草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

昭和40年代後半の椎名町

2023年02月03日 | エッセイ
あれから歳月経ちまして
変わってしまった椎名町
僕のいたころあのときは
駅を降りれば左には
アーケードがありまして
立ち食い蕎麦に古本屋
いつも顔出す馴染み客
金がなければ本を売る
僕の本はすぐ売れる
目利きの才を認められ
店主に僕は喜ばれ
鼻高々でありました
一日一食蕎麦だけで
過ごしたときが懐かしい
右に曲がれば陸橋で
そこをくぐれば定食屋
風呂屋が並んだおりました
僕の住んでたアパートは
トイレが共同四畳半
近くに中華料理店
箱を積んでる果物屋
あの頃広い道だとか
勝手に思っていましたが
狭い路地裏こそこそと
蠢く人がいたのです
名前も忘れた喫茶店
「がきデカ」読んで
ゲラゲラゲラゲラ
笑った僕は若かった
当時の人は見当たらず
世のうつろいに涙です
向田邦子のエッセイに
なぜか出てくる椎名町

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