私は毎年、中小企業診断士として、ある企業グループの新人研修の一部を支援している。この企業グループの新人研修は3か月間だ。そして、この研修が今年も6月末で無事終了した。
例年は、4月に社会人一般、業界や主要取引先の知識、コミュニケーション研修をやり、その後は現場実習、そして、最後に経営陣の前で、研修のまとめの発表で締めている。
ところが、今年は最後の発表を変えた。新入社員の目から見た「就活生が入社したくなる会社案内」を作る。この内容はそれほど奇をてらっているものでもない、どこかの会社で同じようなことをやっていると聞いている。新人が自社を知るための効果的な方法、それにリフレッシュな目を利用した企画だ。
会社の企業理念や、業績、福利厚生など会社の良い所を見つけてわかりやすく図化する。また実習中、アンケート調査を行って、自社の社員が何を考えているかをまとめる。新人は半分、まだ外部からの目で見る、これが社内でも斬新に見える。
一昨日は、2か月ぶりに新人たちと会って、最後のリハーサルを行った。そして、気づきがあった。この2か月で「成長している」のである。多くの情報の中からギュッ、とまとめた内容にするには、相当考えないとパワポには落とし込めない、これをやっているのである。
私は外部のコンサルだから、発表会当日は、出席は遠慮した。発表後は、配属先の上司と配属先に行ってしまい、当然のことだが、私のところには残らない。実はこれが寂しい時だ。幸いのことに、その後、私の受講生はほとんど退職していないそうだ。そして、これからが社会人生活のスタート、これから40年も働く。頑張れよ、新入社員たち。