カチッとして先端に火をともし一口くわえるとすぐに指でつまんで離し互いにそれを交換してはくわえ合うというのが働く人々の流儀だった。私はまだ自分のそれを持っておらず、輪の中に加わることができなかった。漂ってくる黒い煙に包まれながら、私はただ指をくわえ未来を夢見ていた。#twnovel
彼女の隣には無の母が座っていた。「はじめまして」明るく挨拶され少し緊張がほぐれた。他愛のない話のあと「何をされている方なの?」と核心に踏み込まれて、再び胸が高鳴った。ぼ、ぼくは。いったい何をしてるんだっけ? 「ちゃんと無を見て話してあげてね」彼女の声で我に返る。#twnovel
「何不自由ない、まるで普段と変わらない生活だったよ」
地球を周り尽くした彼が宇宙へ飛び出していくのは必然だった。
「それで、青かったの?」
「見てないね」
やはり……。彼の旅行は環境に左右されない。
「猿の惑星を見ていたからね」
乗り物とお酒があれば、満足なのだ。#twnovel
地球を周り尽くした彼が宇宙へ飛び出していくのは必然だった。
「それで、青かったの?」
「見てないね」
やはり……。彼の旅行は環境に左右されない。
「猿の惑星を見ていたからね」
乗り物とお酒があれば、満足なのだ。#twnovel
「プロレタリア芸人って置いてますか」
プロレあたりで一度噛んでしまった。やはり、言い慣れない言葉は駄目だな。こちらになりますという反応もなきにしもあらずと思っていたが、店員の対応はこちらの方へどうぞと検索用のパソコンが置いてある角に導くものだった。
「もう一度お願いします」
「プロレタリア芸人、とかいう奴です」
「申し訳ございません。そちらの商品はただいま品切れになっております」
早くも売り切れとは、一足遅かったか。
「お取り寄せが確実かと……」
「ふらっと立ち寄って、並んでいる場合もあるんでしょう?」
僕は断固としてお取り寄せを拒んだ。
「運がよければ」
一冊の本をたずねて街を歩く。そうした楽しみを、手放すのは惜しかった。手に取る前に読書は既に始まっている。
「プロレタリア芸人か……」
駅前のイオンで、手にすることはまだできなかった。
プロレあたりで一度噛んでしまった。やはり、言い慣れない言葉は駄目だな。こちらになりますという反応もなきにしもあらずと思っていたが、店員の対応はこちらの方へどうぞと検索用のパソコンが置いてある角に導くものだった。
「もう一度お願いします」
「プロレタリア芸人、とかいう奴です」
「申し訳ございません。そちらの商品はただいま品切れになっております」
早くも売り切れとは、一足遅かったか。
「お取り寄せが確実かと……」
「ふらっと立ち寄って、並んでいる場合もあるんでしょう?」
僕は断固としてお取り寄せを拒んだ。
「運がよければ」
一冊の本をたずねて街を歩く。そうした楽しみを、手放すのは惜しかった。手に取る前に読書は既に始まっている。
「プロレタリア芸人か……」
駅前のイオンで、手にすることはまだできなかった。