碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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”困り者”の人類が住む地球を救うには?

2008年12月20日 | 映画・ビデオ・映像
キアヌ・リーブス主演の映画『地球が静止する日』を観た。

で、どうよ? どうだった? 

うーん、困ったなあ(笑)。

正直言えば、「まあまあ」もしくは「悪くない」ってところでした。

予告を見て、勝手にちょっと期待し過ぎたかもしれない。SFXも確認したかった。

以前、環境問題をテーマに特番を制作したことがある。

当時のビートたけしさんに、メインキャスターをお願いした。タイトルは『環境スペシャル 地球ダイジョーブ!? たけしの俺にいわせろ』。

アフリカでの砂漠化、アマゾンでの乱開発、先進国での酸性雨被害などを、VTR取材やスタジオトークで探った。89年12月の放送だった。

翌90年に大阪で開かれる“花の万博”を前に、「人間と環境のかかわりを見つめ直す」という、いたってマジメな内容だったので、たけしさんのカウンターパンチでバランスを取りたかったのだ。

この番組の中で、たけしさんがポーンと言った。

「こうやって見てくると、環境問題の原因はぜーんぶ人間にあるんでさ、本気で地球を救いたいなら、地上から人間がいなくなっちまうのが一番なんだよな」

この映画のキモはこれ。

たけしさんの「ひと言」を、ハリウッドがキアヌ・リーブス主演の大作映画にするとこうなる、という1本でした。

「反省せよ、人類」「はい!」ってなことだ。

それにしても、このリメイク作品が、今、このタイミングで作られ、公開されたのは面白い。

何しろ、アメリカが誇る巨大自動車会社が、その工場をまとめて閉鎖するのだ。

世界的規模の経済恐慌という嵐が地球を襲っているわけで、ある意味では<地球が止まる>方向へ来ているとも言えるのだ。

映画自体、いや、不満はないです。あの巨大ロボットのデザインというか造形は、どうかと思うが、久しぶりで、元美少女のジェニファー・コネリーも見られたし、ね。

地球が静止する日
デヴィッド・スカルパ
メディアファクトリー

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