眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

【曖昧コラム】人から聞いた話

2020-06-30 14:08:00 | フェイク・コラム
 人から聞いた話では少しわるい話だった。しかし、実際その場で見ていたらと考えると疑わしい感じもした。誰から聞くかによって話の中身もだいぶ変わってしまう。その人の中に潜む悪意が色をつけることは容易い。通訳が下手くそなら、誤解なんて量産できてしまうのだ。
 ポータルサイト全体がまるでデタラメのように見えてくる。そんな瞬間にはっとする今日この頃である。


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面白折句、娯楽短歌

2020-06-30 11:25:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
釣り人の無念無想にじれながら
構えるオットセイのおかわり

(折句「つむじ風」短歌)


アブラムシ
シュッと霧噴く
旅の宿

(折句「あした」俳句)
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フェイク・トラップ

2020-06-30 07:33:00 | 夢追い
 コンビニから戻ると既に明かりが消えている。もう店が閉まっているではないか。
あれ? 何か様子が変だった。閉まっているどころか他の建物が建っているではないか。そんなはずはない……。
 まるでそこだけ絵を差し替えたというように1カ所だけが違うのだ。

 僕がコンビニに買い出しに行っている間に、誰かが3Dプリンターを使って勝手に建ててしまったというのか。だとしたら、元の店はどこに行ってしまったのだ。おかしい。すっかり取り乱しながら僕は見慣れぬ店の前を行ったり来たりしていた。

 何より気がかりなのは今月の給料のことだった。何度も電話してみるがまるでつながらない。吸い込まれるように僕は階段を上った。どうしても見つけなければならないものがあるような気がした。難解な迷路に苦しみながら使命感が足を前に前に進める。不毛な突き当たりにため息をつく内についに1つの宝箱を見つけた。

(どうせ空っぽだろう)

 だけど、僕は手を伸ばした。その瞬間トラップに落ちた。ああ、やっちまったか。
 着地したのは自分の体だった。
(つまりはどこにも行っていない)
 葛藤も冒険もほんの1センチの揺らぎにすぎない。しがらみから解かれ僕は再び布団に潜り込んだ。

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折句でいっぱい、和歌とほろよい

2020-06-29 08:04:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
ソーシャルな酷評勢に囲まれて
しょんぼりきみとコーラチューハイ

(折句「そこかしこ」短歌)




雨降りや
しあわせはまだ
尋ね人

(折句「あした」俳句)
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新しい孤独テーブル

2020-06-29 07:48:00 | ナノノベル
「ここは私たちの来る場所じゃなかったみたいね」
 昔、訪れた時はそうではなかったと彼女は思う。
 かつて使われていた椅子が壁の側に山積みになっている。

2人以上の食事を禁じる。
2人以上の集まりを禁じる。
2人以上のおしゃべりを禁じる。
(おひとり様のみ大歓迎)

「いいわ。散りましょう」
「えーっ、一緒がいいー」
「ここは駄目なの」
「ぶーぶーぶー」
「よっちゃんはそこ、まこちゃんはあっち、あきちゃんはあそこね。
いい? みんなしゃべっちゃ駄目よ」

 新しいフードコートでは、みんなひとりにされてしまった。
 老いも若きも男も女も、会社員もフリーランスも、ここではみんな黙って飯を食うだけだ。
 散り散りになった家族のすぐ後ろには、リュックを背負ったままコーヒーを飲むおじいさんの姿があった。



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7手詰めを3秒で解く方法

2020-06-29 07:34:00 | 将棋の時間
①第一感を磨く
 第一感が正しいかどうか。
 これは当然だが、一番大事。
 第一感を磨くことが大事なのは、指し将棋においても同じ。


②紛れ筋の方に流されないこと
 詰将棋を解く上で、これが一番大事。
「核心だけを突くこと」
 詰将棋を解くことは検討することではない。(変化を完全に解明する必要はない)詰めばいいのだ。不詰みの変化を確認することは解答にとっては無駄に等しい。紛れに入り込んでいては、詰将棋を瞬時に解くことはできない。
 実生活において、最悪の結果から考えるという人はいるかもしれない。危機管理の観点からみれば、悪いことではない。また、物事を広くとらえるということも、悪くないだろう。但し、詰将棋においては、玉を詰まない方に追いかけてはならない。横道に逸れたと思ったら即座に修正して、本筋にかえることが詰将棋を解く近道である。


