作者によれば、彼女は「自分の誕生日に、毎年必ず母親の墓参りをする」という。作者自身も母であり、お産の体験があればこそ、なるほど自分の誕生日に自分を産んでくれた母をお参りするのは、当然のことかもしれない。
ところが、お産が大変なことだと頭で理解していても、男には経験がない。だから私は、俳句よりも彼女の言葉に驚いてしまったのである。
この句の季語「天の川」は、彦星、織姫が年一回しか会えない七夕伝説を連想させる。娘が母を想う気持ちは、息子が母を想う気持ちより深いのかもしれない。
オトコエシ(男郎花)