眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

向上心も忘れてみよう

2019-08-31 21:16:00 | 【創作note】
目的や向上心を持つこと
狙いや効果について考えることは
きっと大切なこと

だけどそれに捕らわれすぎても危ない

強くなることを目的にして
強くなっていく内はよいが
「もうこれ以上強くなれない」
と悟った時に
目的を失って絶望してしまうことがある

無理な営業数値を設定しては
組織はおかしくなっていく
それよりも正しい姿勢を保つことの方が重要だ

結果や数字がすべてではない

目に見えぬものの存在をもっと信じることだ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「B級エイリアン」感想文

2019-08-30 17:38:15 | 【創作note】
 サイトーさんの名を語る者が店にやってきた。マスターは動じない。既に偽者であることを見破っている。 
 目耳口鼻、まず顔の基本的な構成からして、サイトーさんとは大きく異なってるようだ。それを一つずつ言葉で説明していくところに、マスターの律儀な性格が現れている。
 サイトーさんではないとしても、お客様の一人ではある。そこに思わずおもてなしの心が顔を出してしまう。
 
 理屈で攻めるマスターに徐々に動揺の色を隠せなくなる偽サイトー。そして、ついに最後の切り札としてのカンサイ人が放たれる。
 ここに来て偽サイトーは言い逃れができなくなった。同時にそれは偽サイトーがエイリアンとなって牙を剥く瞬間でもある。
 こんなことになるのなら……。
 マスターはサイトーさんを知るが故に、偽サイトーを許容することができなかった。皮肉にもそれがエイリアンを覚醒させてしまうことになろうとは。
 
 その人をその人だと証明する手がかりは何だろうか。
 声、顔、瞳、指……。それは完全に信用できるものだろうか。
 一つ一つを疑い始めた時、すべてが疑わしく思え始める。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メニューのないレストラン

2019-08-29 23:43:00 | ワニがドーナッツ!
メニューがないのは必要ないほど豊富にものがあるから
何でもあると店長は豪語している
もしもあなたが偶然そこに足を運ぶ日があったら
あなたの好きなものを何でも注文してみるとよい
気のいいマスターが二つ返事で引き受けてくれる
ヘイ、マスター!

「オムレツ」
「ないね」
あるものは何でもあるが例外もないわけじゃない
そんな時にはめげずに次をリクエストすること

「天ぷらうどん」
「ないね」
「何があるの?」
「何でもあるから言ってみ」

一つ二つの挫折にめげることはない
リクエストは募集中
さあ、切り替えていけ

「ペペロンチーノ」
「ない。はい次」
「ちらし寿司」
「それはない。あるもん言ってよ」
「パエリア」
「無茶はあかんで」

あなたは試されている
リクエストはどこまでも自由だ
何を言っても許される
しかしそれがまっすぐに通るかどうか
それはあなたのセンスにかかっているのだ

「枝豆」
「今はないね。次のリクエストは?」

惜しい
さっきまであったものが
今はない
一足違いで
あなたの欲しいものは
既に他人の胃袋の中へとけ込んでいった

「アイスコーヒー」
「あかんで。はい次!」
「ナポリタン」
「ないって! 早く作らせてや」

あなたは何でも注文することができる
何にしても外れはない
きっとあなたの胃袋は満足する
しかしたった一つだけ条件がある
リクエストはピタリとはまらなければならない
的外れでは通らない

「チーズピザ」
「次!」

たまたま上手く行かないこともある
それが自分の実力か
そういう運命なんだ
そんな風に決めつけるな
リクエストを止めたらそこで終わりだ
未来の扉は勝手に閉じたりはしない

「インドカリー」
「あいよー!」

ワニがドーナッツ!!!

「あるの?」
「当たり前や。何でもあんねん」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

素麺流し

2019-08-28 07:53:00 | リトル・メルヘン
「来週入ってきます」
「えっ? 先週も確かそう言ってましたよね」
 素麺ブームは衰える気配がなく、どこの店に行っても一本の麺も残っていない。僕は入荷の日を楽しみに一週間を過ごしていた。昨日から何も食べずに足を運んだというのに。
「また来週お越しください」
 食欲が一気に失せた。素麺以外の何を食べろというのか。記録的暑さが体力を日々奪っているというのに、今は素麺以外にまるで関心がない。


「くそガキが。10年早いわ」
「いや100年だ。ガキに食わせる素麺はない!」
「まったくだ。氷でもかじっとけってな」
「ははは。こいつは俺たちのもんだ」
「時給950円の俺たちの報酬だ」
「当たり前だ。これくらいないとやってられるか」
「やっぱり夏はこれに限る」

