日本文学研究者として有名なドナルド・キーンさんが来日されるようです。
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日本文学研究者・ドナルド・キーン氏「永住で日本人勇気づけたい」(産経新聞)
9月上旬から日本に永住することを決めている日本文学研究の第一人者、ドナルド・キーン米コロンビア大名誉教授(89)が、日本への出発を前にニューヨークの自宅で産経新聞と会見し、永住を決意した心境や、東日本大震災の災禍に苦しむ日本人への思いを語った。
キーン氏は日本に移住した後、自らの名前の漢字表記を「鬼怒鳴門(キーン・ドナルド)」にすると述べるとともに、「(江戸時代の発明家)平賀源内の著作に取り組む」と、旺盛な執筆欲を見せた。日本の国籍を取得して日本に永住しようと思い立ったのは今年1月。病気がきっかけで、「これまで世話になった」日本で余生を過ごそうという境地に至ったという。3月の大震災後もその決断は揺るがず、「外国人が軒並み日本を去る中、逆に日本に向かう外国人の1人となる。日本人を勇気づけられるならうれしい」との思いを強くした。(中略)1945年12月、太平洋戦争で荒廃した日本を米軍の日本語通訳として訪れた経験から、キーン氏は「戦後、無事だった日本の都市はほとんどない。これに対し、今度の災難は日本全部を襲ったわけではない。日本人はやろうと思えば短時間で立ち直ることができるはずだ」と力を込めた。
【プロフィル】ドナルド・キーン……1922年、ニューヨーク生まれ。学生時代に「源氏物語」の英訳を読み、日本文化に興味を抱いた。日米開戦後は海軍情報士官を務め、復員後、英ケンブリッジ大、米コロンビア大、京都大で日本文学を学んだ。「日本文学の歴史」「百代の過客」「明治天皇」などの著作で知られる。
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東日本大震災が起きた時に、日本への永住を表明して日本国民への支援の気持ちを伝えてくれたドナルド・キーンさんが日本に向かって出発したようです。住み慣れたニューヨークを離れて89歳での永住は大変な決断だったと思います。でも日本への愛着の気持ちはそれ以上だったのでしょう。彼が日本人となって、日本で暮らすことは歓迎したいし、日本のために、これからも独自に視点での著作を残してもらいたいと思います。先日、彼の自伝を読んでとても感銘したので、あらためて彼の著作を読んでみたいと思っています。
追記:9月1日朝のNHKニュースでキーンさんの出発の様子が放映されました。NHKの関心の高さが伺えます。