碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「♪セブンイレブンいい気分」な(?)貯金箱

2009年07月20日 | 日々雑感

いやあ、実に嬉しい。

今、セブンイレブンでお買い物をすると、700円ごとに1回抽選が出来るのだが、何と「35周年記念貯金箱&チョロQ」が当たったのだ。

当たった瞬間、「おめでとうざいます!」と店のレジの青年が言ってくれて、棚から賞品を取り出しつつ「当たったのを見たのは初めてです」と興奮気味。

この貯金箱、形がセブンイレブンの“店舗”そのままで、笑える。

チョロQは、もちろんセブンイレブンの搬入車だ。

店の前にある“ごみ箱”も4個が並んでいて、ちゃーんと“分別”表示まで読める。

屋根に横一文字の穴が開いていて、コインを入れると、CMでおなじみの「♪セブンイレブンいい気分」の歌が流れるのだ。

何だか、がんがん貯金できそうではないか。

実は、今回は珍しく本気で、つまり「当たれ!」と念じながら、くじを引いたのだ。

やはり本気でトライすると違うんだなあ(笑)。


“コンビニ・ファン”となって30年以上ですが、思わぬ賞品ゲットでありました。

オープンキャンパスで学生たちと

2009年07月19日 | 大学

大学のオープンキャンパス。

“体験LIVE”として、「デジタルシネマ演習」の学生たちによる、高校生へのプレゼンとデモが行われた。

デジタル編集を体験してもらったり、制作した映像作品をプレビューしたり。

おかげさまで、予想した3倍以上の数の見学者が来て下さった。

終了後、学生たちと記念の1枚。

おつかれさまでした!

