新聞の取材を受けた。
先週末から始まった、HNKの土曜ドラマ『チェイス~国税査察官~』についてだ。
私の評価はいたってシンプルで、「傑作です」(笑)。
多分、現在放送中の全ドラマの中で、ピカイチではないかと思う。
まず、坂元裕二さんのオリジナル脚本がいい。
十分な取材を行ったのだろう。国税局査察部(江口洋介たち)と脱税コンサルタント(ARATA)、双方の活動(脱税の手口を含め)が細部まで描かれていて、見事だ。
また、江口洋介とARATAだけでなく、江口の妻を演じる木村多江や、ARATAと“ワケあり”の麻生久美子といったキャスティングも当たっている。
木村多江さんは、以前、別のコラムで「日本一不幸の似合う女優」と“命名”したら、その後、世間に広まり、すっかり定着してしまった(笑)。
このドラマでも、初回、いきなり航空機事故で亡くなってしまって、びっくり。
やはり不幸が似合うのだ(笑)。
そして、画面全体の“狙った暗さ”、というか陰影の効いた映像設計も、見ていてゾクゾクする。
物語展開のテンポも軽快で、見ている側が消化不良にならないよう配慮しながらも、心地よいスピード感がある。
一見ゼイタクな海外ロケ(ハワイをヴァージン諸島に見立てていた)さえ、必要なものとして効果を上げていた。
顔見世興行の初回が済んで、いよいよ脱税と摘発の闘いが始まる。
素直に、次回も見たいと思っています。