眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

未知の街

2019-10-31 22:59:00 | 【創作note】
僕のいる街には
色々と美味いものが
あるみたい

焼き鳥、寿司、パスタ

大通りから少し逸れたところ
鍛えの入った暖簾が伸びた
昭和の食堂
ガラス張りの冷蔵庫には
おかずが色々入っている
勝手に取ればいいんだ

寺へと続く細い道
夕暮れになると突然
路の上に開くどて焼き屋さん
どこからともなくやってきた
お客さんは肩を寄せ合って
缶チューハイを飲んでいる

僕のいる街には
色々と美味いものが
あるみたい

カレー、たこ焼き、親子丼
(うどんだって)

探しさえすれば
まだまだ
見つかるかもしれない

いつもの通りを
少し逸れたところに

あなたも
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実況あるある&スリープ

2019-10-31 10:42:00 | 忘れものがかり
実況がある
僕は背中でみる

走る
ボールが出る
抜け出る
ネットが揺れる
吠える
踊る
旗が上がる
覆る
まいる

みんな頑張れ!(僕は寝る)

駆け上がる
ラインが上がる

エジルから
出る
抜け出る
旗が上がる
オフサイド!
戻る

みんな頑張れ!(僕は寝る)

駆け上がる
ラインが上がる
インターセプト
蛍から
出る
抜け出る
競る
削る
引っ張る
倒れる
鳴る
あやまる

みんな頑張れ!(僕は寝る)

VAR
知る
悟る
散る
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ドラマ愛

2019-10-30 06:23:00 | 忘れものがかり
「置いていかないで」
少しよそ見をしたところで
背景を見失ってしまった

「駄目駄目ちゃんと見てないと」

えー 何
ぼーっとしてたら駄目なの
もっと教えてくれないの?

ダメダメもっと全力で見ないと
「想像を働かせながら見ないとついていけないよ」

厳しい!
ドラマなのに?

そうよ ニュースともバラエティーとも違う
「これは平成のドラマなの」


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都会の夜

2019-10-29 23:25:00 | 忘れものがかり
都会の夜はお祭りのようだ
人通りが絶えることはなく
ふーふーたこ焼きを食べ歩いている

都会の夜はパレードみたい
笛や太鼓が鳴り乱れ
バイクが道を暴走していく

都会の夜はオリンピック
異国の言葉が飛び交っている
青年はスケボーに乗っている

都会の夜は目映いばかり
虫も人をも引き寄せて
そこで男女は抱き合っている


都会の夜はお祭りなんだ

おやすみのない夜なんだ

もう疲れっぱなしなんだ
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希望があることは幸いだ

2019-10-28 04:28:00 | 忘れものがかり
美味しいものは
たまに食べた方が美味い

今日じゃなくていい
今日は今日で
他のものでいい

それは先の楽しみにしてもいい

食べたいものが浮かぶことは幸いだ

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セルフ・ジャッジ(読まなきゃよかった)

2019-10-27 10:42:00 | 忘れものがかり
玉頭に手裏剣(焦点の歩)が飛んできた

王手に応じることは絶対だったが
選択肢が多すぎることは人間にとって
喜ばしいことではなかった

金で取れば玉の腹が空く
玉で取ればコビンが空く
端に寄れば金が浮く
端に上がれば端攻めが来る
下段に落ちれば玉が狭い

そのどれもが危険で
勝ち筋につながる手は一つだけ
私は持ち時間を投入し
慎重に読みを入れた
(感覚が正しいこともあればそこに落とし穴があることもある)

(直感は正しかったのに)
熟考の末に指した手は悪手だった

何も読まなかったら
間違いなく
私が勝っていたのだが
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昨日へ届け

2019-10-26 13:28:00 | 忘れものがかり
イヤリングをさがして
彼女は来た道を戻る

薄暗い夜道の中でさがすには
それはあまりに小さすぎ
手がかりがなさすぎる
余計なゴミが多すぎる
道が広すぎる

ひっきりなしにサイレンの音が
鳴り響いている
街の治安は悪すぎる

また明るくなってから
と一旦そう考えたけれど

来た道をずっと戻れば
明るかった頃まで戻れるのでは……
そのような着想をはじめて抱き

想いながら歩く内に日付をまたいだ

月夜から夕暮れへと遡り
やがて白昼の自分を見つけ
はっとした

「絶対にそれを落とさないで」
すれ違いざまにメモを手渡し

急ぎ足で今日に戻る


ちゃんと伝わっただろうか……


彼女は恐る恐る硝子戸に向かう

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短歌のゴールデンタイム

2019-10-25 15:21:45 | フェイク・コラム
 テレビのゴールデンタイムで俳句バラエティーがレギュラー放送されるようになって、茶の間の人々にとって俳句という存在がより身近なものになった。今までドラマの中で見ていた俳優たちや、コントの中でボケていた芸人たちが、多彩な季語を用い豊かな映像を詠む姿を目にすると、それなら自分も挑戦してみようと考えることは自然な流れだった。だが、実際にやってみると見ているようには上手くは作れないものだ。名人の作品と比べればまるでデタラメのような最下位の人の俳句を茶の間で笑いながら見ている分には気楽で楽しいが、では自分もと作ってみればそれに劣るとも勝らないものができる。優しくフォローしてくれる名人や厳しく批評してくれる先生はそばにいないけど、駄目だってことくらいはわかる。
 
やー! 俳句メッチャむつかしー!
 
