きみがもし殺しの意思を秘めるなら撃たれる前にぼく撃たなくちゃ
仕事にうつつを抜かして3日間もログインしていない。見知らぬ人からのメールやリプライを放置したまま、先輩や上司への挨拶や気配りには余念がない。あなたは自覚がないようだが、ここまでくると完全な現実依存症ですね、と先生は深刻な顔をした。あなたにとって本当に大事なものを見極める時です。
151番らしい番号札を手にして待った。10分経っても130番から渋滞したままだった。「コピーでいいだろ!大きい字で書いておけ!」サングラスの女が切れている。5分して滑らかに流れた。140番を境にみんな行方をくらました。突然、290番が読み上げられる。私はもう一度、手の平を広げてみる。
自由の前に小さな不がついていた。だまされた! おかわりできないなんて。煮付けをまだ半分も残して、立ち上がったところで気づかされるなんて。それは僕だけではなかった。空っぽの腕を持って、途方に暮れる人たちが、僕を囲むようにして。みんな膝をついて頭を下げる。釜が開いて、猫が顔を出した。
8時間働いた上に4時間残業するってどうなってるんだ。こんな仕事は今日限りでやめてやるぞ。しかし、転職は禁じられていた。「おい! ぼーっとしている暇があったら手を動かせ!」何だと? ぼーっとしてると勝手に決めるなんて、もうやめてやる! しかし、転職は禁じられている。なんてこったい。
引き出しの中は空白の一日だった。しばらく眺めていたが気が滅入って閉じた。二番目の引き出しを開くと悪夢の一日が入っていた。恐ろしくてすぐに閉じたので指を詰めそうになった。三番目の引き出しには激動の一日が入っていた。密度に耐え切れず閉じた。私が忘れたのは、どんな一日だったろう。不確かなまま、最後の引き出しに手を伸ばした。
交番は自転車屋の中にあった。アクロバティックに積み上げられた車体の中に疲れ果てパンクした逃亡者がたどり着く。輝きの中で新しい旅立ちを夢見ながら奥へ奥へ。無数に見える車輪を潜り抜けて両手は錠の中に吸い込まれている。「こんなはずじゃなかった」素直な人はこんな捕まり方をしないものだ。