今年のダービーは、3番人気のディープブリランテが優勝しました。
------------------------------------------
ディープブリランテ鼻差で制覇…ダービー(スポーツ報知)
◆第79回ダービー・G1(27日・芝2400メートル、東京競馬場、良) 競馬の祭典に18頭が出走した。ゼロスが前半の1000メートルを59秒1で誘導したレースは、4番手を追走したディープブリランテ(岩田)が最後の直線抜け出し、猛然と追い上げるフェノーメノ(蛯名)を鼻差退けて優勝した。3着はトーセンホマレボシ(ウィリアムズ)。1番人気のワールドエース(福永)は4着に敗れた。岩田康誠騎手「最後は何とか耐えてくれた。写真判定の結果が出て、この馬を信じてよかったと涙が出た。この世代では一番強いと思っていたし、それをダービーで証明できた」矢作芳人調教師「岩田騎手がつきっきりでディープブリランテを調教してくれて、馬と人のコンタクトが明らかに良くなっていたし、これ以上にない仕上げができたと思う。最後の直線は叫び通しでした。勝てて感無量です」
◆ディープブリランテ 3歳牡馬、父ディープインパクト、母ラヴアンドバブルズ。北海道新冠町のパカパカファーム生産、馬主はサンデーレーシング。戦績は6戦3勝、重賞は2勝。獲得賞金は2億9205万6000円。
------------------------------------------
下馬評では、皐月賞を勝ったゴールドシップと2着のワールドエースが高く、特にワールドエースの末脚の鋭さに期待する人も多かったようです。結果は掲示板に載った5頭のうち3頭がディープインパクト産駒で、良馬場で直線が長いコースでの適性を反映した結果となりました。
ディープブリランテもディープインパクト産駒ですが、他の馬と比較するとやや末脚の速さに劣る印象で、東京コースでの適性の面で人気を落としていたようです。しかしながら、レースでは他よりも随分早めに先行して、大逃げを打った2頭を捕まえて、最後はフェノーメノの追撃に会いながらも何とか振り切っての勝利でした。昨年の不良馬場での力勝負と違って、良馬場での能力一杯の勝負で、とても面白いレースでした。
岩田騎手は、NHKマイルでの騎乗停止の間、この馬の調教に集中していたようで、その成果が存分に発揮されました。折り合いもレース運びも完璧だったと思います。口数の少ない地味な印象の騎手ですが、馬に乗ると体を起こし気味に乗る古風なスタイルで、追う時は派手なアクションで楽しませてくれます。ディープブリランテもその期待に良く応えて最後まで粘り、勝利をものにしました。
2着のフェノーメノは、人気はそれほど無かったのですが、蛯名騎手の好騎乗でハナ差の2着に入りました。こちらも完璧な騎乗で、この馬の能力は充分発揮していたと思います。20回目の挑戦の蛯名騎手は、今年も残念な結果になってしまいました。自分の目が届かないハナ差でで負けてしまうというのは、本当に悔しいかもしれません。
トーセンホマレボシの3着は、ウィリアムズ騎手の手腕に依るものでしょう。東京競馬場のG1で積極的に逃げて、最後まで上位に残るというのはあまり見たことがありません。これは騎手の力が大きいと思います。外国人騎手の上手さを改めて感じました。
今回の2強と言われていたゴールドシップとワールドエースは、4、5着でした。この2頭は最後もよく追い込んでいましたので、位置取りがもう少し前だったら、2頭のマッチレースになった可能性もあります。お互いを意識し過ぎて、追い出すタイミングが遅れたのが敗因のような気がします。いずれにしても今年のダービーでは、上位10頭くらいまでは、それほど大きな能力差は無く、展開や馬場状態でどの馬にも勝てるチャンスがあったと思います。次のクラシックは菊花賞ですが、同じような混戦が秋も続きそうな予感がします。今から秋競馬が楽しみです。
ちなみに応援していた馬は、柴田大知騎手が騎乗したコスモオオゾラでした。道悪巧者で、柴田騎手は雨で馬場が悪ければチャンスがあると公言したいたようですが、今日のレースでは快晴の良馬場でも他のディープ産駒と互角の勝負を見せて、6着に入りました。掲示板には届かなかったけれど、3着とは僅差でもあり、下馬評(10番人気)から考えると満足できる結果だったと思います。柴田騎手も騎手生活17年でダービー初騎乗ですが、よく頑張ったと思います。この経験を次のG1騎乗に活かして欲しいです。秋の菊花賞はスタミナがあるこの馬には向いているので、是非応援したいと思います。