父の背負子の『随想古事記』と『最終章・これを知るために』のカテゴリーを完結しました。それで『ウタ・ウタ・ココロウタ』という新しいカテゴリーを作りました。私が子供時代から心ヒビキあってきた歌を集めました。第一回目は、万葉集の中の有名な柿本人麻呂のもの悲しくも美しい長歌!!!
玉襷 畝傍の山の 橿原の ひじりの御代ゆ あれましし 神のことごと 栂の木の いやつぎつぎに 天の下 しらしめししを そらにみつ 大和をおきて あをによし 奈良山を越え いかさまに おもほしめせか 天さかる 夷にはあれど いはばしる 淡海のくにの 楽浪の 大津の宮に 天の下 知らしめしけむ すめろきの 神の尊の 大宮は 此処と聞けども 大殿は 此処といえども 春草の しげくおひたる 霞立ち 春日のきれる 百敷きの 大宮どころ 見れば悲しも
楽浪の 志賀の唐崎 幸くあれど 大宮人の 舟待ちかねつ 実は反歌と思しき歌がもう一つあって、私の好きな歌、
楽浪の 志賀の大わだ 淀むとも 昔の人に またも逢わめやも
意味など分からなくても構わない!!!この美しい音が次々に醸し出す柿本朝臣人麻呂の心に触れてみて欲しいと思います。
たまだすき うねびのやまの かしはらの ひじりのみよゆ あれましし かみのことごと つがのきの いやつぎつぎに あめのした しらしめししを そらにみつ やまとをおきて あをによし ならやまをこえ いかさまに おもほしめせか あまさかる ひなにはあれど いはばしる あふみのくにの さざなみの おおつのみやに あめのした しらしめしけむ すめろきの かみのみことの おおみやは ここときけども おおとのは ここといえども はるくさの しげくおひたる かすみたち はるひのきれる ももしきの おおみやどころ みればかなしも
ささなみの しがのからさき さきくあれど おおみやびとの ふねまちかねつ
ささなみの しがのおおわだ よどむとも むかしのひとに またもあわめやも
なぜ栂の木でなければならなかったのか・・・・・この美しい歌の中で、ただ一つ長年心に引っかかり続けた疑問の音、今では解明できたと思っていますが、これは皇統そのものを指す言葉だということだけ申し添えておきます。