眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

謎の茶碗と先客

2023-05-18 00:03:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
テーブルにもう1つあるお茶碗に食べ手のいない山盛りごはん

戸棚から食器が2つ出てきたが中にはついに何も入らず

3年も前に期限が切れている無限もやしにまだ未練あり

お茶碗と杓文字を構え立ち上がる母に応えた空っぽのジャー

ピザパンを皿に移して開かれたレンジに残る謎の先客

大きさも形も違うそれぞれの紅茶カップにまめ茶が入る

片づいた食器の後に開封のあんパンはまた別腹らしい

何曜日? 訊かれてもまた訊かれても僕が答える今日は火曜日

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この街の風景

2023-05-12 09:02:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
この街の歩道は広い自転車が4台並び人を追い抜く

この街のうどんは安いおにぎりとセットでワンコインを切ります

この街のレシート長い末端は隣街まで届く勢い

この街にメンズコーナーなくなった 何かいるなら Amazon で買え

この街の睡魔は強いしあわせなにゃんこと人がベンチに伸びる

この街のオレンジジュース氷なし ぬるくなっても水にはならぬ

この街の人の運動スクロール、ジャンプ、A B リセットボタン

この街のカフェは満席1杯のコーヒーおよそ2時間で飲む

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眠れない夜のリフレイン

2023-04-28 00:15:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
眠れない夜に打ち勝つ方法をAIと練る眠れない夜

眠れない夜にはじまる歌がある限りは続く眠れない夜

眠れない夜に開いた歌会が散々すぎて眠れない夜

眠れない夜にはいっそ歌います聴いてください眠れない夜

眠れない夜に数える羊には一千万の名前があった

眠れない夜の向こうに訪れる夜明けは何も明るくはない

眠れない夜の彼方に飛ぶ鴉 まもなく朝と勝手に歌え

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窓の向こうに

2023-04-22 02:48:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
お決まりの17音を抜け出して散文はレベル1の歩み

空白に満たされたまま動かない僕の1日400字詰

相槌の行き先不明対岸のソファーに伸びたスマホの男

チロルチョコレートをとってレジへ行きピッ♪と4回通し会計

後からの列車が先に到着とホームに響くイソップ童話

適当な言葉を探し60分 あるわけないが正しい答え

チャットから愛と正義を導いて生き残るのはゲーム感覚

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大臣パズル

2023-04-21 03:07:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
言ったとか言ってないとか人間の記憶はいつもうそつきだけど

罪ならば秘書の鞄に詰め込んで私は道義上を払おう

不都合なものなら順次差し替える手馴れた君の大臣パズル

問題を起こさぬように選びなさい 1問目から超難問だ

腐っても腐っても切り替えられる予備登録に絶対多数

大臣の顔に睡魔を覚えたら次のカードは総とっかえだ

つきだしたうそをとことんつき通す人こそ真の大臣マスター

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つまらない歌

2023-04-20 03:38:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
つまらない大人になった200歳ここから僕の逆転はある

つまらない大人になった昨日から肉をつまんで酒を飲んでる

つまらない大人になった昨日から道行く人をただ眺めてる

つまらない大人になった僕なりに少しはわかるコーヒーの味

つまらない大人になった窓辺から素敵な詩など降りてはこない

つまらない大人の口に住み着いた愚痴と駄洒落が時の支配者

つまらないつまらないなと繰り返す時間だけあるつまらない人

つまらないことで落ち込む未熟さに贈ろう僕のつまらない歌

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またぎ掃除機の最期

2023-04-20 00:51:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
一部だけエレベーターに呑み込まれ掃除機を壊したのは僕

不完全移動の掃除機を引いてエレベーターを止めたのは僕

あるいはと無事の帰還を期待した扉が開いて剥き出しコード

全体を把握するには長すぎるコードのやばい掃除機さらば

鳴り止まぬ点検ブザー15時に業者を煩わせたのは僕

2つしかないエレベーターを1つ止め大渋滞にさせたのは僕

落ち着いてさぼるがベターがむしゃらにフロアをかけすぎるはリスキー

「どうせもう捨てる奴だよ」そうなんだ僕は全く何もしてない

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誰もいない指定席

2023-04-19 04:49:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
風穴を僕に残して過ぎ去った転校生は初恋の人

