一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

973  炎天にみな外したる装身具  佐紀

2013年07月14日 | 

 本来の装身具は、外敵から身を守る目的で、魔力があるとされる物を常時身につけたのが始まりであり、呪術的な意味合いを持っていたそうである。

 更に、支配者階級が出現すると自分の権勢、身分の高さを他者に誇示する目的で身につけるようになったそうである。又、宗教が発展すると神とのつながりを目的として十字架など宗教的なシンボルを身につけるようになる。

 更に社会が裕福になると下層階級の人間も身につけるようになり、やがては本来の目的ではなく純粋に美しさを目的としたものに変化した装身具をジュエリーと呼ぶ。

 装身具は、余りに種類が多すぎて列挙できないが、最近では耳のみならず唇や鼻、顎や頬にまで穴を開けてぶら下げるピアスなるものが流行っている。原始人や土人たちもやっているから、本能的なものだろう。

 いづれにしても、権力・自己顕示など欲望と大いに関係がありそうだ。しかし、さすがにここ数日の炎天では、イヤリング・ネックレス・ブレスレット・時計・かつら・・・・ぜーんぶ外したくなるのは当然だ。炎帝に勝てるわけがない。

 刺青だって装身具の一種かもしれないが、これは外すわけにはいかない。それにしても、しわくちゃになった刺青を想像しただけでも可笑しい。

 広い意味では、衣類だって装身具に違いない。とすればこの句の作者が、素裸になった可能性も十分にあるわけだ。

ネムノキ(合歓の木) マメ科ネムノキ亜科の落葉高木

コメント
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