碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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嘘ひとつが命を救い、嘘ひとつで命を失う世界

2008年12月28日 | 映画・ビデオ・映像
映画『ワールド・オブ・ライズ』を観てきた。

リドリー・スコット監督で、レオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウの競演とくれば、観るしかない。

結論。かなりいいです。

特に、ディカプリオのCIAエージェントが完全にハマっていた。最近のディカプリオ君、いいねえ。いわゆる「あぶらがのって」というやつ。

くえない上司のラッセル・クロウも、相変わらず上手い。役柄に合わせて体重を増やし、姿形も変えている。ほんと、何にでもなれちゃう役者さんだ。

「子煩悩なマイホームパパ」をしながら、リビングルームで厳しい指令を平然と送る様子は圧巻。

それに、舞台となっている中東のリアルな描写はどうだろう。

映画の中で展開されるのは、アルカイダのカリスマ的リーダーとその組織をぶっ潰すミッションだ。

ディカプリオが遂行するスパイ活動は緊張の連続で、その緊張感をまったくダレることなく見せてくれる。確かに、嘘ひとつが命を救い、嘘ひとつで命を失う世界だ。

結構長尺なのに、リドリー・スコット監督の“牽引力”がすさまじい。

いやあ、映画ならではの満足感でありました。

実在するジャーナリスト、デイヴィッド・イグネイシアスが書いた原作も読んでみたい。

ワールド・オブ・ライズ (小学館文庫)
デイヴィッド イグネイシアス
小学館

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