昨晩、NHK-BSでクリント・イーストウッドの「アウトロー」を放映していました。
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「アウトロー」解説(ぴあ)
C・イーストウッドがアメリカ建国200年記念作品として製作した監督第5作。南北戦争末期に北軍のテリル大尉に妻子を惨殺された農夫ウェルズが復讐に燃え、南軍の生き残りである反逆団に加わる。しかしテリルの罠によって反逆団は壊滅させられ、ウェルズは流浪の旅を繰り広げていく。一見するとマカロニ・ウエスタン調の復讐劇だが、主人公が旅の途中で先住民族と心を通わせる逸話などが盛り込まれ、アメリカ史の一面を描くロードムービーになっている。イーストウッドが後に公私のパートナーとなるS・ロックと初めて組んだ作品でもある。
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中学校の頃に「荒野の用心棒」を見て以来、西部劇が好きになってよく見ました。ジョン・ウェイン、クリント・イーストウッド、アラン・ラッド、スティーブ・マックイーンなど、当時アメリカの大物俳優は何らかの形で西部劇に出演していたので、日本の時代劇の感覚(今で言う水戸黄門)で見ていたのを覚えています。
中でも、クリント・イーストウッドは息の長い俳優で、西部劇や刑事もの、アクション、ラヴストーリーなど多くの作品に出演し、監督としてもアカデミー賞を2回も獲得するほど優れた業績を上げています。この映画は監督としてまだ駆け出しの頃の作品でそれほど有名でも無いのですが、ストーリーが面白くてつい見入ってしまいました。
イーストウッドが演じるウェルズは一匹狼のガンマンで、悪人を殺すことには決して躊躇せず、何があっても動じない強い精神力を持ち、女性や子供には優しく、原住民を差別しないというキャラクターです。だいたいどの西部劇でも同じようなパターンで、主役は群れないのが鉄則なのですが、イーストウッドの場合、特に孤独で強気のキャラクターを演じることが多いようです。(そこが彼の魅力なのです)この作品でも、一体何人殺せば済むのかというくらい人を殺しますが、それだけでなく原住民との交流や北軍との対立などアメリカの歴史を感じさせるサブストーリーがなかなか面白くて、飽きさせない工夫をしているのが良かったと思います。最後までどうなるのか判らない緊張感漂うシーンも多く、思ったより満足度の高い映画でした。少し気になったのは、イーストウッドがいつも眩しそうな眼をしていることです。映画ではとてもクールな感じですが、しかめっ面で皺だらけの顔になってしまい、若いのに実際の歳よりも老けて見えます。80歳になった今は、ちょうど良い感じですけど。
ちなみに、ジョン・ウェイン、スティーブ・マックイーンなど西部劇に出ていた俳優は、ガンで亡くなっている人が多いようです。それは核実験が行われていたネバダ州の近くで、映画の撮影をしていたためという説もあるそうです。イースト・ウッドも西部劇には出てましたが、彼の西部劇はマカロニ・ウエスタン(イタリア制作)なので、核実験の影響は無かったのでしょう。それとも時代が違うのかな?