久しぶりに産経新聞のネットに掲載された佐伯啓思京都大学教授の「誰が国を守るのか」(【日々の蔭りの中で】)を読んで、日本のサヨクのいい加減さを再確認した。戦後の日本の民主主義と平和主義の問題点を鋭く突いたからだ。何かすると憲法9条を掲げる者たちが、その一方では日米安保条約の存在は無視している。現実にアメリカ軍のプレゼンスがあるから平和は維持されてきたのである。絶対的な平和主義に立脚するのならば、それすらも否定しなくてはならないはずだ。朝日新聞も毎日新聞も、根本においてはそこまでは考えてはいない。欺瞞に満ちた言説を振り回しているのが日本のサヨクなのである。さらに、民主主義とは国民が権力を手にすることであり、それは同時に全人民武装でなくてはならない。自由とか民主主義とかが獲得された権利であり、それを守るためには、命を惜しんではならないのである。それを佐伯は「近代国家は主権によって動かされる。そして、主権者の役割は何よりまず国民の生命財産を守ることとされる。とすれば、もし主権者が君主なら、君主は彼の国民の生命財産を守らなければならない。そして主権者が国民ならば国民が自らの手によって彼ら自身の生命財産を守らなければならない。これが道理というものであろう。とすれば、民主主義では国民皆兵が原則なのである。もちろん、具体的にはさまざまな形がありうる。しかし『理念』としてはそうなる」と明確に述べている。日本のサヨクは民主主義のイロハも理解していないのである。かえって「徴兵制」に反対することが欺瞞なのである。戦後の日本を支配していたのは、本当の意味での左翼の理論ではなかった。死を恐れ、死にたくないとの素朴な感情であった。それを利用することしか考えていないのでは、現実の世の中を変えるイデオロギーにはほど遠いのである。
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