碓井広義ブログ

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『読売新聞』で、「BSデジタル放送」に関してコメント

2009年07月08日 | メディアでのコメント・論評

今日(8日)の『読売新聞』朝刊に、コメントが掲載されている。

BSデジタル放送に関する話だ。

記事のタイトル:BSデジタル「視聴率」上昇

取材・執筆は小林佑基記者だ。



BSデジタル放送の視聴率にあたる接触率が、ゴールデンタイム(G帯、午後7~10時)で急上昇している。

BSデジタル民放5局が先ごろ発表した今年4月の接触率は、2005年の調査開始以来、過去最高を記録した。

発表によると、5局のG帯週平均接触率の合計は14・5%。前回調査(2月)から5・2ポイントも増え、これまでの最高だった06年11~12月の11・0%を3・5ポイント上回った。全日(午前6時~深夜0時)でも1・2ポイント上昇した。

接触率を押し上げた最大要因はプロ野球中継。4月25日にBS日テレで放送された巨人―中日戦は、BS全番組で史上最高の13・5%を記録。調査期間中にBS日テレで放送された巨人戦5試合は、すべて10%を超えた。

BS各局はプロ野球中継に力を入れており、特にBS日テレは今年、昨年の2倍以上となる52試合の巨人戦を延長対応で中継する予定。地上波の日本テレビは42試合から26試合に激減しており、プロ野球中継が地上波からBSに移行している様子がうかがえる。

また、BSがこだわってきた、画質や音質の良さを生かした紀行番組が好調なのも、接触率上昇の原因の一つ。BS日テレの「トラベリックス3」やBS―TBSの「世界・夢列車に乗って」などが今回、過去最高の接触率を記録した。

BSの普及率が46・7%に達し、一部新聞でBSの番組表が地上波と同じ最終面に掲載されるようになったため、「見てみようという人が増えている」(BS朝日)ことも背景にある。

東京工科大の碓井広義教授(メディア論)は「地上波のテレビ局は近年、購買意欲の旺盛な若い世代を意識し、中高年層が排除されつつある。BSに知的満足度の高い番組の多いことがようやく気づかれ始めた」と指摘する。

再来年以降、BSのチャンネル枠が拡大されることをうけ、総務省は6月、WOWOWなど8社・団体に電波割り当てを認定しており、ますますBSの接触率は伸びていきそうだ。

          ◇

接触率…BSの場合、受信機を持つ全国の約850世帯を対象に、日記式で15分ごとの視聴行動を調べて算出される。調査は通算18回目。今回の調査期間は4月20~26日。機械式で毎日測定されている地上波の視聴率とは測定方法や母数が違うため、単純比較はできない。

(2009年7月8日 読売新聞)