明日は、私の「模擬授業」が11時半から。

スキップ・押切もえさん・大人塾・オープンキャンパス

2009年07月19日 | テレビ・ラジオ・メディア

昨夜、札幌より帰京。

FMノースウエーブの土曜日は、午前11時から19時までの8時間ワイド番組「ステーション・ドライブ・サタデー」だ。

私の『なんてったって大人塾リターンズ』は、その中で、月に一度オンエアされている。

昨日の「ステドラ」は、11時~15時が公開放送。

札幌駅前広場の特設会場に、ヒロ(福地)さんとケイコさんが“出張”して進めていた。

HTB『スキップ』の出演終了後、私も札幌駅に駆けつけた。

すると、ちょうど、この日のスペシャルゲスト・押切もえさんが登場するところだった。

いやあ、”ナマもえ”さんは、確かにスタイル抜群。見事な造形美だ。

モデルさんっていうのは、ほんと、別種の生き物かもね(笑)。

なにやら非現実的なものを目撃した、って感じでした。

その後、スタジオに戻り、「大人塾」の生放送。

映画『ディア・ドクター』と『ノウイング』、そして本は『絶望ノート』と『蕎麦処 山下庵』などを紹介させていただいた。


さてさて、今日(19日)明日(20日)は、わが東京工科大学のオープンキャンパスだ。

私も「デジタルシネマ演習」の公開や、模擬授業をやっていますので、高校生諸君は、ぜひ八王子キャンパスへ遊びに来てください。

生出演の続き

2009年07月18日 | テレビ・ラジオ・メディア

本日も札幌での生出演が続きます。

●12時00分 HTB「スキップ」

●16時15分 FMノースウエーブ「なんてったって大人塾リターンズ」



昨日の午後はHTB『イチオシ!』。

運河を船でめぐるなど、小樽の新しい楽しみ方の紹介が面白かった。

後は、HTBからも近いお寿司屋さんから、美味そうな「まぐろ」と「うなぎ」の生中継。

大雪山系での遭難の続報も入る。

地元の人は「北海道に“夏山”はない」という。

合掌。


夜は、恒例の“テレビを考える会”だった。

北海道のテレビマンもまた、飲んでも飲まなくてもテレビの話だ。そうでなくっちゃね(笑)。

本日のUHB『のりゆきのトークDE北海道』

2009年07月17日 | テレビ・ラジオ・メディア

今日のUHB『のりゆきのトークDE北海道』は、“夏休み直前”企画「真夏のアドベンチャー王国」。

湖をボートに引っ張られて疾走する「ビッグマーブル」や4輪バギー、クマ牧場のバックヤード体験、さらにダムの内部を見学する限定ツアーなどが並んだ。

みのわ直人さんの体当たりレポートも楽しかった。

こういう“体験型”のアウトドア・レジャーとくれば、やはり北海道は王国であり、楽園です。

とはいえ、昨日、大雪山で発生した遭難事故では、10人もの方が亡くなっている。北海道の自然は、これまた決して侮れないのだ。

『USUI's Night~碓井教授のまだ25時なので!~』無事オンエア

2009年07月17日 | テレビ・ラジオ・メディア

札幌は涼しい。

昼間が20度くらいで、夕方は16度。まるで秋みたいだ。

昨夜、FMノースウエーブで、新番組『USUI's Night~碓井教授のまだ25時なので!~』の第1回が、無事オンエアされた。

今回は、テレビ朝日の、例の「札幌ホームレス」取材問題を中心に30分。

「バンキシャ!」誤報問題や、TBSの「大阪二重行政」報道問題などにも触れつつ、報道番組の“演出”について話をした。

新聞や雑誌から取材を受けて、それこそ30分以上話をさせてもらった場合も、記事にコメントとして載るのは、何行、何十行という“ひとこと”になる。

それは承知の上だし、当然なのだが、一方で、こうして、ある程度まとまった分量で、考えていること、思っていることを“発信”できるのは、とても有難いことだ。

メディアの問題をメディア自身が伝える、という意味でも。

とはいえ、いわば旅先である札幌のホテルの部屋で、深夜、自分の話し声がラジオから流れてくるのを聴くというのは、うーん、実に不思議な感覚でした(笑)。


さて、今日・明日の出演は、以下の通りです。

7月17日(金)
09時54分 UHB「のりゆきのトークDE北海道」
15時45分 HTB「イチオシ!」

7月18日(土)
12時00分 HTB「スキップ」
16時15分 FMノースウエーブ「なんてったって大人塾リターンズ」

新番組『USUI's Night~碓井教授のまだ25時なので!~』

2009年07月16日 | テレビ・ラジオ・メディア

さあ、大変。

今夜(16日深夜25時)から、ラジオの“新番組”が始まるのだ。

その名は、『USUI's Night~碓井教授のまだ25時なので!~』。

畏れ多くも「冠(かんむり)番組」である。

「冠番組」とは業界用語で、出演者の名前がタイトルに入っているものをいう。たとえば「北野武の****」とか「爆笑問題の++++」とか、ああいうやつですね。

元々、この話が持ち上がった時、学生時代から何十年も愛聴してきたラジオ番組『五木寛之の夜』(TBS)を引き合いに出し、「深夜に、深夜ならではのディープなネタを、ゆっくり、じっくり話したいよねえ」なーんて言っていた。

「USUI's Night」は、まんま「五木寛之の夜」から来ており、その時に使っていた“仮題”である。仮題が本物になっちゃったのだ。

そして、この番組を放送するのは、札幌にある「FMノースウエーブ」。

だから北海道でしか聴けない。北海道以外では聴けない。これがまた渋いではないか(笑)。

ある意味で、今回の新番組は、現在も月に一度出演させていただいている「なんてったって大人塾リターンズ」の“スピンオフ”みたいなものなのだ。


さて、肝心の番組内容だが、ざっくり言えば「メディア時評」だろうか。

ラジオというメディアを通じて、私の専門であるテレビを中心としたメディアに関するアレコレの話題を、自由に、勝手に、存分に語ってしまおう、という思いっきり大胆な試み。

まあ、テレビじゃ出来ない番組ですね(笑)。

何しろ、話の中身を縛るスポンサーもない。ココロある作り手が、手弁当で、というか“持ち出し”で制作するのだ。

その心意気に応えるべく、私も頑張る所存です。

って、そんな気張ったものではなく、本当にゆるゆると、夜中に“大人のはなし”をしていきたいと思っています。


局が作成してくれた「番組紹介」は以下の通り。

ノースのWEBサイトの「プログラム・インデックス」のところをクリックしてもらえば、平日のラインナップの中で発見できます。(http://825.fm/northwave/)


<タイトル>
USUI's Night~碓井教授のまだ25時なので!~

<番組概要>
東京工科大学メディア学部教授・碓井広義が深夜に送る、最新メディア情報トーク番組!

「メディアが放送しないメディア論とは?」

テレビ離れ?ラジオ離れ?とんでもない!
「メディアの世界」はまだまだ皆さんが知らないことばかり。

情報番組の舞台裏。
ドラマに描かれなかったもうひとつのドラマ。
ドキュメンタリーの真髄。
なぜテレビは面白くなくなったといわれるのだろう?
制作マンに求められるものとは?