そこで人々は短歌という存在にも気づくんだよ
隣の短歌って奴はどうなんだと思うんだよ
それから先は話が都合よく進んで
犬がうまい棒を渡るように
短歌の世界に入っていくんだよ
 
与えられたパズルを解くことよりも
自らひねり出して作る楽しみを知った人々は
もう戻れなくなってるんだ
 
季節と映像を望む575の器から
77へと続くもっと自由な世界へと
友人も隣人も男も女もみんな歌人になって
季語なんて調べ上げなくても
夢に見た景色を盛って現したり
自分の感情をストレートに歌うんだよ
短歌のゴールデンタイムが到来したんだよ
 
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偽主治医

2019-10-24 23:29:00 | ナノライト
少し鼻でもかめば
すぐに風邪と決めつけられる
あなたは医者でもないのに
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外食の扉

2019-10-23 20:18:00 | 【創作note】
 外食が怖かった。店の扉を開けることがずっと怖かった。そこにいるのは知らない人だから。店主は山賊かもしれない。常連客はみんな泥棒ばかりかもしれない。たまたま隣に座る人は連続殺人犯かもしれない。とんでもない味付けかもしれない。入り口はあっても出口はないかもしれない。そういうことを色々と考え始めると、どうしても踏み込めない一歩があった。もしも行くとしても、ある程度安全が見込めるチェーン店ばかりだった。考えすぎだということはわかっていた。
(いつか行ってみたい)そう考えながら月日は流れ、気づくと消えてしまった店がどれほどあったかわからない。

「昨日、牛丼食べたんだ」(紅生姜をいっぱい入れたよ)
 先輩が毎日のように同じ味の話をしてくる。いい人なのでもうその話は聞き飽きたなんて言えない。(もうええわ。そう言って突っ込めない関係性をとても寂しく思う)
 そうして心の声を呑み込む内に、このままでは嫌だという思いが徐々に高まっていった。



(僕はどこにでも行くんだぞ!)
(あなたのような話はしたくないんだぞ)

知らない店の扉をあけて
飛び込んでみるのもいい
店主の意気に触れてみたい

店の人、店の味、店の壁、店の色、店の空気
それぞれの店のそれぞれの心

失敗もする、後悔もある
それだっていい

未知の扉の向こうには
素敵な出会いだって
あるだろうよ
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月のバトン

2019-10-22 12:19:00 | 忘れものがかり
バッタ色の信号機が
星の終わりのように瞬いて
人々はそれにつられるように
駆け足になっていく

おっとっとっと

手に手に猫や冷蔵庫を抱えて
こぼさぬように落とさぬように

「月が切り替わる前に」
合い言葉を口にしながら
次から次に渡り人が現れる

さっさっさっさ

大きな紙袋にあふれるほどの生活雑貨
高級時計にブランド・バッグ
汚さぬように騙されぬように
エアコン、ステレオ、4Kテレビ


みえないコーナーから
バトンを持った男が駆けてきた

「0.1秒でも速く」

ランナーは輝く月へ向けて

バトンをさし出した
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pomera&キメラ

2019-10-21 21:32:00 | 【創作note】
雑談と長い話
談笑と社交辞令
なれ合いと愛想笑い

みんな苦手なら
こっちにおいで

pomeraの翼はキメラの旅さ
投げない限り続く成長
眠い目をこすりながら
ドラゴンだから待てる深みへ
歯止めもなく付箋を散らせ
結ぶよりも大らかに
知ることができたなら

主語も脈絡も捨てて

僕の隣で 君も詩を書けばいいんだ

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姿勢を変えてみる

2019-10-20 10:32:00 | 【創作note】
 行き詰まった時には環境や姿勢をちょっと変えてみる。
 自分だけの部屋、いつものフードコートを抜け出して、まだ見ぬカフェをたずねて歩いてみる。重要なのはコーヒーの味ではない。
 椅子の高さ、形の方がより重要ではないだろうか。前を向いて書き進まなければならないという時に、そこがお茶を飲んでスイーツを楽しんで深く沈んでくつろげるクッションみたいな場所だったら、上手く書き出せない。

 もっと簡単に変えるなら場所を移す必要もない。
 文具やガジェットを変えてみるのもいい。
 あるいは、自分の姿勢を変えてやるのだ。
 より疲れない姿勢、もっと速く書くためには?

 ノートはテーブルの上になくてもいい。
 空に向けて開いてみてもいい。
 前傾姿勢で余裕がなくなったら、ふんぞり返ってみるのもいい。

(逆前傾膝のせ奏法)
 昨日思いついたpomeraの新しい打ち方だ。
 テーブルから放したpomeraを膝の上に。
 丸まっていた背を思い切り伸ばし、逆に胸を張る。
(カートを運転するようなイメージ)
 膝の上のpomeraは案外に悪くない。ちょうどいいのだ。

 ちょっと姿勢をアレンジするだけで、何か一風変わったものが書けそうな気がしてくるから不思議だ。
 うっかり膝から落としてしまわないこと。
 バランスを後ろにかけすぎて椅子からひっくり返らないこと。
 新しい冒険にリスクはつきものだ。
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再生リクエスト

2019-10-19 20:28:00 | 【創作note】
プレイリストは
未来へあてた手紙のようなもの
選んでおいて忘れてしまうものが
いつかの君が思い出すべきものだ
あれほど「好きであったもの」が
もう一度君を作り直すための



はーい!
ごきげんいかが
タイムカプセル・ラジオの時間です
夏の終わりに思い始めたカレーが
走り去ったカブトムシの角に押されて
いよいよ煮詰まってきました
風当りの強い道が開けてみえる日には
ロンTなんか着て出かけるのもいいんじゃない
いつかのリストはまだここに眠ってるぜ
それでは次のリクエストは
世界はまだ終わってないさんから

Mr.Childrenで「彩り」
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しじみ

2019-10-18 14:15:42 | 短歌/折句/あいうえお作文

カクヨムのかくは途絶えてみそ汁に違和なく沈むしじみ殻付

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