フィギュアスケート・全日本選手権2022、男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
<G1>
中田璃士 SP:57.74(26)
「Believer」♪ 赤系。相当緊張していたか、動きが固い。3アクセルは「途中でほどけた」と解説・無良崇人さん。3トウでターンが入り、3トウを続けたがステップアウト。3フリップはきっちり決めた。
いつもの勢いがなかったけど、最後まで頑張ったかな。
本田ルーカス剛史 SP:62.48(20)
「エル・チョクロ」♪ 黒の袖に赤。冒頭は3アクセルに、なんとかこらえて立つ。4回転は回避して3フリップを決めたが、3ルッツで転倒が痛い キャメルスピンの姿勢はなかなかきれいで、袖の赤がいい効果になっている。
キス&クライにはジスラン・ブリアンさんと佐藤洸彬さん。
櫛田一樹 SP:59.98(24)
「Falling Like The Stars」♪ ブルー、黒手袋。4トウ予定が3回転になり、3アクセル転倒。3ルッツ+2トウは決めた。長身でキャメルスピンが映える。ステップの足さばきを褒められていた。
田内誠吾 SP:66.76(15)
「Je me souviens de nous」♪ 黒にストーンで模様。3フリップ+3トウ、3ルッツとジャンプが安定している。スピンをきちんと回っているところがいい。アクセルはまだ2回転だが、後半に入れてきた。まだ体の使い方がうまくはないが、全身でのびのびと滑っていた。
コーチ陣には安藤美姫さんも。
吉岡希 SP:80.85(7)
「マラゲーニャ」♪ 黒シャツに赤系ベスト。4トウ+3トウ、3アクセルとしっかり決めた ジュニア課題とは変えて3ルッツ、下りてホップを加える。ジャンプが調子いいので、シットスピンで回転がだんだん遅くなってしまうあたりが、勿体なく感じる。長身なのでステップはなかなか見ごたえがある。
今日はいいほうの吉岡くん キス&クライには田中刑事さんも。シーズンベスト更新。
彦坂昇吾 SP:49.81(28)
「Hey Brother」♪ 黄色シャツにゴールドベスト。フィギュアスケートを本格的に始めたのが中1というから驚く 3トウ+2トウ、3サルコウと丁寧に下り、2アクセルはややこらえたが立つ。なかなか躍動感のあるステップで、自然と手拍子が起こっていた。
隣に座るコーチは笹原景一朗さん。
<G2>
三島悠生 SP:38.87(30)
「You Are The Reason」♪ 白にボウタイ風。3サルコウ、3ルッツと続けて転倒、アクセルが1回転とジャンプは調子が出ず。ステップでは「一歩がよく伸びている」と解説・無良さん。全体に爽やかな感じのスケーター。
中村俊介 SP:77.74(8)
「EL Conquistador」♪ 黒の下にワインカラー。3アクセル、跳ぶ直前は大きく沈み込むが着氷姿勢はきれい。ジュニア課題のまま変更せず3ループを決め、3ルッツ+3トウはやや詰まったが大丈夫。ステップの動きがきびきびと切れがよく、身体の線もきれいで魅力的
濱田コーチとジスラン・ブリアンさんも満足げ。
周藤集 SP:61.36(22)
「Per Te」♪ 黒にゴールドで模様。3アクセルは下りたかと思ったが両手と膝をついてしまった。3ルッツ+3トウ、3ループ共に流れがいい。スケートがよく伸びていて、いい練習をしてきたと感じる。ステップも気持ちよく表現に没頭していた。スピンも安定感が増している。
山隈太一朗 SP:74.41(12)
「Natural Songbook VIII. After O Carolan」♪ ブルーとグリーン。高さのある3アクセル、3ルッツはちょっと沈んで2トウをつける。シットスピンはジャンプで出て、3フリップも鮮やか。キャメルスピンの回転が速い。
曲が激しくなっていくところで、激しく動きながら正確に踏むステップ、音とも合って豊かに表現する。こういうのはジュニア勢ではなかなか出せない
キス&クライで「楽しかった」と一言。得点を見て立ち上がってガッツポーズ。
西山真瑚 SP:66.43(17)
「That's Life」♪ チェックシャツに黒ジャケ。3フリップ+3トウ、片手をついたが着氷。イーグルからの3ループ決まる。アクセルが1回転に シットスピンの最後のほうで手の表情を変えるなど、いろいろ工夫がある。ステップはさすが、エッジ使いの美しさと動き全体で曲を表現しきっている。