元テレビマンユニオンのプロデューサーとして数々の番組を制作してきた碓井教授の痛快メディア時評!

<放送>
FMノースウエーブ 隔週木曜(第1・第3)25時からの30分


では、北海道の皆さんと、北海道を出張や旅行で訪れている皆さん、ぜひ聴いてみてください。

映画『ディア・ドクター』で合掌

2009年07月15日 | 映画・ビデオ・映像

関東は梅雨明けだそうで・・・


映画『ディア・ドクター』を観てきた。

うーん、傑作であります。

西川美和監督に拍手。

映画を観ながら、池波正太郎さんの小説を思い浮かべていた。

「人間は、いいことをしながら悪事を働き、また悪事を働きつつも、それと知らずにいいことをしているものだ」といった意味の言葉。

誰もが、少なからず、そうなのかもしれない。もちろん、私も。

それにしても、鶴瓶さんは、得したねえ。その実像と虚像の両方を、西川監督が最大限に生かしてくれたんだから。

八千草薫さんは、さすがと言うしかない。

香川照之さんも相変わらず上手い。

岩松了さんをキャスティングしたのも正解。

まあ、それもこれも、西川さんの“物語るチカラ”があればこそだ。


もう随分前の、テレビマンユニオンのオフィスを思い出す。

是枝裕和監督の映画チームに、一番駆け出しの助監督(だったと思う)として参加した西川さんが、通路を早足で行き来していた光景だ。

何人かの監督についた後、『蛇イチゴ』で見事な初監督。

2作目の『ゆれる』もよかった。

そして、ホップ・ステップ・ジャンプじゃないけど、この3作目が一番いい。


この作品のエンドロールにも、企画者として、エンジンフィルム会長・安田匡裕(やすだ まさひろ)さんの名前があった。

是枝監督のデビュー作『幻の光』以来、是枝作品や西川作品をずっと支援し続けてくださった人だ。

私も、20年近く前に檀太郎さんを通じて知り合い、交流させていただいた。

たまに会えば、にこにこしながら、「どうしてる?」と近況を聞いてくださったっけ。

その安田さんが、3月8日に亡くなった。

確か、完成した『ディア・ドクター』は、ご覧になっていなかったはずだ。

安田さん、西川監督の新作は、堂々の傑作でしたよ。

合掌。


きのうの神さま
西川 美和
ポプラ社

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同級生・下川裕治の新刊『格安エアラインで世界一周』

2009年07月14日 | 本・新聞・雑誌・活字
高校・大学と同級生だった下川裕治の新刊を、書店で発見した。

『格安エアラインで世界一周』(新潮文庫)。

いわゆるLCC(ローコストキャリア)を使っての世界一周の旅だ。

下川は、自分のアタマと足と胃袋を頼りに、以前から第2の故国みたいになっているタイはもちろん、世界のどこにでも出かけていく。

今回のLCC利用のワールドツアーも、デビュー作が『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)なんだから、お金をかけない旅に関しては達人なのだ。

この本の中の写真で見る下川は、ますます「アナタ、どこの国の人ですか?」という、“国籍不明”感(笑)が強まっている。

今だって、日本にいるかどうか、分かりゃしない。

サッカーの中田英寿はともかく、下川は本物の「職業:旅人」だと思う。


ちなみに、これは文庫本ですが、れっきとした”書き下ろし”です。

格安エアラインで世界一周 (新潮文庫)
下川 裕治
新潮社

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(参考ブログ内記事)
『文藝春秋』5月号で、高校時代の仲間たちと

http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/e56943db7c2476b4aa738859c94a0cff

映画『ノウイング』は“見たもん勝ち”の1本

2009年07月13日 | 映画・ビデオ・映像

ニコラス・ケイジ主演ということで、映画『ノウイング』を観る。

「シングル・ファーザー(ニコラス・ケイジ)が、息子を守るために、50年前に少女が書いたメッセージを解読する。息子を脅かす危機と、刻々と迫る地球の破滅を防ぐために」

そう聞いても、「ふーん」てなもんかもしれない。

しかし、緻密な構造の脚本と、『アイ,ロボット』のアレックス・プロヤス監督の演出と、高度な特殊効果と、ニコラス・ケイジや子役たちの演技などが合体することで、上質なエンターテインメントになっている。

