きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

新型インフルエンザの再流行に備えて・・・

2010-09-02 22:09:36 | 健康・病気について
新型インフル 再流行に備え必要

 嵐か突風か。新型インフルエンザ2009年、H1N1の大流行(パンデミック)でした。いまは沈静化。しかし、油断できないという。秋以降の再流行にどう備えるか。上野敏行記者

想定外の豚由来
 2009年、研究者たちが強調していたこと。新型インフルエンザウイルスの登場は“時間の問題”と。最有力候補は高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1でした。病原性は強く、致死率60%。(08年12月時点)
 この高い致死率のまま大流行となっていたら?「社会の損失・被害は甚大になる可能性があった」というのは、東北大学大学院医学系研究科微生物学分野の押谷仁教授。専門は感染症学、ウイルス学です。「被害を最小限に抑えるため、世界各国は日本も含めて、抗ウイルス薬の備蓄など対策を進めていました」ところが、大流行を起こしたのは、想定外の豚由来インフルエンザウイルスH1N1でした。最初の感染確認は09年4月、メキシコと米国。以降、急速に世界中に広がりました。
 「流行の展開と被害の程度を予想するむずかしさがありました。そのため検疫、地域での対策、医療体制、ワクチン生産など十分に対応できない問題点も浮き彫りになりました」
 “新型”の再流行は?「十分にあります。現在も一部地域で感染が続いています。09年流行の全体像を把握したうえで、さまざまな側面からの検証が必要です」


未感染者が多い
 新型インフルエンザによる各国の死亡率(人ロ10万人当たりの死亡率)を厚労省がまとめています。(10年6月8日)
 米国3.96、カナダ1.32、・・・日本0.16。日本は最も低い。どうしてなのか。
 「抗ウイルス薬の早期投与、入院・呼吸器管理などの早期治療ができたことがあります」
「さらに日本の“疫学的特徴”が諸外国と異なっていたことも大きい」
 疫学的特徴とは-。例えば、米国。患者数の3分の2以上は成人(18歳以上)でした。一方、日本の患者の大半は小児(15歳未満)で、中高年(40代以上)は10%に満たない。
 「日本では学校で大規模な流行が発生したけれども、家庭や職場、地域の流行は限定的だったことです。流行の初期段階で広く学校閉鎖を実施した効果と考えています」
 重症者・死亡者の発生を分析した報告はこうです。(『感染症発生動向調査週報』10年3月29日)
 “発症者数は中高年が少なく小児が多い。しかし、いったん発症した場合の重症化率や致死率は中高年が小児を上回る”ということは?「中高年など重症化しやすいグループまで感染が広がっていなかったことを示しています」
 重症化する危険の高いグループは明らかになっています。基礎疾患(慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病、慢性腎疾患、免疫抑制状態など)のある人、妊婦、肥満者、5歳未満の乳幼児です。
 ただ、死亡者のうち、基礎疾患のない例は4分の1あり、ないからといって安心できない。「再流行で地域に感染が広がっていくと、一定の割合で重症者が出てきます。先行の米国のように重症・死亡者が多発する事態も考えられます」


季節性とは違う
 09年流行の“新型”の病原性は季節性インフルエンザとほぼ同じ。だから、再流行時には、従来の“季節性”と同じ対応でいい、と。
 それは誤った意見、と押谷教授。「ウイルスは変化しなくても、より重症化しやすい人たちに感染が広がれば、被害が大きくなることもあり得ます。ウイルスそのものが変化していく可能性もあります」
 さらに“新型”による重症化は、“季節性”とは違った深刻さも。ウイルス性肺炎、急性呼吸窮迫症候群からくる呼吸不全を起こすこと。進行は急速で、集中治療室で人工呼吸器を使った呼吸管理が必要となります。いったん重症化すると、救命は困難。
 改めて振り返ると-。09年7月7日、流行の真っただ中の米国ニューヨーク市(人口約830万人)の状況はどうだったか。(ニューヨーク市保健精神衛生局報告)
 感染者は約50万人(罹患率約6%)。入院患者909人、死亡者47人に。入院患者の20%は集中治療室で管理し、同10%が人工呼吸器を必要としました。「ニューヨーク市は先進的な流行対策を進めていた都市です。その都市でも罹患率6%という小さい段階で医療体制の混乱が起きました」
 日本では09年11月2日から1週間で推定約153万人が受診。やはり医療体制が混乱し、救急外来で7時間待ちになった地域などもありました。「感染者が急激に増えることを前提として、中高年を中心に重症者が多発したとき医療体制をどうするか。医師不足などで救急医療が維持できない、医療崩壊の地域もあります。状況に合わせ、備える必要があります」
「しんぶん赤旗」日曜版 2010年8月22日付より


年齢ごとにインフルエンザの感染後の致死率が上がる傾向です。
いままでは大丈夫だったと、たかをくくらずに、風邪かなと思ったらすぐに受診することでしょうね。
コメント
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