搭乗前、空港内の書店で、吉行淳之介さんのエッセイを集めた新しい文庫を見つけ、購入。
亡くなって14年が過ぎても、こうして本が出て、買う人、読む人がいる。
私にとっての吉行さんは、どこかで「達人」という言葉と重なっていて、吉行さんを読むのは、少しでも学びたい、たぶん「人間」や「人生」について達人の指南を仰ぎたいという気持ちが強い。
この本の中に「達人について」と題する一編がある。
書かれたのは昭和39年。文中での達人は終始「佐藤先生」と記されているが、これはもちろん佐藤春夫のことだ。
吉行さんが、自身の女性関係のことで、佐藤春夫夫人に叱られているのを、黙って見ている先生。「ズルイや」と抗議すると、先生曰く「達人はずるいものじゃ」。
やがて、吉行さんが帰ろうとすると、先生、今度は「半達人のまま、帰るのか」。
それだけの話なのだが、吉行さんが語ってくれると、読み手のほうがあれこれ考えてしまう。やはり達人の文章なのだ。
文庫本を手に降り立った北の大地は、すでにマイナスの温度。札幌の街は、道路の雪が凍結していて、アイスバーン状態だ。それでも運転の達人ばかりなのか、どのクルマも結構なスピードで走っている。
さて、もうしばらくすると、井筒監督たちとご対面だ。「トークDE北海道」の生放送が始まる。
亡くなって14年が過ぎても、こうして本が出て、買う人、読む人がいる。
私にとっての吉行さんは、どこかで「達人」という言葉と重なっていて、吉行さんを読むのは、少しでも学びたい、たぶん「人間」や「人生」について達人の指南を仰ぎたいという気持ちが強い。
この本の中に「達人について」と題する一編がある。
書かれたのは昭和39年。文中での達人は終始「佐藤先生」と記されているが、これはもちろん佐藤春夫のことだ。
吉行さんが、自身の女性関係のことで、佐藤春夫夫人に叱られているのを、黙って見ている先生。「ズルイや」と抗議すると、先生曰く「達人はずるいものじゃ」。
やがて、吉行さんが帰ろうとすると、先生、今度は「半達人のまま、帰るのか」。
それだけの話なのだが、吉行さんが語ってくれると、読み手のほうがあれこれ考えてしまう。やはり達人の文章なのだ。
文庫本を手に降り立った北の大地は、すでにマイナスの温度。札幌の街は、道路の雪が凍結していて、アイスバーン状態だ。それでも運転の達人ばかりなのか、どのクルマも結構なスピードで走っている。
さて、もうしばらくすると、井筒監督たちとご対面だ。「トークDE北海道」の生放送が始まる。
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