碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

67年目の12月8日に

2008年12月08日 | 本・新聞・雑誌・活字
文芸評論家・斉藤美奈子さんの新刊は、文芸時評ならぬ『文芸誤報』(朝日新聞出版)。

確か「週刊朝日」での連載タイトルは「文芸予報」だったはずだ。

2005年から今年にかけて出版された文芸書、約200冊が俎上に乗っていて、すごい迫力となっている。

“本編”が面白いのはもちろんだが、巻頭に置かれた「文学作品を10倍楽しく読む法」がまた面白い。そして傑作だ。

1、 小説に教訓を求めるな。
2、 小説のテーマを考えるな。
3、 登場人物に共感を求めるな。
4、 小説に感動を求めるな。
5、 純文学と娯楽小説では読むモードを変えよ。
6、 お話だけがすべてと思うな。
7、 WHATよりHOWに注目せよ。
8、 美は「ゆがみ」にこそありと思え。
9、 物差しはたくさん持て。
10、 困ったときは遠くを見よ。

本書の最後で取り上げている一冊は、何とこの『文芸誤報』そのもの。「個々の作品評価はあまり信用せぬが花だろう」の結びが笑える。

文芸誤報
斎藤 美奈子
朝日新聞出版

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今日は12月8日だが、真珠湾攻撃、パールハーバー・アタックの日、などと言う人も、メディアも少なくなった。でも、やはり書いておこう。1941(昭和16)年12月8日、67年前のこの日、太平洋戦争が始まったのだ。

“真珠湾”の日 (文春文庫)
半藤 一利
文藝春秋

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