机上の空論で17億円も掛ける市の施設を作ることにGOサインは出せません

2011-02-04 11:03:06 | 秋水園リサイクルセンター
昨日、3日午後、秋水園リサイクルセンター問題の特別委員会が開かれました。

1月24日に、当委員会として、東村山市がびんの最終処分を委託している中村硝子(足立区)を視察しました。

委員会は、視察結果の感想を述べることから始まりました。
私を含め多くの委員が、
★小さな工場で、効率よく作業が行われていた事
★びんをあまり細かく砕く必要はないこと
★最終処分を行う過程で、びんの蓋やラベルや異物を確実に除去するための幾つもの工程があり、異物が搬入時点で細かくなっていると逆にそれを取り除くことが障害になること
★作業過程で発生する騒音は、作業場の防音対策を行うことで外への影響を無くすことが出来ること
等々、その処理の過程を実際に見ることで目から鱗が落ちた思いの視察であったと異口同音に感想を出し合いました。

私は、市が計画しているびんを破砕するための施設は必要ではなく、必要なのはその一時保管場所であると思った旨も伝えました。

さて、問題はその後の議論の行方です。

前回の委員会で、
委員会が要求した資料が説明されました。
資料の内容は、
☆リサイクルセンター建設工事の内、機械設備の内訳
 不燃ごみの処理ラインを無くしたのでその削減額 1億1603万円
 ペットボトルの処理を民間委託した場合の削減額 2502万5千円
 合せて1億4105万5千円の削減

☆ランニグコストの内訳
      年間人件費、     その他の経費
 A社 1億8200万円(26人)、1537万円
 B社 1億7500万円(33人)、5300万円

でした。(A,B社はプラントメーカー)

説明と、その後の質疑によって、私は、これらの試算が、結局何の根拠も持たないものであるという認識に至ってしまいました。

確かに、所管は始めから、詳細な設計ではないから、あくまでも例えばの数字ですと繰り返し言ってきました。
しかし、そうは言っても施設計画を立てるのに、その必要性や、その規模や、その設備について一定程度根拠のある試算が行われるのは当然ではないでしょうか?

また、それがあると信じて、議会は党派を超え共に勉強し これまで様々な質疑を交わしてきました。
リサイクル作業場の現状は改善の余地があるが、どうしたら市民の税金を無駄に使わずに改善できるかを真剣に考え、提案をしてきたと私は思っています。
少なくとも私のスタンスはそうでした。

それなのに、昨日の所管の説明の全ては
発注してみて、提案を受けて、施設が稼働しなければ、実際の年間運営経費も今後の補修に関する費用の計画もわからないということの一事に集約されました。

私は、ここに至って初めて、これまでの我々議会が、紙の上でのみ設計された、何の根拠も持たない、ただ大きなスペースを持った施設が必要であるという計画を議論させられていたということがわかりました。
机上の空論を続けさせらてきたという訳です。

議論の中で、与党のみなさんの発言が微妙に違ってきたので、
私も聞きたいと思っていた事を佐藤委員が質問しました。
「来年度予算への計上はどうなっているか」と
所管は「リサイクルセンターの性能発注のための仕様書をつくることを委託するための予算要求をしている」と答弁。

案の定です。
不燃ごみのラインとペットボトルのラインを議会の提案を受けて外し、
17億円に減額しただけで、リサイクルセンターの建設を進めるつもりなのです。

私は、議会が、市民の声を無視し、議会の党派を超えた議論をないがしろにし、明確な建設費や維持管理経費を提示せずに、17億円(これすら正確ではない)もかかる施設建設にゴーサインを出すべきではないと考えます。
議会改革の一歩、市民の声を聞き、その目線で計画をチェックする事を始めた党派を超えた努力を、議会自らが反故にしたら、市民の信頼を勝ち得ることはできないとおもいます。
議会の良識を発揮すべきです。

このリサイクルセンター問題は、5月以後の新しい東村山市議会で、もう一度よ~く研究し、行政の提案をきちんと市民の目線で修正するべきです。

委員会は、3月議会の開会中に最後の委員会を開き、報告書をまとめることになっています。注目して下さい。