1月23日(土)
今日は「ヨコハマ洋館探偵団」第28回シリーズ講座の5回目、最終回です。
今回の会場は横浜情報文化センター の6F 情文ホールです。
旧横浜商工奨励館 市歴史的建造物 1929(S4)年築
神奈川県庁の目の前です。
「ヨコハマ洋館探偵団」とは1982(S57)年横浜根岸のフレーザー邸の取り壊しをきっかけに「横浜の洋館を愛する 会」が設立され、その後1988(S63)年横浜市中区役所の生涯学習の一環の市民団体の学習ボランティアとして「ヨコハマ洋館探偵団」と改称、開港以来の歴史の証人である洋館の保存を目的としその存在を広く市民の方々に知ってもらう事を目的とし、現在も講座やウォッチングを企画し活動している団体だそうで、代表は横浜シティガイド協会副会長や横浜ボランティアガイド協議会会長も務める嶋田昌子氏です。
今回のテーマは「ヴォーリズの建 築」
講師は関東学院大学 水沼淑子氏
アメリカ人建築家ウイリアム・メレル・ヴォーリズは英語教師として来日し、建築家・事業家としても多大な足跡を残しました。ミッション関係の学校建築、教会また邸宅など数多くの建物が残されています。今秋から始まるNHKのドラマにもヴォーリズ夫妻が登場します。
今回はそのヴォーリズの建物について関東学院大学人間環境学部人間環境デザイン学科の教授でいらっしゃる水沼淑子先生にお話し頂きます。水沼先生は日本女子大学大学院家政学研究科を修了され、住居学をご専門とし、現在は居住環境の歴史、日本住宅近代史をご担当なさっていらっしゃいます。明快にお話し下さる水沼先生の講座が楽しみです。
資料をもらい着席、
受講者は前回と同じく150名程。
まずはウイリアム・メレル・ヴォーリスの経歴から
1905年(M38)年英語教師として来日したが学校の都合で僅か2年で教師の職を失った後、
近江ミッション(後の近江兄弟社)を設立しキリスト外国伝道・YMCA活動のほかに建築設計・輸入・
メンソレータム販売・医療・教育・出版など多岐に渡る事業に携わったそうです。
子供の頃から傷薬として使っていたメンタムことメンソレータムは創業者から伝道の援助として日本での
販売権を得ていたのですが物経営不振のためライセンス(商標・製造・販売権)を手放しその後ロート製薬が
取得、現在は製法を少し変えメンタームの名前で近江兄弟社からも販売されています。
因みに私は今でも近江兄弟社のメンターム(メンソレータムより少し安い)を愛用しています。
またNHK連続TV小説「あさが来た」のヒロイン白岡あさのモデルの実業家で大同生命を興した
広岡浅子とも縁があり、浅子の一人娘(亀子)の女婿の広岡恵三実妹の一柳満喜子がヴォーリス
(後に帰化し一柳米来留(ひとつやなぎめれる))の奥さんで「あさが来た」にも登場するそうですし、
設計は株式会社一粒社ヴォリズ建築事務所として現在も活動しています。
設計した主な建物(詳しくは上記ヴォリズ建築事務所のHPをご覧下さい)
西学院大学西宮上ヶ原キャンハパス 兵庫県西宮市上ケ原一番町
大丸心斎橋店 大阪市中央区心斎橋筋
大同生命肥後橋ビル 大阪市西区江戸堀
旧・主婦の友社ビル(現・日大キャンバス・日大カザルスホール) 東京都千代田区神田駿河台
佐藤新興生活館(現・山の上ホテル) 東京都千代田区神田駿河台
明治学院チャペル 東京都港区白金台
横浜共立学園の本校舎 横浜市中区山手町
慶應義塾大学YMCAチャペル 横浜市港北区日吉
その他大同生命やYMCAのビルは多数
講演終了後建物を一周したら見つけました
消防救急発祥の地 市歴史的建造物
明治初年 旧外国人居留地の消防隊が置かれ、旧居留地消防隊地下貯水槽が建造されたものが ほぼそのまま遺構として残されており、1933(S8)年)にはこの地(当時の山下町消防署)に日本で初めて 救急車が配置運用開始されました。
今年になって2ツ目の'初めて・発祥'の地です。