この名前を聞いてピンとくる人が、いったい何人いるのだろう? ケーシー・ケイサムが亡くなった。享年82歳。ここ数年は闘病生活を送っていたらしい。謹んでご冥福をお祈り致します。
ケーシー・ケイサム、アメリカのDJである。クラブやステージでターンテーブルを回す人ではなく、ラジオで喋るDJである。もしかしたら、ラジオで喋りながらターンテーブル回してたかもしれない。アメリカのDJと言えばウルフマン・ジャックだよ、と言う人もいるかもしれないが、僕にとってはDJと言えば、やはりケーシー・ケイサムなのである。何故なら、彼がDJを務めていた『全米TOP40』を、毎週のように聴いていたからだ。
今を去ること約35年前、高校生だった僕の楽しみは、土曜日の夜にラジオ関東の『全米TOP40』を聴く事だった。その為に一週間を生きていた、というのはもちろん大げさだが、僕の高校生活は『全米TOP40』と共にあった、というのは言い過ぎではないかも。あと、吹奏楽部もだけどね(笑) 土曜の夜11時、ノイズだらけのラジオからケーシー・ケイサムの声が聞こえてくると、それだけでわくわくしたものだ。あ、いや、ケーシの声にわくわくしたまではなくて、これから始まる最新のヒットチャートにわくわくしたんだけど(笑)
当時の『全米TOP40』は、アメリカから送られてくる番組の音源に、日本側出演者によるアナウンスや解説等を加えて再構築したもので、決してケーシー・ケイサムが喋りまくる構成だった訳ではない。彼の声が聴けるのは、曲紹介や順紹介くらいで、番組そのものは、湯川れい子やラジオ関東アナウンサーの坂井隆夫、或いは一般公募で選ばれたアシスタントたちによって進行されていた。要するに、日本で作ってるラジオ番組って感じだったのだ。
にもかかわらず、ケーシー・ケイサムと言えば『全米TOP40』の印象は強い。まだ10代だった僕に、最新のアメリカのヒットチャートとアメリカへの憧れを、ケーシーの声が運んできた、という気がする。
ケーシー・ケイサムが他にどんな番組をやってたのか知らないし、その後どんな活動をしていたのかも知らない。80年代中頃には、あれこれあって僕も『全米TOP40』を聴かなくなっていた。番組のその後も知らない。どっかのFM局で放送していたような気もするが。
『全米TOP40』は僕の青春でした、とまでは言わないけど、高校時代を思い出す時、決まって真っ先に頭に浮かぶのは、部屋のベッドでゴロゴロしながら『全米TOP40』を聴いていた自分の姿である。青春ではなくても、それに近い、重要な存在だったに違いない。今回、ケーシー・ケイサムの訃報に接して、またひとつ、何かが終わってしまったような気がしている。
ケーシー・ケイサム、安らかに。
掲載されておりました。
ウルフマン・Jみたいな
風貌ではなく、俳優みたいな
イケメンでした。
(ご存命だったのも知りませんでしたが、、、)
僕もTOP40でのケイシー・ケイサムの声、今でも脳裏によみがえります。
>俳優みたいなイケメンでした
そういえば、『全米TOP40』の放送の中で、湯川れい子がケーシーの事を「すっごく男前」と言ってました。声だけではなかったのですね。合掌。
♪マットさん
>ケイシー・ケイサムの声、今でも脳裏によみがえります
マットさんも、『全米TOP40』聴いておられたのですね。懐かしいような、ほんの数年前だったかのような...この声は永遠ですね。合掌。
私は土曜日の午後、英語わからないのにFENのTOP40を聴いていました。
洋楽の師匠の一人でしたね。
>英語わからないのにFENのTOP40を聴いていました
僕は就職してから、会社の車でFEN(今は名前が変わったそうですね)を毎日聴いてた時期がありましたが、分からないなりに、曲名と歌手名だけは何とか聞き取ろうとしてましたね。その方が、意外と英語が上達したりして(笑)
>洋楽の師匠の一人でしたね
正にそうです。そして、同じTOP40の湯川れい子も師匠の一人でした。かがみさんの世代だと、小林克也とかですかね。今の若い連中には、そういう意味での師匠なんているんでしょうか?
私はFMの「歌謡ベストテン」「POPSベストテン」でしたね。ロイ・ジェームスのベストテンも良く聞いてました。
スペインでは"los 40 principales"(TOP40)を良く聞いてました。そこで気に入った曲があったら、レコード買いあさってましたね。
>TOP40って、なんで切りのいい50じゃないんでしょう?
これ、ビルボード側は関係なく、番組独自の区切りみたいですね。半分よりちょっと上、ってのがビミョーなのではないでしょうか?(笑)
>私はFMの「歌謡ベストテン」「POPSベストテン」でしたね
僕も中学生の頃は、この2つは毎週聴いてました。前者は故宮川泰氏、後者はシリア・ポールがDJでしたね。故ロイ・ジェームス氏の歌謡ベストテンもよく聴いてました。要するに、ヒットチャート物が好きだったようです(笑)