日系アメリカ人アーティスト、イサム・ノグチの生涯
以前、ニューヨークに行った時、市内の至る所にイサム・ノグチの作品が展示されていたのですが、日本の名前を持つこの人物については全く知りませんでした。
イサム・ノグチは日系アメリカ人の彫刻家です。戦時中、日系人として様々な差別的な体験を経て、1960-70年代には芸術家として、その才能を開花させ、一世を風靡するような作品群を残しました。日本とも良い関係を保ち、一時期日本に滞在していましたが、一箇所に永住することはなく、終生祖国を持たないコスモポリタンのような生活を送りました。
この本を読むと、アーティストというのは強い拘りとアクの強さがないとやっていけない職業なのかなと思います。イサムも強烈な個性の持ち主であり、妥協を許さない性格だったようで、素晴らしい作品を残し多くの人達と交流しましたが、親しい人間関係を保つのが難しかったようです。日系人という立場もあり生涯孤独な人生でした。それでも彼が残した作品は高い評価を受けており、今でも様々な場所に展示されています。
彼の生涯は、波乱万丈でしたが、常に確固たる意思と情熱を絶やさず作品に集中して取組んでいます。挫折も多かったけれど、決して挫けない強い意志の持ち主でもあったようです。