③一瞬で複数の詰み形をみる(感じ取る)
 読むというよりも形で感じるようになること。
 実はこれが一番大事である。
 詰将棋を見慣れてくると怪しい配置を見つけられるようになる。その一つが行き止まりだ。「ここまで来れば詰みそうだ」という局面が広く閃くようになると解答のスピードが増す。正解ルートの中には複数の詰み筋が枝となって広がっている。
(③を磨くことによって②へと紛れる回数を少なくする)


④詰みの最終地点を予測する
 これこそが一番大事である。
 最後の詰み(正解の最終図)がみえれば、あとは辻褄合わせにすぎない。正解筋さえみれば、他の変化は些細なことだろう。


③+④局面を広く見る/局面の急所を見る
 これを同時に行うことが最も大事である。
 局面全体を広く見通すこと。これはどんな局面でも(指し将棋でも)重要。同時に「ここだ」というところを見抜くことも重要だ。そのどちらの力も合わせて高めることが詰将棋の上達には欠かせない。


⑤詰将棋を知る(配置は手がかりになる)
 詰将棋を解くには詰将棋を知ること。
 これが一番の近道である。

「詰将棋に無駄はない」(詰将棋世界の法則を利用する)
 これを知っておく(意識する)ことは、詰将棋を解く上では大変役に立つ。(実戦ではあまり関係ないようだが、詰将棋は駒の効率についても教えてくれる)
 詰将棋には無駄な攻めも受けもない。これは大きなヒントである。

「重い形は解消されるはず」
 やけにだぶっていると見えたら、そこは急所だ。
 焦点の捨て駒が決め手になるだろう。

「隅々にまで意味がある」
「必ず生きる」
 こんなところにこんな駒が……。
 指し将棋では戦場から離れたところにいて(遊び駒)として最後まで残ってしまうこともある。しかし、詰将棋に遊び駒なし。
(こんなところに)と思える駒が、玉の逃走ルートに関与するということ。どこかで必ず生きるということ。


⑥自分を疑う
「いくら考えても詰まない」
 そういう時は、だいたい詰まない筋を読んでいる。
 詰まない筋はいくら頑張っても詰まない。
 そういう時は、まず第一感が間違っている。「これしかない」と思うところから誤っているのだ。残念ながら、それが今現在の実力ということ。

 自分の実力を見極めること。
 それが何よりも一番大事である。
 冷静になって①からもう一度読み返していただきたい。

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折句短歌「宇宙母船」

2020-06-28 22:58:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
蜜蜂の列車を降りて逃げ出した朝にはなした無題のノート
「ミレニアム」


割るもよし躊躇うもよし逡巡の深まる夜は猫とドリブル
「渡し舟」


闇深き規約の中にとけ込んだ宇宙クラゲの風流なこと
「焼き豆腐」


やむなしと期待を捨ててとじこもる宇宙母船に普段着のきみ
「焼き豆腐」


かわかない感情だけをみつめずに行こう僕らは詩のロケットで
「鏡石」


ミーちゃんの創造的な囀りにサンキューここに居場所みつけた
「ミソサザイ」


案ずれば下書き保存不甲斐ない落書きに歌以前と泣いて
「アジフライ」


割り切れぬ魂が散る詩の淵にぶら下がるいいねの贈り物
「渡し舟」




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折句、和歌、短歌「キスと雨のレター」

2020-06-28 08:49:00 | 短歌/折句/あいうえお作文

ゆすいでも消えてくれない百年の

夜を壊した裏切りのキス


(折句「ユキヒョウ」短歌)


雨脚が詩になるラブレターの夜

(折句「明日」俳句)


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努力前夜

2020-06-27 20:26:00 | 忘れものがかり
旅先の宿でテレビをつけた
真っ暗な部屋の中に
もぐもぐとする鹿を見た
それからリスを小熊を
チーターを見た

食べるために
隠れるために
探すために
追うために
逃れるために
作るために
休むために

動物たちはみんな
生きるために
努力を積み重ねていた

努力って何だろう
先生が大切だって言ってたけど
まあよくわかんない

小学校に入ったら
僕も
たぶんやんなきゃね
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面白い折句、ユキヒョウ短歌

2020-06-27 11:14:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
癒着なき記憶をすべて控えても
よが暴き出すうぬの本心

