毎週月曜日の『日刊ゲンダイ』に連載中のコラム「テレビとはナンだ!」。
今週の掲載分では、NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」について書かせてもらった。
見出し:
過去最低視聴率だけど、昭和を追体験できる内容は出色
コラム本文:
NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」の初回視聴率が過去最低(14.8%)だった。
関係者はさぞがっかりしていることだろう。
しかし「あまり気にしなさんな」と言いたい。
なぜなら、出来は結構いいからだ。
何がいいって、ヒロインの存在感では最近の朝ドラではピカイチではないか。
学芸会レベルの踊りでヒップホップダンサーを目指した「瞳」や、どうみても編集者やライターの仕事に向いているとは思えなかった「ウエルかめ」に比べたら、何倍も共感できる。
背景も昭和だ。
水木しげる夫人という実在の人物を通じて、戦中、戦後、高度成長期と、これからドラマと一緒に昭和を追体験できるのが楽しみだ。
今のところ視聴率が振るわない原因は、8時ジャストに繰り上がった放送時間にある。この時間帯の視聴習慣が深く根づいているせいだ。
私自身も8時から「とくダネ!」の小倉智昭オープニングトークをチェックして15分になったらNHKに移動してきたし、いまだに、ついそうしてしまう。
もう少し時間が経てば視聴者も慣れてくるはずだ。しばし待たれよ。
それより心配なのは、ヒロインの子供時代を演じた菊池和澄、それを引き継いだ佐藤未来の二人が“昭和の女の子”として出色であること。
ファッションモデルでピアニスト、松下奈緒の“洋物感”がどう映るかだ。
(日刊ゲンダイ 2010.04.06付)
・・・水木しげる夫人である布枝さんが夫婦の半生を文章にした、ドラマの原作である同名の初エッセイ『ゲゲゲの女房』(実業之日本社)を読んでみるのも面白いです。
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