(ひたすらに かべよじのぼる けむしかな)
禅語の「只管打座・しかんたざ」は「宋」時代の中国語で、「只、座っておけ」という意味。どうやら江戸時代にここから「ひたすら」という読みが与えられたようだ。
壁は、この場合一般住宅の壁で良いだろう。「何ゆえにこんな壁を」と作者は考える。そして、その登り方を「只管」ととらえる。
世の猛烈サラリーマンたちのように、もしかすると作者も只管に働いてきたのかもしれない。私には、そんな人間社会や自分を「毛虫」と重ね合わせているような気がしてならない。
ハナショウブ アヤメ科アヤメ属の多年草