戦争から帰って来るとテーブルの上に皿うどんが山積みになっていて驚く。日曜の朝なのだから皿を用意すればいいのに。何ですかいったい。「そう思うなら手伝ってよ」と女が言うので手に取ってくるくると巻いていったが山は盛上がるばかりで次第にメデューサの髪に見え始めた。 #twnovel
とじられていたのは何だった?旨味とか。いつでも本を開けば岡本さんは現れる。食堂がなくなって、みんないなくなったとしても岡本さんは冷蔵庫を開けたり、レタスを丸めたり、居眠りをしたりしている。生き生きとして現れる。それが紙の本でも光の本でも、何だっていいでしょう。 #twnovel
猫の瞳で雨が踊る詩に一致するツイートは見つかりませんでしたと言って彼女は壁に同化して真っ白になってしまい、本当に消えてしまっと思い始めた時、胸いっぱいの花を抱えて現れ、あまりにいっぱいなので彼女は埋もれてしまう。花の向こうに何かが無数に光る、あれはきっと猫の瞳。 #twnovel
ある午後、孫はじいさんの顎にぶらさがっていたけれど、じいさんは少しも怒らずニコニコしていたものだ。それ以後、孫の濁ったエゴは日毎にエスカレートしていき、じいさんの顎は見事に伸びていき、名残を惜しむロゴのようにみえたものだ。孫はじいさんの死後、囲碁を覚え始めた。 #twnovel
玉子を食することは禁じられていたけれど、たんぱく質の摂取は義務化されていて、その間に挟まれて戸惑った。父と母の間に挟まれた並木道ふわふわと浮いて歩くのはしあわせだったけれど。玉子を投げてみることにする。もしも割れなかったら、その時は新しい答えが生まれるのだ。 #twnovel
石は幾つかの波紋を描いて跳ねて空中で静止し、絵の具の匂いと川の匂いは風の中で混じり合い、花の上の蝶を一瞬振り向かせてしまった。「適当なところで切り上げなさい」先生の声にも子供たちは筆を離さない。けれども、ジョンはおしっこをするのをやめて先生についてきた。 #twnovel
robomofu はツイッターを始めようと思った。まずはゼロからのスタートだと思った。フォローする人もされる人も0。タイムラインに誰のツイートもなし。自分がツイートしない限り真っ白なのでツイートした。そして順調にツイッター生活は始まった。なんだこれ? メモ帳? #twnovel
グラスを運んでテーブルに置く時左手も添えたので丁寧な接客のように見えたかもしれないが、僕の右腕が半分壊れていただけのことだった。少しずつ上がり始めたことがうれしい。「 」は失って初めて気づくものです。「 」に当てはまる言葉を入れよ。全員正解!何かを書けばね。 #twnovel
僕がカーディガンを着て遊びにいくとトモは半袖だったので自分が旧式で飛んでいるみたいで沈みそうだった。けれども、旧式には旧式機なりの伝統や美点があるのではないか。それに今、僕は外から飛んできたばかりなのだから、そしてやがて飛んでいくのだからこれは合っているのだ。 #twnovel
「サイゼ行こうぜ」と誰かが言って僕たちは西郷隆盛に似た人がいる税務署に行ったのだった。「税金を納めにきたよ」「キミたち税金はいいから学校へ行きなさい」と西郷さんがわがままを言うので僕たちは途方に暮れてしまう。いいことをしようとしても、うまくいかないことがある。 #twnovel
しばらくの間お許しください言うので、エビフライを食べながら動かない車の前でゴエモンは待っていたのだ。尾まで全部食べつくして、ハッシュタグを食べ始めた。なんだこれ全然旨くない、反映されないぞ。もう許せねえ、とゴエモンは刀を抜いた。動かない車を一刀両断にしてしまう。 #twnovel