淋しい浪人の心を持った思想家がまた一人この世を去った。四宮正貴先生の訃報に接し、言葉を失ってしまった。四宮先生は4月3日付のフェイスブック上において、「私の宗教体験」という一文をアップされておられた。それは政治的な活動家というよりは、まさしく求道者としての記録であった▼10代の頃から神社や菩提寺の参拝に行かれ、キリスト教の日曜学校に通ったこともあった。中学校3年で谷口雅春氏の『生命の實相』を読んで感激し、生長の家の活動に参加するようになり、それがイコール愛国運動であったともいう。それでいて人生の疑問を解くために、創価学会、霊友会、大本、立正佼成会の教団本部に出かけ、各教祖や会長と面談したのだった。最終的に手にされたのが神社神道であり、天皇信仰であられた▼四宮先生の『天皇国日本』を読み返して再認識したのは、その絶対尊皇思想が「この世界に起るすべてのことはなべて神意であるという」と確信を抱いておられたということだ。四宮先生は「天皇は、天上の神、皇祖神の神意を地上に顕現せしめるために、天津神のことよさしにより、天津神のみこともちて、地上に御統治あそばされ、常に天神地祇を祭り給うているのである。従って、国民として、臣下として、現人神として天皇の真姿を拝み奉り、絶対的に信仰してゆくべきである」と述べておられたからである。四宮先生の思想は古臭いアナクロニズムなのだろうか、そう断言するのは間違っている。日本の国柄たらしめているのは、天皇陛下がおられるからであり、その点を力説されていたのが四宮先生であったのだから。
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