「日食」の生中継を見ていたら、札幌の古書店「石川書店」から荷物が届いた。
先週末にお店で購入した本が入っている。便利だねえ。
今回は、ポケミス(ハヤカワポケットミステリ)12冊の他に、何冊かの“お宝”を発見。入手したのだ。
・山口瞳『江分利満氏の優雅な生活』文藝春秋
昭和38年2月15日発行 初版 当時の定価320円
この直木賞受賞作は長年の愛読書だ。目につくと、つい買ってしまう文庫本は何冊もあるが、当時の単行本(しかも初版)は嬉しい。
巻頭に写真があり、そこには当時38歳の山口瞳さんと息子の正介さん(当時小学生、現在文筆家)が写っている。
住んでいらしたサントリー社宅(川崎市木月)の近所の原っぱだろうか。二人ともセーターを着ていて、山口さんは左手にトリスの小瓶を持ち(宣伝部員だったからね)、右腕で玩具のライフル銃を持った正介さんの肩を抱いている。いい写真だ。
あとは・・・
・野坂昭如『受胎旅行』新潮社
昭和42年10月25日発行 初版 定価360円
表題作の他にも「マッチ売りの少女」や「現代好色かたぎ」など一気読みの作品が並ぶ。
・野坂昭如『とむらい師たち』講談社
昭和42年8月12日発行 初版 定価340円
収録の短編「ベトナム姐ちゃん」というタイトルもこの時代ならではだ。
・サルトル(白井浩司:訳)『嘔吐』人文書院
昭和26年2月15日 初版 定価250円
自分が生まれる以前の本の“現物”を、こうして手にとれるのも古書の楽しさだ。
奥付を見ると、「定価250円」の表示と共に「地方260円」とある。輸送費の問題だったのだろうか、地方では10円高い設定となっており、出版史的にも面白い。
・サルトル(白井浩司:訳)『壁』人文書院
昭和25年12月30日発行 初版
「水いらず」などが収録された短編集。こちらは「定価220円」で「地方230円」。