一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

965  只管に壁よじ登る毛虫かな  豊春

2013年07月04日 | 

(ひたすらに かべよじのぼる けむしかな)

 禅語の「只管打座・しかんたざ」は「宋」時代の中国語で、「只、座っておけ」という意味。どうやら江戸時代にここから「ひたすら」という読みが与えられたようだ。

 壁は、この場合一般住宅の壁で良いだろう。「何ゆえにこんな壁を」と作者は考える。そして、その登り方を「只管」ととらえる。

 世の猛烈サラリーマンたちのように、もしかすると作者も只管に働いてきたのかもしれない。私には、そんな人間社会や自分を「毛虫」と重ね合わせているような気がしてならない。

ハナショウブ   アヤメ科アヤメ属の多年草

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