「あっ、ガあ。お客様……」
「ん? 客?」
「何か?」
「トイレ貸してください」
「あー……。ないんです」
「えっ?」
「トイレはないんですよ」
「なるほど」
 密かに踏み込んだバックヤードに闇を見た。季節の風物詩は独占的に流されているのだ。僕はすぐさまカメラを起動して店員たちの悪事を撮影しておいた。もうどんな言い逃れも通用しない。

「はい」
「トイレはね」
「はい。ごめんなさい」
「何が?」
「はい?」
「何がごめんなさいなの?」
「ですから。トイレがですね」
「で?」
「で?」
「くそガキに何か言うことは?」
「えーと。いつからそこへ?」
「最初からいたよ」
「最初から……」
「先週くらいからかな」
「実はこの素麺ですね、今入ったとこでして……」
「今ね」
「はい」
「100年前じゃない?」
「お客様……。誠に申し訳ございません」
「うん」
「このことはどうか……」

「さあ、どうしようかな。僕はむしゃくしゃしてるんだよ。何かネットにアップしたいくらい。例えば流し素麺の動画とかだけどね」

「お客様。それはちょっと。よかったらこちらへどうぞ」
「そう?」
「ここ空いてますから。めんつゆも持ってきますから」
「食べてもいいの?」
「勿論。好きなだけお食べください」

「じゃあ、そうするか」
「ありがとうございます!」

「麦茶もあるかな?」
「はい。少々お待ちくださいませ!」
 
 この夏最初の素麺を僕はバックヤードで食べた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

読書体験

2019-08-28 02:57:58 | 夏休みのあくび(夢追い特別編)

 面接へと向かう途中の道で水をかけられた。

「おーい! 今、水がかかったぞ!」

「あー。ごめんよ」

 自分の気持ちを前に出して言えるようになった。以前とは違う自分が誇らしかった。胸を張って、面接会場の公園に足を踏み入れた。

 専務は砂場の縁に腰掛けて待っていた。

 僕は慎重に名乗ってから、懐から履歴書を取り出そうとした。けれども、専務は手でそれを制して先に自分の鞄を開いてみせた。中から取り出したのは、自らが開発した自慢の新製品だという。

「昨日会社をやめてきたんだ。だからもう専務じゃない。ということは、もう君は必要ない」

 元専務は、わかりやすく立場と事態の変化を述べた。

「おじさん、何言ってるの?」

 素直に引き下がるのも、何か違う気がした。

 滑り台の頂上では鴉が列を作り、順番を待っていた。

 

 

 

 机の上で組み合う彼女の腕には思わぬ強さがあった。

「腕を鍛えているね」

 無惨な敗戦も頭を過ぎった腕相撲の勝負には、辛うじて勝つことができた。面目を保った部屋の空気は穏やかだったけれど、ゴミ箱の中にTシャツを見つけた。

「捨てたの?」

 まだ捨てるほどに草臥れてはいなかった。

「落としたの」

 奇妙な落とし物をする人がいる。人は、まあ色々だから。色んな人に会う度に、自分の感覚に修正を迫られてきた。何が正常かなんて簡単に言えず、人とつき合うことはすれ違うような経験の連続だ。時には、とても苦い。

「拾っておいて」

「僕が?」

「そうよ」

 どうしてそんな馬鹿なことを訊くのというように、響いた。昨日の僕なら、すぐに拾うことができたかもしれない。けれども、急に体が重く感じられ、腰を屈めることも手を伸ばすこともできなくなっていた。

「もう色々と嫌になったよ」

「そうなの?」

 驚いたように彼女は言った。ショックを受けた風ではない。

 

 子犬が迷い込んで来た。子犬だけではなく、少し離れたところに大型犬の影が見えた。

「来ちゃ駄目」

 おいで、おいで、と誘われているように、子犬はゆっくりと近づいて来た。周りを警戒する様子はない。手が届きそうな距離まで来たところで、突然、後ろの犬が猛ダッシュをかけて子犬の横に並んだ。

「六円貸してください」

 大きな犬は口を開いた。針と糸を買うために必要だと言った。

「そうなの?」

 事情はよくわからなかったが、深く問い詰めても仕方がないような気がした。犬の目には、どこか訴えかけるような力があった。庭先に待たせて、貯金箱を取りに行った。小銭くらいなら、用意できないこともない。

