お客様、ポテトをジャガビーに変更することはできません。「できるで!」と後ろから店長が飛んできて言うので僕はコンビニに出かけなければならなくなった。あの人コンシェルジュみたいな人やわ。ジャガビーを買うついでにサンデーを立読みし、今日でバイトをやめることに決めた。 #twnovel
「靴を履いたまま天国に行くことはできません」そんなこと私はまるで知らなかった。「言ったでしょう? あなたが生まれた時に言ったでしょ」天使は天国の扉の前で平然と言った。私は地獄? 「私だって鬼じゃありません。あなたは戻りなさい。この世に戻ってもう一度生きなさい」 #twnovel
人を引っ張っていくのは人でなければなりません。最終的には、人を動かすのも支えるのも救うのも人でしかあり得ないのです。その時、一連の風を引き連れて大勢の犬たちが駆け抜けて、それに引かれるようにして篭の中の人間たちが続いた。先生、あれは、何です? 「人の友達です」 #twnovel
日本に、まだ詩に飢えたハリネズミのようなボクサーがいるのですか? はい。一人だけいます。ほら、あそこに。今はまだ枯れ草の上のガキの使いだけれど、きっとあの子は成長する。ええ、きっと。「そこのアディダスのTシャツを着た子」僕は一歩進み出る。「あっ、その後ろの子」 #twnovel
「どうも」なにそれ? どうもって何が、ちゃんと言ってくれ。「いえ、別に深い意味なんて」深い意味がないのに言うな! 適当か? おまえのどうもは全部適当か? そうやって何でも通ると思ったか? どうもをなめるなよ!「すみませんでした。深い意味なくどうもと言いまして」 #twnovel
私もつれていってよと彼女は言ったけれど、深夜行きの切符は1枚しかなかった。「そこに行けば、誰でも面白くなれるんでしょう?」彼女の眼は本気だった。そこまで面白くなりたいと思っているとは……。僕は夕子を鶴のように折り畳むとポケットに詰め込んだ。さあ、一緒にいこう。 #twnovel
桁違いではと驚いた。数字帝国の使者が面会に来たという知らせを聞いて。一桁だって! そのような桁の者が来るなんて信じられないことだったし、信じたくないことだった。「数式の途中で抜け出してきました」汗を拭いながら使者は言った。終末のカウントダウンが、始まったのだ。 #twnovel
奴らは仲間を奪い、会話を奪い、体力を奪い、休み時間を奪った。スイッチをつけるが明かりはつかなかった。明かりさえも……。「もう無理だ。こんな暗いところで働くのは」バックヤードの壁(少し前まで時計がかかっていた場所)を見つめていると、明かりが灯る。決意が、揺らぐ。 #twnovel
人参を切るにはもう遅すぎるのかもしれないが。男はまずはそう言って切り出しました。とんとんとんとんとんとんとんとん。誰かが部屋をノックしました。ドアを開けるとそこには黒衣の男たちが立っていたのです。手を上げて「とんとん八拍子!」とんとんとんとんとんとんとんとん。 #twnovel
ゴエは獣を切ると刀を鞘に納めた。バッサバッサと悪党たちを切り倒し、刀を鞘に納めた。「抜いておけば?」どうせみんな切るんでしょう。だから抜いておけば? いちいち無駄でしょう。なんか馬鹿みたいに納めたり抜いたりして。「ええい、言わせておけば!」バッサー。うう……。 #twnovel
「マイクは入っていたのか?」蒼ざめた時にはもう手遅れだった。「世界中の人に災いを!」という声が瞬く間に世界中に伝わってしまった、私にはもう世界に一人の味方もいないのだ。君も敵だろう?秘書を見た。「私が言ったことにしましょう!」しかし、そういうわけにはいくまい。 #twnovel
樽の中に身を潜めている僕を隊長自ら捜しに来る。一つ一つ樽を開け確かめながら徐々に足音が近づいてくるのがわかる。もう間もなく見つかって終わってしまう。その時、急接近するもう一つの足音があった。「彼は体調を崩し途中で帰ったとのこと」「そうか」二つの足音は遠ざかる。 #twnovel