碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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映画『ノウイング』は“見たもん勝ち”の1本

2009年07月13日 | 映画・ビデオ・映像

ニコラス・ケイジ主演ということで、映画『ノウイング』を観る。

「シングル・ファーザー(ニコラス・ケイジ)が、息子を守るために、50年前に少女が書いたメッセージを解読する。息子を脅かす危機と、刻々と迫る地球の破滅を防ぐために」

そう聞いても、「ふーん」てなもんかもしれない。

しかし、緻密な構造の脚本と、『アイ,ロボット』のアレックス・プロヤス監督の演出と、高度な特殊効果と、ニコラス・ケイジや子役たちの演技などが合体することで、上質なエンターテインメントになっている。

ビジュアルとしては、予告にも出ていた「旅客機の墜落」シーンがすさまじい。これが実にリアルで、観客席にいながら思わず身体が後ろに“逃げる”ほどなのだ。

シリアスなのにファンタジー。サスペンス映画であり、空想科学映画であり、また家族映画でもある。

それに、観終わってから、結構あれこれ考えさせてくれる“余地”も“余韻”もたっぷりある。

『ノウイング』は、たぶん大ヒットとはならないだろうが(笑)、一種“見たもん勝ち”の1本であることは確かだ。


そうそう、余談ですが・・・

この映画の中のクルマ。

街の風景としてはプリウスが目についたけど、“出演カー”としては、マツダのアクセラスポーツが、いい感じで走り回っておりました。