ヴァカンスとは、フランス語で5週間ほどの長期休暇のこと。19世紀の段階では、バカンスは貴族やブルジョアのものであり、金持ちが何もしないでいる時間のことを指していた。「vacances」とは、もとは「空」「中身がない」といった意味)。
20世紀になって、休暇は連続5週間まで取得可能となった。そのため、現代のほとんどのフランス人は、長期滞在型休暇を過ごす。
フランスは日本と同じ温帯に属する。しかし緯度は北海道に相当し、冬期は昼の時間が短い。毎年ヴァカンスの時期には、太陽の光と暖かい風を求めて、パリなど北フランスの住民が一斉に地中海沿岸部へと移動を開始するため、冗談めかして『民族大移動』と呼ばれたりするそうである。
長期間に渡るため、時として「ロマンス」が生まれるなど、時として人生を変えるほどのインパクトを持つ。そのため、「フランス人は一年の大半を次のバカンスをどのように過ごそうか考えながら暮らしている」「フランス人はバカンスのために生きている」とすら言われるそうである。
さて、この句の「ヴァカンス」は、せいぜい5,6日の「日本型夏休み」であろう。移動や遊びに忙し過ぎて、バテてしまっているのだ。日本人の夏季休暇は、まだまだ貧しい。
アサガオ(朝顔) ヒルガオ科サツマイモ属の一年生植物