生まれてこの方、全ての人間は、既に余命を生きているのであるが、そんなことを日々実感しつつ暮らす人は、まずいない。癌宣告され、余命3カ月などと言われて、初めて本当の意味の命のカウントダウンが始まる。
この句の作者のお齢は知らないが、下五の「少し酔ふ」によって、余り深刻ではない、と判断して良さそうだ。「数え日」という季語にぶつかって、年末のことではなく「人生」の数え日に想いは至ったのであろう。
自分の死を見つめて深刻に暮らすがいいか、忘れてのんきに暮らすがいいか。
私は最近犬たちから学んで、犬に倣おうとしている。それは、犬は本当に必要なことしかしないからだ。つまり、「忘れてのんきに暮らす」これでいいのだ。