もかも支配されるのではないかという危機感があると思う。不動産や観光は中国のお金で潤っているが、その影響で庶民の普通の生活が脅かされている面もある。家賃が急上昇して、伝統ある商店や食堂が営業を続けられなくなるケースが増えているのだ。
香港は誰のものか。香港人のものではないのか? 重い問いかけ。
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