「お腹空いていない?」

 犬は並んで行儀良く待っていた。痩せこけているというほどでもないが、じっと待っていた二匹の姿を見ると何か心配になった。遠い街から、やって来たのかもしれない。断られ続けた末に、たどり着いたのかもしれない。あと少しで飽和に近づいていた貯金箱を庭先にぶちまけた。犬は、鼻先を五円玉の穴に向けて近づけた。これだよと教えるように、子犬の方を向いた。

「もっと取っていきなよ!」

 針と糸を買うのにだって、もっと必要だろう。一緒に、おいしいものでも食べればいいんだ。せっかく、ここまで来たんだからね。遠慮を解かれて、二匹は微笑みながら尾を振った。

 母は五百円、子犬は百円玉にキスをした。

 

 

 

 誰かの感想を自分の感想に置き換えて九月の教室で読み上げた。人の考えることはそう変わらない。これが自分の考えだとして何も不思議はない。声に出すほど自信が湧いて来るようだった。

「猫も魔女もこの話には出てきませんよ」

 先生、それは先生の感想でしょ。僕は僕自身の読書体験を今しているのです。先生のとは、まるで違って当たり前の。

 猫はたくさん出ましたよ。魔女ならその何倍も出たはずです。なぜかと言えば、猫の後ろにはそれぞれたくさんの魔女達が隠れるようにして、夢のような企みを秘めながら存在していたからです。

「ねえ、先生」

 先生は一つ大きなあくびをした。

 大きな大きなあくびの中に、みんなの夏休みは吸い込まれて行く。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AI新手

2019-08-28 02:24:40 | 短い話、短い歌
 どんなに考えても、どんなに考えを無にしても、勝ち目がない。こちらの微かな動き出しを見透かして、容赦ない応手が飛んでくる。負けて覚えるものは痛みしかなかった。普通の手は通用しない。グーでもチョキでもパーでもない新しい手をひねり出すのだ。AIが驚く顔はどんなものだろう。ついにとっておきの手を繰り出す時がきた。「これならどうだ!」敵は動揺する様子もなくすぐさま見たこともない新手を返してきた。それはグーでもチョキでもパーでもない、こちらの想像を超えていく奇妙な手だった。「光速流の対応だ!」やはり僕は負かされてしまうのか。
 
 
敗着の
一手を悔いて
お茶をみる
まぶたの下は
スイート・コーン
 
(折句「バイオマス」短歌)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

叩け一発!銀頭の歩

2019-08-28 00:28:00 | ワニがドーナッツ!
叩け! ポンポン
狙うは銀頭

それもう一発!
乱せスクラム

叩け! 狙い目は銀の頭

それもう一発!
引き離せ金銀の連携

叩け! ポンポン
小さな投資で大きな戦果
それもう一発!

さあ もう一発!
くらえ! 焦点の歩!

叩け! 叩け!

あれ? もう歩がないぞ!

!!ワニがドーナッツ!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

とりかえっこ

2019-08-27 03:16:47 | リトル・メルヘン
 昔々、街の中心に近いところに傷ついた鶴がいました。偶然にそこを通りかかった若者は、傷ついた羽を震わせ苦しそうな鶴を見つけて立ち止まりました。(助けなければ)若者は助けることを前提にして、念のためにその後のことも考えてみました。もしもこの鶴を助けたとして、鶴の傷が癒え、元気になったとして……。
 若者は助けた後の未来に想像を掘り下げながら立ち止まっていました。元気になった鶴が、突然家に押し掛けてくるかもしれない。部屋を一つ貸さなければならなくなるかもしれない。人間の振りをした鶴が、こっそり仕事を始めるかもしれない。うるさくて眠れないかもしれない。冷蔵庫を勝手に開けられるかもしれない。合い鍵を作らなければならないかもしれない。隣人に怪しまれるかもしれない。
「絶対に見ちゃ駄目」と言われるかもしれない。
 その時、自分はどうなってしまうだろう。(今のままじゃいられないよ)変わることへの不安、失うことへの不安が脳内を占め、若者はどうしても救助の一歩を踏み出すことができませんでした。自分でなくても……。その内にそのような思いが大きくなっていくのでした。
 人通りは多いのだし、途絶えることはないのだし、都会なのだし。もっと余裕のある人が助ければいい。間取りの広い家の人が助ければいい。ちゃんと秘密を守れる人が助ければいい。だから、それは自分以外の人間だ。きっとその方があの鶴にとっても幸福なことに違いない。そう結論づけて若者はその場を離れました。街の中心を離れ、自分の家とは真逆の方へ歩いていきました。
 