「指定席?」当惑しつつ去って行くここは特急おき1号車

創作が指と脳との競争に変わる夕暮れサイバーパンク

共感に一番遠い場所にある読点きみのため息で飛ぶ

琴線に触れる言葉をたずねればいつもの空に浮かぶ広告

つかれたとあなたがいった教室の窓に風船どこからきたの

「空いてます?」鞄を置いて去って行くカフェは1つの椅子取りゲーム

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誰がために心を鬼に

2023-04-18 03:55:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
仕方なく心を鬼にしましょうか傷つく人のことはみないで

コンプライアンスをギリで飛び越えて上司が推した解約新規

一番にノルマが大事ねじ伏せた倫理の上の業務命令

法に触れない程度にはたぶらかし組織のために推奨の鬼

コンプラをノルマのために封じれば罪悪感に勝ってこそ鬼

よく言えば詐欺ほどじゃないやり口は上も認める悪しき慣習

鬼となり人を苦しめましたから私は首を洗い待ってる

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心離れ

2023-04-17 06:15:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
流行り廃りが振り回す人心にプッシュクローズアップ現代

最大で大層お得かもしれん 僕はだいたい最小の人

この令和世界の部屋にブラウン管あるかのような君の集金

不都合な真実だけを映さないテレビに学ぶ不条理がある

神様が総合的な判断で僕を選んでくれましたとさ

「重要」に思えなかった封筒がチラシと埋もれ紙屑となる

人々の心にいたい今夜一粒の共感だけを求めて

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クリスマス2022折句短歌

2022-12-13 23:37:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
靴音が
リーガルでした
速やかな
マックの陰に
スーツの男


空調が
理屈のように
擦れ合って
窓際だから
スキが届かぬ


9時半に
理想は落ちて
スーツだけ
まともに映る
スカイプ会議


クエストは
竜の鱗に
吸い取られ
まさかの時給
スリーコインズ


狂おしく
理想を巡る
スワイプの
真夜中あなた
ステマじゃないの


空想は
理屈をかいた
水槽に
まどろみ胸を
すかせる遊び


口惜しく
リリースされた
スキだから
紛れて静か
砂と流れる


(折句「クリスマス」短歌)

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ラブリー・クッキング

2022-12-11 02:37:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
めんつゆが鍋に沸いたら私だと一番風呂に飛び込む竹輪

玉葱が1つはあると信じれば抑え切れないカレーの希望

グラタンをリスペクトした焼売とマフィンの溶けたポタージュスープ

ぐつぐつと煮立ちほぐれた袋麺 君はこれからヤキソバになる

大根で鍋があふれるおでんにはバリエーションは期待できない

おでんからカレーうどんに進化して消えぬ竹輪のバイタリティよ

お茶漬けはお茶とご飯でつくられる何だかんだで君が一番

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コーヒーに詩を

2022-11-27 02:14:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
芸人の誰かに似てるマスターは売り出し中の感じいい人

マドラーがくるくるとなる夕暮れは終わりなき創作の始まり

一口の深い余韻に感謝して一編の詩をここに捧げる

コーヒーに湯気立ち上がるケルベロス、グリフォン次はユニコーンかな

ポスターが窓を覆った隙間からのぞいた街のジグソーパズル

コーヒーと僕の間に割り込んだポメラは世界観を求める

初めだけ温かいのが世の常と姿を消した湯気が伝える
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折句の秋 コツコツと例えて過ぎる秋短歌

2022-11-12 04:39:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
アザラシと
キノコで遊ぶ
宿を借り
涼めば空に
ミサイルの影
(折句「秋休み」短歌)

飽くほどに
棋士が頼んだ
山かけも
雀が指せば
美濃の好形
(折句「秋休み」短歌)

「あいてます?」
希望を秘めて
やってきた
スリムシュガーは
未知の形状
(折句「秋休み」短歌)

悪党と
金で結んだ
約束も
過ぎれば彼方
都の話
(折句「秋休み」短歌)

あたたかな
きつねが欲しい
やまがより
スリー唱えて
みえるおうどん
(折句「秋休み」短歌)

愛憎の
記憶を追って
矢を射れば
過ぎた昨日に
みぞれが当たる
(折句「秋休み」短歌)

悪法に
棋譜とまとめて
破られた
筋書きを追う
観る将の夜
(折句「秋休み」短歌)

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夏の忘れ物

2022-10-22 06:39:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
Aメロでドキュンとなった詞を抱く9月の君とサンボマスター

(折句「江戸仕草」短歌)
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