Q(フリー進出)マークがついた
佐々木晴也 SP:64.73(19)
「スチームローラー・ブルース」エルヴィス・プレスリー♪ 赤に派手な柄。しっかり高さを出した3アクセル、ルッツは2回転になったが3トウをつけて事なきを得る。3ループはちょっとステップアウト。キャメルスピンがきれい。ノリノリのステップ、勢いだけでなくしっかり足さばきも見せていた。
京都大学から全日本に出場するのは神崎範之さんに続いて2人目とのこと。
<G3>
垣内珀琉 SP:61.42(21)
「リベルタンゴ」♪。黒に赤で模様。4トウに挑んで転倒したが引きずることなく、2アクセル、3ルッツ+3トウとしっかり決める。終始楽しそうに、生き生きした表情で滑っているのがいい。手足が長くて、うまく使えばもっと表現力を伸ばせそう。
キス&クライは田中刑事さんたち。
小林隼 SP:47.37(29)
「It's Gonna Be Alright」♪ 白シャツゴールド系ベスト。初出場。3ルッツ+2トウ、ややこらえたが大丈夫。アクセルは軽く2回転で、3フリップは途中でほどけたと無良さん。繋ぎのなかでウォーレイとか、リズムによく乗って踊っていた。
片伊勢武アミン SP:70.05(14)
「ドラマ「義経」より 伝説、そして神話へ(メインテーマ)」♪ 水色の着物風。3アクセル、ちょっとステップアウト。予定を変えて3フリップを決める。すごく丁寧なシットスピン、回転数が多い。3ルッツでこらえた着氷になったが、なんとか2トウをつけた。ステップの身のこなしの美しさはそれだけで見る価値がある。キャメルスピンも足をホールドして高く上げる姿勢が素敵
キス&クライには長光先生。
杉山匠海 SP:54.28(27)
「ピアノ・レッスン」♪ オフホワイトにベージュ。アクセルは両手上げで2回転に。両手上げ3ルッツ+両手上げ3トウ、きれいに下りる。フライングキャメルに入るところで着氷に失敗し無効に 両手上げでフリップを跳ぼうとして1回転に。最後のスピンではY字姿勢も見せた。
キス&クライには無良隆志先生。
長谷川一輝 SP:64.94(18)
「Happy」♪ シルバーシャツにグレーベスト。フィンガースナップの振付でスタート、2アクセル、3ルッツ+3トウときっちり決める。バタフライ連続から入るフライングキャメルスピン。シットスピンでレベルが1しかもらえなかったが、出のジャンプがカッコいい。くるくるとターンしながら入る3フリップ。ステップの中では前後開脚も見せ、全体に小粋でお洒落なプログラムを演じきった。
須本光希 SP:61.07(23)
「The Feeling Begins」♪ 白の薄茶でライン。今季が最後の予定。冒頭の3ルッツはステップアウト、2アクセルは予定通り。3フリップにしっかり3トウをつけられた。ジャンプは前半にまとめたが、あまり違和感はない。全体に丁寧なスケーティング。
Qマークがついてコーチたちのほうがほっとした顔
<G4>
大島光翔 SP:66.44(16)
「Real?」MIYAVI♪ ゼブラ柄パンツ、黒革ベスト。3アクセルはステップアウト、3フリップはOK。後半3ルッツで傾いて、なんとか2トウをつける。最初から最後まで、ノリノリで踊りまくり、ジャッジ前でアピールしまくり。「最初からエキシビションの人?」とつれあい
木科雄登 SP:58.73(25)
「Bad」マイケル・ジャクソン♪ 黒系ジャンパー。歴代のジャンパーの中で飛距離が大きいという3アクセル、下りて指さしポーズ。3ループはステップアウト、フリップが2回転になってしまった。ステップは頑張ったが、最後のスピン2つ続けるところはやや冗長な感じがした。
宇野昌磨 SP:100.45(1)
「Gravity」♪ 黒に細かいストーン。4フリップ、余裕。4トウでやや沈んだ着氷になり、2トウをつける。3アクセルも下りて伸びる。キャメルスピンの回転の速さ、ためとメリハリが心地よいステップ、ポジションチェンジが素早く切れのいいスピン。
積み上げてきたものが、全て身になっている。ランビエールコーチは笑顔で迎えた
森口澄士 SP:76.31(10)
「Breakthru」クイーン♪ 黒に黄色シャツ。大きなカーブイナバウアーを見せてから、どん!と3アクセルを決める。3ルッツ+3トウは距離が出た。両手上げの3フリップ、鮮やか シットスピンの中でジャンプを入れたり、ステップでバタフライが入ったり、随所にアクセントになる動きがあって楽しい。会心の出来にガッツポーズ
山本草太 SP:86.89(3)
「Yesterday」♪ 黒シャツ。軸の細いきれいな4トウ+3トウが決まった!ところがサルコウが変なほどけ方で2回転止まり。3アクセルは気合で決めてきた。
回転の速いシットスピン、自然と色気がにじみ出るステップはキックやジャンプがカッコよくて見惚れる。
キス&クライには山田満知子コーチ。
三宅星南 SP:76.69(9)
「Unchained Melody」♪ 白シャツ。体を左右に揺らすようにしてスタート。4サルコウ、やや乱れたが転倒せずに耐えた。気合を入れた3アクセル、いい流れ。キャメルスピンの足を高く上げた姿勢がきれい。シットスピンは伸びあがるようなジャンプで出る。3ルッツ+3トウ、ややこらえた。
ステップは一種躓きそうなところがあったが そんなの忘れさせるような雄大な表現のステップ、美しい体の線と一歩の伸びが素晴らしい。
<G5>
三浦佳生 SP:71.12(13)
「ミケランジェロ’70」「天使の死」アストル・ピアソラ♪ 黒に赤の花。4サルコウ、傾いて転倒。3アクセルはスピード十分。4トウも転倒してコンビネーションにできなかったのは痛い ステップのタンゴらしい所作、首や視線の使い方は堂に入ってきた。
いつもながら、攻めるタイプの選手
佐藤駿 SP:81.78(5)
「Carol of the Bells」♪ 黒の肩から布。スムーズに4トウを跳んだ。予定を変えて3ルッツ+3トウ、滑らか。シットスピンはスライディングで出る。キャメルスピンもレベル4。
3アクセルがステップアウトから転倒になってしまった。スケーティング自体はますます良くなっていると思う。
キス&クライには無良さんも。
壷井達也 SP:74.84(11)
「天国への階段」レッド・ツェッペリン♪ 黒Vネック。冒頭の4サルコウは転倒したが、3アクセルを軽々と決める。3ルッツ+3トウもばっちり。随所でびしっとポーズを決めたり、シニアに上がって大人っぽさが出てきた。全体としてまとまったプログラム。
友野一希 SP:85.43(4)
「Happy Jazz」♪ クリーム色シャツに赤系タイ、サスペンダー。動き出した瞬間から彼の世界。4トウ転倒したが、4サルコウきれいに下りて2トウをつける。コミカルな振付から3アクセルは余裕で下りて指さしポーズ。
ステップに入れば本日のメインイベント 速さだけでなく、一歩をきっちり踏んで、小粋で軽やかでひたすら楽しい キス&クライのミーシャ・ジーさんはどう見てたかな。
島田高志郎 SP:87.69(2)
「Sing Sing Sing」♪ 白シャツに紺ベスト。4サルコウ、ステップアウトしたが転倒はせず。4トウ+3トウ、少し傾いたがきっちり下りた 3アクセル、スピードに乗って決める。
ジャズ系の曲が続いたが、友野一希とはまた違うタイプの振付で、勢いにのってステップ。スピンでも人をうならせるだけのものを身につけた。
得点にはランビエールコーチも拍手
鍵山優真 SP:81.39(6)
「Believer」♪ グレー系。人前で演技することに今季は飢えていたんだろう。動き出した瞬間の気合が感じられた。4サルコウを完璧に決める。3フリップ+3ループ、ステップアウト。跳ぶ前に少しためらいが感じられたアクセル、1回転に
シットスピンは手をついてスライドで出る。ステップの体の動き、視線、音との合わせ方、「この曲はこうやって表現するんだ」という強い意志が見えた。
結果、ただ一人100点越えで宇野昌磨がトップに立ち、10点以上の差で島田高志郎が2位、3位山本草太、4位友野一希と続く。2位~4位は80点台後半、81点台で5位佐藤駿、6位鍵山優真。ここまでがフリー最終グループとなる。
全日本ジュニアチャンピオンの吉岡希が7位、同4位の中村俊介が8位につけた。ジュニア勢がどのくらい上がってくるかも気になる。
全体に、緊張でいつも通りの演技ができていない選手が多かった印象。やはり全日本は特別なのだ
フリーは明後日。明日はアイスダンス・フリーダンスと女子フリー