 ちょうどその頃、太郎さんは海辺で迷いながら一頭の亀を見ていました。亀はたくさんの若者たちに囲まれて、酷い仕打ちを受けているのでした。いったい亀は何をしたと言うのでしょう。(きっと何もしていないに違いない)寄ってたかっての攻撃にじっと耐え続ける亀の甲羅を見ていると何となくそのような感じがしたのでした。
 ゆっくりと太郎さんは哀れな(勇敢な)亀の元へ近づいていきました。罵声と笑い声がどんどん大きくなっていきます。
「助けなきゃ」そう思った瞬間、なぜか太郎さんの足は前進を止めてしまいました。助けることはできるだろうけど。太郎さんは助けるにしても、その後のことを考えてからでなければ動けませんでした。将来のことを見通してからでないと、一歩を踏み出すことは困難だったのです。
 乱暴者たちを追い払い、憂いの晴れた亀は元気を取り戻す。そして、亀はどうするのだろう。(とても義理堅い亀だったりしたら……)「どうぞ私の背中に乗って」と誘われるかもしれない。それはハニートラップかもしれない。甘い笑顔、甘い言葉、強引な甲羅に拒むことができないかもしれない。一度亀に乗ってしまうと、亀はぐんぐん進んでいくかもしれない。振り返らずに海の方へ向かっていくかもしれない。寒いかもしれない。冷たいかもしれない。息が苦しいかもしれない。ずっと家に帰れないかもしれない。深い深い場所できれいな人に出会うかもしれない。それは新しいハニートラップかもしれない。うれしいかもしれない。楽しいかもしれない。しあわせすぎるかもしれない。戻れないかもしれない。いつかは戻されるかもしれない。
 助けた後の風景に想いを巡らせながら、太郎さんは酷い仕打ちに耐える亀を見ていました。ずっと戻れなくなるかもしれない。ずっといたくなるかもしれない。いつかは戻されるかもしれない。そことここでは人生の重さが違うかもしれない。時間の長さが違うかもしれない。帰りはタクシーかもしれない。大層な贈り物を持たされるかもしれない。開けるなと言われるかもしれない。みんな変わっているかもしれない。知人も友人もいないかもしれない。知らない芸能人ばかりかもしれない。開けるしかなくなるかもしれない。煙に包まれるかもしれない。一瞬で老いてしまうかもしれない。
(酷いとばっちりだな)
 老いた自分の姿を想って、太郎さんは身震いしました。
(自分でなくても)太郎さんは突然そのように思い後退りしました。もっと武芸に秀でた者が、もっと権力を持った者が、あるいはもっと誘惑に強い者が助ければいいのでは……。その方がすべてが上手く収まり、あの亀にとってもきっと幸福なことに違いない。そう結論づけると太郎さんはくるりと回って歩き始めました。
 
 その時は納得したはずの結論でした。けれども、海辺から離れるに従って、太郎さんの胸の中には経験したことのない後悔の念がとめどなく押し寄せてくるのでした。(どうして歩みを止めてしまったのだろう)波の音も、あの亀の悲鳴ももうどこからも聞こえてはきませんでした。横断歩道の陽気なミュージックが途絶えて太郎さんははっとして走り出しました。街の中心まで来た時もうすっかり人影も途絶えていました。微かな風を聴いて足を止めると太郎さんは傷ついた羽を震わせ苦しんでいる鶴を見つけました。
「どうした?」
 太郎さんは一瞬もためらわずに鶴の元へと駆け寄ると傷ついた鶴を抱え上げました。
「もう大丈夫だよ」
 
 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【コラム】(ポエム)「日常を生きる」

2019-08-26 19:40:18 | フェイク・コラム
 ここでは日常のことについて書いていこうと思います。日常を笑う者は日常に泣くと言った人がいます。僕はその人のことを知りません。けれども、日常の中では様々な名言が生まれ、人々の生きる支えとなったり、深く記憶の奥に眠っていたりします。
 
 日常、それはかけがえのない時間。日常、それはかけがえのない風景だ。
 
 ここでは日常のことについて書いていこうと改めて思います。改めて言うまでもないことですが、人は日常の中に生きています。
 
「人は日常の中に生きている」
 
 書くべきことは日常の中にある! 日常を否定しては何も始まりません。なぜなら、あらゆる偉業、お祭り、ファンタジーは、日常の向こう側にあるものだからです。
 もう一度言おう。
「僕らは日常の中に生きている!」
 とんでもないところへ行き着くために、ぽつりぽつりと日々を積み上げていく。どこまでも、どこまでも、果てしなく……。
 日常、それは旅の始まりだ。大それたナンセンスも、途方もないファンタジーも、日常の裏返しだと言うことができる。だからこそ、ささやかな日常の中での発見、気づき、想像といったものが大事になってくるのではないでしょうか。
 もう一度言おう。
 
