旧大連埠頭事務所。1926年竣工、日本支配時代の建物。 現在大連港務局。
解説
◆おいらががきんちょの頃、英国でサッチャリズムが吹き荒れていた頃、つまり今でいうネオ・リベの嵐が英国を洗っていた頃、(その頃は「英国病」という言葉が頻繁にきかれたが昨今はとんと聞かない・つまり克服したのだろう)、NHKで英国の現状報告をやっていた。サッチャリズムで何がどう変わったかということのレポートであった。その中で、今でもなぜか記憶に残っているのは、没落する中産階級の一部がニュージーランドやオーストラリアに「移民」する姿であった。
■さて、日帝にも「中産階級の小春日和」といわれる時期があった。大正デモクラシーの時代にほかならない。その後訪れる昭和恐慌。おいらは、戦後「進歩」的といわれる御仁の一代記(私本)を見た。彼は成り上がりのいんてりゲンちゃんだったが、昭和恐慌に直面。しかし、満州でいんてりゲンちゃんポストを得る。戦後もいんてりゲンちゃんとして、高度成長のなか、生き延びた。もう90歳をこえるはずだが、訃報は未だ聞かず。
彼もこの大連港にその第一歩を踏んだにちがいない。ちなみに、満鉄調査部にいた岡崎次郎センセではありません。
岡崎次郎 満鉄調査部
●現在日本の、ネオリベ大洪水状況において、英帝・サッチャーレジームや日帝・昭和恐慌記との大違いは、「満州国」の不在である。
ああ!我が「満州」は、いずこ!? なんちって。