一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

966  第202回 岩戸句会 六月

2013年07月05日 | 

落石の十センチ横雨蛙        炎火

明と暗紙一重なり夏の蝶

   

夏至の日や帰宅を急ぐ由もなし    洋子

とりあえず蚊遣りを焚きて客を待つ

   

只管に壁よじ登る毛虫かな      豊春

枯れ松のトルソー並ぶ青芒

 

梅雨空のスカイツリーは注射針    薪

山葵アイスぴりりと甘き余生かな

 

文字摺やねじれて小虫登りおり    歩智

目黒川ここで泳いだ人に逢い

  

癌告知友起きあがる遠花火      正太

耳鳴りのそばで失せたる藪蚊かな

 

誰となく呼んでみたいな梅雨の月   章子    

蚊柱のよろよろと来てふらり去る

 

愁いある後ろ姿や白日傘       遊石

蚊柱の向こうに揺らぐ石仏

 

野川にも「もじり」盛んに梅雨暮色  侠心

藪そばの小庭にそっと蚊遣り哉

 

縮みゆく義母の髪切る梅雨晴間    鼓夢

虎が雨緑の絵具滴らせ

     

うたかたのわだちの水輪雨の跡    空白

濡れそぼる参院選の掲示板

 

何処より梔子匂う夕べかな      稱子

旅にある一期一会や夏薊

 

戻らざる今日のいのちや夏椿     雲水 

ご婦人が男のように藪蚊打つ

コメント
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