「僕らは日常の中に生きている!」
 
 どこにでもあるような日常というものが、本当はそこにしかない奇跡の瞬間なのだということを知るのは、ほとんどの場合それを手放した後のことでしょう。それは半分仕方のないことだとしても、少し残念なことでもあります。
 僕らはもっと日常を意識することもできます。それを可能にしてくれるものの一つが、物語の力じゃないかな!
 僕はぼんやりとそんなことを考えながら、ここに生きています。
 ここでは一つ日常のことについて書いていこうと思います。
 
 
 
僕は情けないほど誘惑に弱かった
甘い匂いにホイホイと引き込まれて
小箱の中で死にかけた
 
「あー、ほんとにやばかったよ」
 
夜更けに少し歩いただけで
悲鳴にも似た声を出されて
「出たー!!」
って
僕はお化けじゃないっつうの
 
大女に「撃退」という名のついた
スプレーを向けられた時
恐怖のあまり動けなくなってしまった
(くそーっ。存在の否定かよ)
ピンポーン!
チャイムが鳴って
 
「はーい!」
 
女の関心が日常にかえった瞬間
僕はまた救われた
救世主は突然やってくるものだね
 
そうそう
 
夕べは猫に遭遇して
好戦的でしつこい猫だった
僕は不覚にもパンチをあびて
隅っこに追いやられて
一瞬覚悟までしたけど
 
どうにでもなれ!
 
やけくそみたいに羽を広げたら
 
ピューン!
 
僕って飛べたんだ!
 
あの猫ときたら驚いてたみたい
(ざまあみやがれ)
 
ああっ!
「生きてる!」
 
語気を強めて 僕は言いたかったの
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寿司だろう

2019-08-25 21:53:00 | 川柳または俳句のようなもの
とろとろと一貫はおいくらですか
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AIティー

2019-08-25 21:32:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
AIがおもてなす茶の間に浮いたイルカと波のアートフラワー
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

浮遊のルール

2019-08-25 21:29:00 | 夢追い
 夢の中での飛行は二つに分かれる。一つは鳥のように飛んでいるという場合。しかし、優雅に飛べるという形は案外少ない。多いのはもう一つの頼りない方。飛ぶというよりも「跳ぶ」と言う方が近いかもしれない。いずれにしても飛行にはだいたい何らの制限がかかる。
 例えば、一度に伸びる高さが180センチくらいだったりする。だから、前を行く人を飛び越えられるかといったら、越えられたり越えられなかったりする。その上、二度目の飛行(跳躍)になると少し力が落ちてしまうことが多い。だから、無敵じゃない。現実にない能力を場面場面で手にできていたとしても、夢の中では、やっぱり現実と同じように苦労は絶えない。最初の飛行(跳躍)で、大部分の力を使ってしまった時のもどかしさは、現実の風景に重ねてみることもできる。

「風船を一気に膨らませることはできない」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

数字を扱う偉い人たち

2019-08-25 05:21:00 | 【創作note】
時として
0は6に見える
3は8に見える
2は3に見える

ひっくり返すと9は6に見える

場合によっては
7は1にも見える
9は4にも見える

書き方次第では
5は6にも見える

まあよくもこんなに
「似たような形」を並べて
みんなちゃんとやってるねえ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パス&ゴール

2019-08-24 21:19:00 | 【創作note】
 どれだけの人が確信を持って書いているのだろう。
 確信を持って日々を生きられる人がいるのだろうか。



前方に開いたスペースに向けて
僕はドリブルでボールを運んでいく
マークにつかれているけれど
右にも左にも大きなスペースがあって
先にはフリーで待っている味方の姿が見える
その時の僕の前進はとても楽だ
「行けるところまで行こう」
ドリブルしながらゴールも味方も
どちらもはっきりと見えている
その気になればいつでもシュートを狙える
同様にいつでもパスを送ることもできる
目的までの道筋が明確に見えていて
いざという時にはボールを預ける先もあり
チャンスをつなげる選択も残っている
そういう時のドリブラーはとても強い
最良の攻撃を自分でコントロールできる

ドリブラーは作者で
ボールは言葉だ
だけど僕はそのような強さをあまり持てたことがない
スペースは塞がっていて味方の存在は確認できない
スペースが広がっている時にはゴールが見えない
だいたいの場合
僕はどちらに向かっていいかわからない
敵ともわからずパスをしてしまう
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏のフルーツポンチ

2019-08-23 08:51:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
八月のナインボールがミートしたスイカに触れる君の中七
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする