一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1029  母想ふ吾が誕生日天の川  稱子

2013年09月14日 | 

 作者によれば、彼女は「自分の誕生日に、毎年必ず母親の墓参りをする」という。作者自身も母であり、お産の体験があればこそ、なるほど自分の誕生日に自分を産んでくれた母をお参りするのは、当然のことかもしれない。 

ところが、お産が大変なことだと頭で理解していても、男には経験がない。だから私は、俳句よりも彼女の言葉に驚いてしまったのである。

この句の季語「天の川」は、彦星、織姫が年一回しか会えない七夕伝説を連想させる。娘が母を想う気持ちは、息子が母を想う気持ちより深いのかもしれない。

オトコエシ(男郎花)

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1028  チンチロリン宿の廊下のうす灯り   遊石

2013年09月14日 | 

チンチロリンとは、①鳴き声からくる松虫のこと。②ドンブリに3個のサイコロを入れて、出た目で勝敗を決める、日本の伝統的サイコロ賭博。

 この句の「チンチロリン」は、二つを同時に言っているに違いない。つまり、外では松虫が鳴いていて、宿の部屋ではサイコロ賭博が行われているのだ。唱歌「虫の声」をお聞きください。以下、歌詞です。

 あれ松虫が 鳴いている
ちんちろ ちんちろ ちんちろりん
あれ鈴虫も 鳴き出した
りんりんりんりん りいんりん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ

きりきりきりきり こおろぎや(きりぎりす)
がちゃがちゃ がちゃがちゃ くつわ虫
あとから馬おい おいついて
ちょんちょんちょんちょん すいっちょん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ

キキョウ(桔梗)

 

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