読書家の友人が「今まで読んだ本の中で最も美しい本」と評した。
「本が美しい」
なるほど、確かにそうだ。
でも恐らくこれを20年前に読んだとしたらその美しさには全く気付かないでいたでしょう。
今の環境に於いてこの本を読んだのはとても幸せなことのように思います。
でも、僕は彼のようにこの本を人に勧められるのかと言えば、なんだか難しいように思います。あまりにも受け取り方が違うように思えてね。
読書家氏が読んだのは古くからある吉田健一訳。
僕のは落合恵子の訳。落合恵子自身も吉田健一訳のこの本に親しんだと後書にあるが、この本を訳すには絶妙な一人ではないかと。
存命なら森瑤子がどんな書き方をするのかもちょっと興味のあるところ。
僕は英語がからきしダメなのですが、これをオリジナルで読めたらステキだろうと思わせる一冊。