![]() | 「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ |
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ダイヤモンド社 |
ヨドバシカメラの売れてる書籍コーナーで見つけた本である。1980年代に「失敗の本質」という本が出版された。この本は大東亜戦争の日本軍の失敗について「6つの作戦」(ノモンハン事件、ミッドウエー海戦、ガダルカナル作成、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦)を分析して組織の敗因と失敗の原因について精緻に解説した名著である。
本書は、現代の日本企業の失敗と当時の失敗を比較して、実に当時と変わっていない点を7つの観点から書いている。戦略性、思考法、イノベーション、型の伝承、組織運営、リーダーシップ、メンタリティの7つだ。思考法では、シングルループ思考の日本軍、ダブルループ思考の米軍、レーダーを同時に開発しながら、活用した米軍、活用しなかった日本軍など興味深い対比もあるがここでは、メンタリティについて書こう。
メンタリティ、空気、KYである。空気は、「一点の正論のみで、問題全体に疑問を持たせず染め抜いてしまう」インパール作戦の牟田口中将も小さな正論はあっただろう。しかし、議論における影響比率は小さく、合理的な判断には本来影響をないはずが、それが決定的になってしまった。作者は「意図的な空気の醸成が導く誤認を打ち破る知恵を身につけるべき」と言っている。
現代の日本企業も時々これをやってしまう。小さな正論で企業不祥事を隠し、結局それがバレて大事件になる。自分から発表すれば大したことはないのに・・ もっとある。TPPや消費増税はよく考えれば、やってはいけないはずなのだ。
米国の大統領は、先日の日米会談でTPPで日本への輸出を2倍にすると言った。それは日本人の失業を一気に拡大することなのに、誰も言わない。TPPは例外なき自由化で、日本のいくつかの産業がつぶれてしまう。世界中不作で、食料がなくなった時に、外国が必ず助けてくれるとでもいうのだろうか。
デフレ時に消費増税、消費税では日本の財政は立ち直れない。所得税・法人税、すなわち、経済成長して、税金を増やす以外に方法はないのに、その声はほとんど聞こえない。消費増税すれば、政府は結局減収になり、日本は不況にまっさかさま、恐慌に突っ込んで行く。亡くなった橋本総理は死ぬ間際まで、97年の消費増税を悔やんでいた、財務省に騙されたと。日本はあれ以来、デフレが続いている。
日本のマスコミは先頭を切って、空気を作り出しているのだ。空気に飲み込まれないようにしないと・・