今日の『産経新聞』(27日付け)に、総務省がTBSに行った“行政指導”をめぐる記事が出た。
問題となったのは、“二重行政”を扱った「情報7days ニュースキャスター」。
大阪府の清掃車が「国道では、わざわざブラシを上げて、清掃をせずに通過する」という“光景”を流したのだ。
ただし、この映像が事実とは異なっていたということで、先日、TBSが“厳重注意”を受けた。
そんな総務省の対応を、BPO(放送倫理・番組向上機構)が問題視したのだ。
この記事のタイトルは「BPOが反発~国がTBSに“頭越し”行政指導」。
その中に、私のコメントも掲載されている。
以下は「産経新聞」の記事だ。
見出し:
BPOが反発~国がTBSに“頭越し”行政指導
本文:
テレビ番組などの放送内容に関する不祥事やトラブルの再発防止を図るための第三者機関、放送倫理・番組向上機構(BPO)が国に対して反発している。
TBSの番組をめぐり、先月、国がBPOの対応を待たずにテレビ局に行政指導を行ったためだ。平成15年にBPOが発足してから初のケースに、波紋が広がっている。
NHKと日本民間放送連盟などで組織されているBPOは、番組内容で問題が起きると放送倫理検証委員会などで協議を重ね、当該放送局に「勧告」や「見解」などを出す。BPOの委員には大学教授や弁護士など民間人が務めている。
問題になっているのは、TBSが「情報7days ニュースキャスター」内で、二重行政の無駄を紹介する事例として通常は行わない清掃業務を業者に依頼し、4月に報道したこと。
この件で総務省は6月、「事実を正確に報道しなかった」との理由でTBSに厳重注意を行った。
国は、放送法で「事実を曲げた報道をしない」といった原則を定めているほかは、番組作りに個別には立ち入らない。
虚偽報道など不祥事が繰り返されると、「厳重注意」や「警告」といった法的拘束力のない行政指導を行ってきたが、それらは決まってBPOが不祥事への対応策を出した後だった。
だが今回は、TBSの問題を委員会で審理するかどうか結論を出す前の行政指導だった。
これにBPOは反発。今月17日には「行政の指導は表現の自由を萎(い)縮(しゆく)しかねない。放送界の自主的機能が発揮できる限り、総務省はその結果を基本的に尊重すべきだ」との川端和治委員長の談話を発表した。
これに対し、総務省地上放送課では「これまでと同じく、新聞や週刊誌で報道された問題だったため行政としても問題化し、テレビ局側から任意で事情を聴いた。
その結果、スムーズに回答があり迅速に判断を下しただけ。BPOの対応は考慮しなかった」と話す。
総務省のこうした対応について、東京工科大学の碓井広義教授(メディア論)は「BPOの対応の遅さや放送界でのやらせ問題に歯止めがかからない実情に対し、国がBPOは放送界寄りで、任せられないと考えたのでは」と推測する。
一方、立教大の砂川浩慶准教授(同)は「メディアは誤りがあれば自ら正し、信頼を図るべきだ。そもそも国につけ込まれぬよう品質の良い番組を作っていれば、両者が対立することもない」と指摘している。
(産経新聞 2009.07.27)
国による、”指導”という名の”介入”を受けないためにも、スキのない番組作りを行う必要があるのです。