ビジュアルとしては、予告にも出ていた「旅客機の墜落」シーンがすさまじい。これが実にリアルで、観客席にいながら思わず身体が後ろに“逃げる”ほどなのだ。

シリアスなのにファンタジー。サスペンス映画であり、空想科学映画であり、また家族映画でもある。

それに、観終わってから、結構あれこれ考えさせてくれる“余地”も“余韻”もたっぷりある。

『ノウイング』は、たぶん大ヒットとはならないだろうが(笑)、一種“見たもん勝ち”の1本であることは確かだ。


そうそう、余談ですが・・・

この映画の中のクルマ。

街の風景としてはプリウスが目についたけど、“出演カー”としては、マツダのアクセラスポーツが、いい感じで走り回っておりました。

『産経新聞』の“TBS 7月緊急改編”記事でコメント

2009年07月12日 | メディアでのコメント・論評

昨日の『産経新聞』朝刊(11日付)。

すでに発表されているTBSの“7月緊急改編”に関する記事の中で、コメントが掲載されている。

例の「チャングム」や韓国版「花より男子」、さらに「水戸黄門」の再放送で、平日午後帯の視聴率をアップしようという話だ。



記事見出し:
TBS「魔の水曜日」打開へ 視聴率1けた定着、3カ月で再改編

■韓流、黄門で夏休み期カバー

今春、平日午後の番組を大幅に改編したばかりのTBSテレビが、今月20日から同時間帯の再改編に踏み切る。狙いは低視聴率の打開だ。特に水曜日は終日1ケタの状態が定着しているほどだが、異例ともいえる3カ月での再改編で、現状を打ち破ることができるか。

                   ◇

6月5日夕方、TBSからマスコミあてに「『水曜ノンフィクション・関口宏モトをたどれば』放送終了に関して」と題したファクスが一斉に流された。

水曜午後7時55分から1時間枠で放映していたこの番組は、さまざまな社会問題をドキュメンタリー形式で取り上げる番組で、同局も「良質なノンフィクションを多くの視聴者に見てもらう」と力を入れていた。

だが、視聴率は23回平均で5%台と低迷。6月3日放送分ではついに、2・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と3%を割りこみ、「この数字で放映するのはちょっと」(石川真実常務)と、次回予告をしながら打ち切りを余儀なくされた。

翌週の10日からは、急ごしらえで「激安バラエティー」を始めたが、やはり視聴率は1ケタ台を続けている。すでに取材進行中だった「モトをたどれば」は、今後何らかの形で生かしたいとしている。

視聴率低迷が続くTBSの中でも特に水曜日は深刻で、5、6月の2カ月のうち、視聴率が2ケタに届いた番組は、5月27日のキリンカップサッカー(12・2%、同)だけ。

関係者内では「魔の水曜日」とささやかれており、最近はこの傾向が他の曜日にまで伝染しつつあるという。

東京工科大学メディア学部の碓井広義教授は「現在のTBSは、これを見ようという番組が少なく、ゴールデンタイム(午後7~10時)の視聴者の選択肢にTBSが入っていない状態」と分析する。

苦戦を受け、TBSは今月1日、平日午後の番組を20日以降再改編し、夕方からの視聴者の誘導を図ると発表した。

それによると、4月改編の目玉だった平日昼の生放送情報バラエティー「ひるおび!」(月~金、午前11時~午後2時55分)は、月~木曜の終了時刻を約1時間繰り上げて1時53分にする。

空いた1時間に、午後5時台だった情報バラエティー番組「サカスさん」を移動させて、午後3時台からの3時間は、月~金曜とも「韓国版 花より男子」(31日から)、「宮廷女官チャングムの誓い」(21日から)の韓流ドラマと「水戸黄門」再放送となる。

高齢者に人気のある「水戸黄門」再放送はこれまでの午後4時台から5時台への移動となるが、これで夕方の報道番組「総力報道!THE NEWS」(月~金、午後5時50分~)への流れを作ることが狙いだ。

再改編について、石川常務は「夏休みが始まり、視聴者の構成が変化するこの時期に、人気のあるソフトで数字(視聴率)が上げられれば」と期待を込める。

ただ碓井教授は「生番組と再放送で放送枠を埋めるという、まるで地方局のような編成。これでは、視聴者のTBS離れを加速しかねない」と効果を疑問視している。(産経新聞 2009.07.11)



かつて“ドラマのTBS”と呼ばれた放送局が、他局(NHK)が衛星や地上波でさんざん流したドラマ(「チャングム」)を、「数字(視聴率)が上げられれば」という理由で放送する。

