公立保育園が減っている―東京新聞「保育漂流」より

2015-10-16 09:39:41 | 東村山市の政治、議会
10月15日、16日の両日
東京新聞に公立保育園の民営化についての記事が掲載された。
全国で公立保育園が減り続けていると。
また、民営化によるトラブルも発生しているとも。

この問題は決して新しい問題ではない
我が東村山市においても数年前に
公立第2保育園の民間移管が現市長から提案され
保護者の大反対の末凍結された
しかし、今またそれが息を吹き返し
第2保育園の他1園の民間移管が計画されようとしている。

東京新聞の1日目の記事は
岐阜県多治見市が2006年度から指定管理を委託している公立保育園の法人を
来年度から変更するというものだ。
保護者が戸惑っており反対の署名にも取り組んでいるが
行政は見直しはしないという。

多治見市が選択している保育施設の指定管理制度の適用は
子どもたちにとって最悪の方法である。
子育てを支援する保育施設が数年でくるくる変わって
子どもに良い影響を与えるはずがない。
子どもの成長を保証する継続性もない。

東村山市でも
都立から市立になり民間に委託されていた
公立保育園を指定管理とし、
その後、指定管理者の変更をする決定がされたことがある。
当時の保護者達が反対をし
新たに指定管理者となった法人が辞退。
結果、その保育園は、保護者の願いに沿って
H24年4月より、当時の法人に移管され私立の保育園となった。
私は当時議会で、保護者の指定替えは認めないという運動を後押ししてきた。

私は、公立保育園を廃止することには賛成できない。
しかし、既に実際には10数年にわたって民間が運営に携わってきた保育園であり
今後指定管理制度を適用するよりは
現法人に移管することが子どもたちに安定した環境を与えることができ
悪影響を及ぼさない唯一の方法であると考え
その公立保育園の廃止に賛成した。

しかし、今日16日の記事にも明らかなように
保育園の民営化は、単に経営主体が公から民に変わるだけではない
もっと深刻な問題が潜んでいる。
それは、子どもからそれまで長年育ててくれた
第2のお母さんともいうべき人を奪うことなのである。
市立第2保育園の民営化議論の際
このことを幾度も指摘したが、
残念ながら現市長は
「子どもたちに影響が少ないよう十分配慮する」としかいわなかった。
少なくても影響があってはならないのが子育てだ。

16日の本文中で、移管を受けた法人の園長は
移管は、「ゼロからのスタートではなく、マイナスからのスタート」だと苦衷を吐露している。
子どもたちの心理に十分注意して
移管の一年前から公立保育園で共に保育研修にあたり
移管後は、公立の保育士を1年派遣してもらって子どもたちに対応したが
それでも信頼を確立するのは困難だったと言っている。

我が東村山市には公立園が7園ある。
この7園の存在は、
待機児解消と共に子育てに悩んでいる自宅で保育している母親の支援施設として
虐待に悩む親子への 子どもの一時保護施設として、
ひとり親家庭の駆け込み保育を引き受ける施設として
今後、緊急時に対応できる施設として重要な存在となることは間違いない。
税金で運営される公立園だからこそその役割が果たせるのである。

株式会社の保育園が、認可を受けていない保育園も含め自社の保育士の処遇を
利益優先で、引き下げる事態も私の目の前で起こっている。

福祉とはどうあるべきか
子育てに必要な施設の運営主体はどこが担うべきか
理念を持って考えるべきである。

わが東村山市の保育園民営化計画は、子育て支援とは相いれないということを
関係者は肝に銘じ考え直すべきである。

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