遊びをせんとや

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どこにも行けない今年の夏は読書で旅 ~生命海流 GALAPAGOS 福岡伸一~

2021-08-14 06:29:59 | ブックリスト
今年の夏は結局、どこにも行けず終いになりそうだ。
当たり前か。
自分の身を守るためには、回りに迷惑を掛けないためには、動かない。
お盆でも娘は帰省しないことに。これも当たり前か。

ということでお家で読書三昧。
映画鑑賞もいいのだが、なにせ、夜9時を過ぎると眠たくなるので、、、。

もっぱら夫婦二人で読書。
テレビは常時点いていると落ち着かない。
無音が一番。

休みに入ってすぐ読んだのがこれ


福岡さんの長年の夢だったガラパゴス諸島にダーウィンが当時たどった航路をそのまま回る。
という贅沢なツアーの航海記だ。

子供の頃、十五少年漂流記なんかを読んで胸躍らせた私としては結構好きです。
でも、本来文系なので生き物にはそんなに興味がない。
でも旅となれば別である。しかも福岡さん。
彼は美的センスも鋭く、美術やデザインにも造詣が深い。
しかも文章もわかりやすく難しいことを私にもわかるように語ってくれる。
すごーい研究者なのに上から目線が全くない。読んでいて気持ちがいい。

厳密にいえば空路も発達している現代だから1835年にガラパゴス諸島を訪れたダーウィンと全く同じ航路と言うわけにはいかなかったようだ。
コロナ禍がすでに始まっている2020年3月4日から一週間足らずの旅。何とかギリギリコロナの影響を受けずに成立した。

ガラパゴス諸島の動物たちが全く人間を怖がらないこと。
海中の生物も陸上の生物もまるで人間をおちょくるようによってくること。鳥でさえ。
他の土地の生物と違うそういう習性と進化論の問題。すごく興味深かった。

それと小さなそれでもコンパクトに設備が整っている船にカメラマン、船長はじめ福岡さんを含めて8人の男たちがどのように航海をしたかも興味深かった。
特に人間の基本である食べることと、排せつすることは本当に生活する上で避けては通れない道。

掲載されている写真がまた、素晴らしい。自宅にいながらその時間そこへ行ったような臨場感を感じる。
食事の写真もすごく美味しそう。

この時期に稀有の旅の記録を詳細に読めたのはすごく幸せだった。