いや、放送せざるを得ない状態に陥っている。

それが残念であり、悔しい。

だって、“名門”であるはずのTBSが、「チャングム」で視聴率を稼げたとして、それは何かを達成したことになるんだろうか。

そこには、何かクリエイティブがあるんだろうか。

内部の人たちや、系列局の人たちは満足なんだろうか。

そんな思いが強いのです。

「方言指導」担当の舞台『君愛せし山河』を鑑賞

2009年07月11日 | 舞台・音楽・アート

新宿駅西口近くの「スペース107」で、阿木翁助・上條逸雄 7thメモリアル公演『ラジオドラマ 青いカナリア』&『君愛せし山河』を鑑賞。

特に「方言指導」を担当させていただいた『君愛せし山河』は、自分の演出作でもプロデュース作でもないのに、観る前から結構緊張した。これも初体験だ。

ロビーで、演出の嶋田親一先生にお目にかかったが、ご挨拶していても、まだどきどきしていた。

しかし、一旦幕が開いてみれば、もうそこはプロの役者さんたちの独壇場。

むしろ稽古の時よりも流暢な信州弁を聞くことができた。

私も少しはお役に立てたようだ。

霞優子さん演じるヒロインの久子をはじめ、出演者全員が、それぞれの人物と化している。

一途に人を思う女ごころ。少年時代の仲間たちの友情。彼らの胸の中で生き続ける恩師の言葉・・・。

ああ、やはり舞台はいいねえ。

生身の人間が、ナマで演じているのを、リアルタイムで観させてもらうことのゼイタクさ。

『ラジオドラマ 青いカナリア』もよかった。

巨匠・阿木翁助のシナリオもさることながら、本来は音だけで表現される世界を、目の前で作り出している役者さんたちもすごい。

昭和20年代の作だが、人情というか、人の気持ちというのは、そう変わるものではないのだ。

8日に始まったこの「阿木翁助・上條逸雄 7thメモリアル公演」は、12日(日)までだ。

7/11(土) 14:00 / 18:30
7/12(日) 14:00
※開場は開演の30分前。

チケット料金:
全席日にち指定自由席(一公演200席限定)
前売・予約 4,000円 / 当日 5,000円
お問合せ・チケット予約:
TEL:090-3468-6868(後藤まで)