(折句「ユキヒョウ」短歌)


跳躍や
靴を揃えて
渡るヘブン

(折句「竹輪」俳句)

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ゾンビ温泉

2020-06-26 10:32:00 | ナノノベル
「あー、生き返った」
 湯船の中からおじいさんの声がした。
「極楽ですか?」
「わしはうそは言わんよ。人はすぐに死ぬものじゃ」
 おじいさんの言葉が岩に響く。

「おにぎりの具が落ちたら人は死んでしまう。ドラマの最終回を見逃しても、人は死んでしまう。恋人が来ない。隣人がうるさい。上司が怖い。シュートが入らない。台詞が覚えられない。お化けが出た。それでも人は死んでしまう」
「そんなことで?」

「わしもさっきマスダさんに負けて死にたくなったばかりじゃ」
「いや将棋に負けたくらいで」
「将棋に負けるというのは死ぬほどくやしいんじゃ」
「次勝ったらいいじゃないですか」
「マスダさんに勝つにはまず自分に勝たねばならん」
「勝てますよ」

「何であれ人は弱いんじゃ。だからすぐに死ぬ。そのためにこういう場所が必要になる」
「お風呂がですか」
「人間を温め直す心の泉がな」
「はあ……」
「人は何度でも蘇ることができる。お前さんも入りなさい」
 岩を渡って僕も極楽に近づいた。煮え立つような湯船に足をつけた。
「あちっー!」
「お前さんは大丈夫。まだまだ生きられる」

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折句短歌、ニッポンの夏

2020-06-26 05:20:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
アラフォーのジョージが知恵を振り絞る
ランチはきっと揖保乃糸だね

(折句「アジフライ」短歌)





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雪だるま好き瞬間(motto)

2020-06-26 03:44:00 | 【創作note】
何もしたくない時は
何もしたくないのに

pomeraの上を走っていると
芝生の上も走りたくなる
海の上も雲の上も
もっともっと
走りたくなってしまう

絵をかいていると詩をかきたくなる
ドラマをみていると映画をみたくなる
もっともっと
ニュースをみながらテレビを消したい
もっともっと足を伸ばして欲に浮かれていたい
(何もないとこに戻るくらいなら、もっともっと)

鉛筆を削りながらボールペンをまわしたい
カレーを煮込みながらラーメンを食べたい
途方に暮れながらブラックホールを愛したい
走りながら歌いたい
踊りながらじっとしたい

何もない時は
何もないのに

道があるならつれ出したい
ダイヤがあるなら乗っていきたい

もっともっと
コロコロコロコロ
転がって雪だるまになりたい

もっともっと
あれやこれや取り違えて
混乱の中にいたい
無我夢中で もっと!

スパゲッティであいみょんを聴きながら
パーカーの紐をフォークに絡めて
イヤホンで猫を描いていたい

爆音の中に
消えて行く指先と
雪だるまになって

もっともっと もっと!

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B級折句、いろは短歌

2020-06-25 19:19:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
構想を一手に担う脳内で
打ち込んだ聡太の詰将棋

(折句「こいのうた」短歌)


散らかりに
靴をさがした
我が玄関

(折句「竹輪」俳句)

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スーパー特急ドクター(考えるよりも動いた方が早い)

2020-06-25 18:38:00 | 幻日記
 6時前に家を出て歩いて駅に向かった。電車に乗って1駅先で降りた。踏切を渡り陸橋を渡り少し歩いて階段を上がると内科の入り口は開いていた。診察券を出すとすぐに名前を呼ばれた。診察室に入ると電子カルテが映し出されているのが見えた。「今日はどうしました」と先生が訊いた。少し話をして、お腹を触り、来週の今日に検査日を決めた。初めて見る若い看護師が採血をして終わるとすぐに会計をした。
 時計を見るとまだ6時半にもなっていない。そんな……。

 歩く途中、私は1つも信号を待たなかった。1分も電車を待たなかった。私が帰る頃に、1人の患者が現れた。あまりにすんなり進みすぎたため、まるで夢のようにも思われた。そして、今までの躊躇いが馬鹿馬鹿しく思えてきた。(病院に行こうか行くまいかもたもたしていたのだ)迷ったら踏み出すことも必要かもしれない。
 帰りは歩いて帰った。買い物をして家に着いたのは7時を少しまわった頃だった。

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