テレビ業界の「下請けいじめ」と総務省の「ガイドライン」

2009年07月10日 | テレビ・ラジオ・メディア
今日の『朝日新聞』朝刊に、「テレビ局の下請けいじめ、是正へ指針 総務省」という記事。

総務省が「テレビ業界にはびこる“下請けいじめ”の取引慣行を是正するための指針を発表」という内容だ。

この指針は「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」。

放送局に、制作会社に対する、以下のような行為の“禁止”を求めるものだ。

(1)番組テーマ曲の著作権譲渡の強要
(2)アニメ番組の制作で一方的に2次利用収益の割合を決める
(3)番組制作会社への強引な出資

これ自体は、確かに禁止すべきことであり、しごく真っ当な話だ。

しかし、それよりもむしろ「まだ、そんなこと、やってるんですか」という情けない思いのほうが強い。


「下請けいじめ」をなくすためにと、総務省と放送局、そして番組制作会社の代表が、今年の初めまで1年間も協議を続けてまとめた“自主ルール”は、どうなっているのか。

3月から先行実施されているルールには、以下の3点が盛り込まれていたはずだ。

(1)制作会社への発注書・契約書の交付と契約金額の記載を義務づけ
(2)番組「買いたたき」を禁止
(3)制作会社が持つ著作権の譲渡強要を禁止

そこには、わざわざ「放送局は制作会社に対して取引上、優位な地位にあることが多い」と明記してあった。

この3月の先行項目に、今回の3点を加えていく“必要”がある、ということだ。

また、新たなガイドラインでは、「制作会社との取引条件の交渉では、著作権の帰属を協議するよう求める」という。

「著作権」は、著作物を製作した者に、自動的に(申請などせずとも)発生する。作り手にとって大切な権利だ。

広告収入が激減している現在、各局が必死で推進しているのが、番組の2次利用をはじめとする「放送外収入」の確保。

その2次利用の際、著作権が大きな意味をもってくる。

双方にとって「著作権の帰属を協議」するのは当然なのだが、それさえきちんと行われていないということだ。

長く制作会社で仕事をしてきたから、という意味だけでなく、「下請け」という言葉も、「いじめ」という言葉も、辛い。

「格差社会」の縮図のような状態のままでは、2次利用に足るような、優れた番組(コンテンツ)も生まれにくいはずだ。

今月中に実施されるというこのガイドラインが、有効に機能することを願いたい。

ドラマ『官僚たちの夏』への期待

2009年07月09日 | メディアでのコメント・論評

昨日発行の『日刊ゲンダイ』(9日付)で、TBSのドラマ『官僚たちの夏』についての記事があり、私のコメントも載っている。

記事のタイトルは「“ドラマのTBS”復活を予感させる作品と評判」とあり、全体に好意的なものだ。

私も、見ごたえのある1本だと思った。

城山三郎さんの原作は、実在した“ミスター通産省”を主人公に、高度成長期の通産省における政策や人事をめぐる闘いを描いた小説だ。

5日の第1回では、「日本人にも買える国産車の開発」が軸になっていて、ちょっとびっくり。

クルマの話は、原作には出てこないからだ。

なぜ、今、原作にはない「日本人によるクルマの開発」というエピソードを入れてきたのか。

その真意は分からないが、最近の「ハイブリッドカーの購入促進」という“国策”と関連でもあれば、すごいことだ。

しかも、12日放送の第2回は「テレビの普及」がテーマ。

ついつい「地デジ」のことや、デジタルテレビの販売のことなどを思い浮かべてしまう。

まあ、それは考え過ぎだろうが、ドラマ全体としては、大人、特に大人の男が見て楽しめる内容になっている。

私のコメントは次の通りです。


「佐藤(浩市)をはじめとする役者の演技がよかったし、戦後の日本のベースができた時代を、一面的ながらも描けていたと思う」

「TBSがやっと大人が楽しめるドラマを作ってくれたことは評価したい。若者に媚びるドラマはもうやめたほうがいい」

「TBSのスタートはここからです」


“ドラマのTBS”というのも懐かしい言葉だ。復活するといいねえ。


官僚たちの夏 (新潮文庫)
城山 三郎
新潮社

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『読売新聞』で、「BSデジタル放送」に関してコメント

2009年07月08日 | メディアでのコメント・論評

今日(8日)の『読売新聞』朝刊に、コメントが掲載されている。

BSデジタル放送に関する話だ。

記事のタイトル:BSデジタル「視聴率」上昇

取材・執筆は小林佑基記者だ。



BSデジタル放送の視聴率にあたる接触率が、ゴールデンタイム(G帯、午後7~10時)で急上昇している。

BSデジタル民放5局が先ごろ発表した今年4月の接触率は、2005年の調査開始以来、過去最高を記録した。

発表によると、5局のG帯週平均接触率の合計は14・5%。前回調査(2月)から5・2ポイントも増え、これまでの最高だった06年11~12月の11・0%を3・5ポイント上回った。全日(午前6時~深夜0時)でも1・2ポイント上昇した。

接触率を押し上げた最大要因はプロ野球中継。4月25日にBS日テレで放送された巨人―中日戦は、BS全番組で史上最高の13・5%を記録。調査期間中にBS日テレで放送された巨人戦5試合は、すべて10%を超えた。

BS各局はプロ野球中継に力を入れており、特にBS日テレは今年、昨年の2倍以上となる52試合の巨人戦を延長対応で中継する予定。地上波の日本テレビは42試合から26試合に激減しており、プロ野球中継が地上波からBSに移行している様子がうかがえる。

また、BSがこだわってきた、画質や音質の良さを生かした紀行番組が好調なのも、接触率上昇の原因の一つ。BS日テレの「トラベリックス3」やBS―TBSの「世界・夢列車に乗って」などが今回、過去最高の接触率を記録した。

BSの普及率が46・7%に達し、一部新聞でBSの番組表が地上波と同じ最終面に掲載されるようになったため、「見てみようという人が増えている」(BS朝日)ことも背景にある。

東京工科大の碓井広義教授(メディア論)は「地上波のテレビ局は近年、購買意欲の旺盛な若い世代を意識し、中高年層が排除されつつある。BSに知的満足度の高い番組の多いことがようやく気づかれ始めた」と指摘する。

再来年以降、BSのチャンネル枠が拡大されることをうけ、総務省は6月、WOWOWなど8社・団体に電波割り当てを認定しており、ますますBSの接触率は伸びていきそうだ。

          ◇

接触率…BSの場合、受信機を持つ全国の約850世帯を対象に、日記式で15分ごとの視聴行動を調べて算出される。調査は通算18回目。今回の調査期間は4月20~26日。機械式で毎日測定されている地上波の視聴率とは測定方法や母数が違うため、単純比較はできない。

(2009年7月8日 読売新聞)