キーワードで見る資本論① 「第8章 労働日」から 労働時間の「ちょろまかし」
過労死やブラック・バイト、格差の拡大…。「なぜこんなことがまかり通るのか!」。“その答えは『資本論』にある”と考え、理解のカギとなるキーワードを入り口に、『資本論』の魅力に迫ります。
『資本論』第1部の「第8章労働日」でマルクスは、19世紀のイギリスの資本家が、労働者の出勤時間を10~15分程度早めたり退勤時間を延ばしたり、食事の時間から“こそどろ”をすることを、工場監督官報告書を引用して、「数分間のちょろまかし」「ひったくり」「食事時間のかじり取り」といっています。
これは21世紀の日本でも行われています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/81/6636e174058b80504a4f73d9800497a2.jpg)
アマゾンでは
インターネット通信販売大手のアマゾン・ジャパンが運営する巨大物流センターでは、始業前、終業後に労働者に煩雑なチェック作業が義務づけられていますが、それが労働時間にカウントされていません。労働者は「始業」30分程度前に到着し、名前を名簿でチェック、ロッカールームで持ち込み禁止のスマホなどを預け、指紋入力で生体認証を受けるなどを、始業5分前までに済まさなければなりません。終業後も同じく約10分かかります。
“大きな誘惑”
マルクスは「法定時間を超えた過度労働で得られる特別利潤は、多くの工場主たちにとってあまりにも大きい誘惑で」、このひったくりを「発見されないことをあてにしており、発見された場合でさえも、罰金と裁判費用とが取るに足りない額なので、相変わらず自分たちには差引利益が保証されると計算している」といいます。
「毎日たった10分間だけ超過時間の労働をさせることを私に許すならば…私のポケットに毎年1000ポンド」入るというある工場主の言葉を紹介しています。
厚生労働省のガイドラインはこうした時間も労働時間に含まれるとしており、賃金が払われるべきです。(猛)
(週1回、7回連載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年3月30日付掲載
![資本論 労働日_01](http://kura1.photozou.jp/pub/555/190555/photo/265222029.v1585618468.jpg)
資本論 労働日_01 posted by (C)きんちゃん
『資本論』の第1巻 第8章 労働日の書き始め
![資本論 労働日_03](http://kura1.photozou.jp/pub/555/190555/photo/265222031.v1585618495.jpg)
資本論 労働日_03 posted by (C)きんちゃん
労働日 工場主とボヤール 剰余労働に対する渇望
![資本論 労働日_02](http://kura1.photozou.jp/pub/555/190555/photo/265222030.v1585618481.jpg)
資本論 労働日_02 posted by (C)きんちゃん
労働日 工場監督官たちの告発
19世紀のマルクスの時代に行われていた労働時間の「ちょろまかし」。21世紀の今でも横行している実態。
『資本論』で書かれている、工場監督官の告発。このくだりを読んで、労働基準監督署で活動する共産党の活動家たちは奮起したと聞きます。今ではその役割がより増しています。
過労死やブラック・バイト、格差の拡大…。「なぜこんなことがまかり通るのか!」。“その答えは『資本論』にある”と考え、理解のカギとなるキーワードを入り口に、『資本論』の魅力に迫ります。
『資本論』第1部の「第8章労働日」でマルクスは、19世紀のイギリスの資本家が、労働者の出勤時間を10~15分程度早めたり退勤時間を延ばしたり、食事の時間から“こそどろ”をすることを、工場監督官報告書を引用して、「数分間のちょろまかし」「ひったくり」「食事時間のかじり取り」といっています。
これは21世紀の日本でも行われています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/81/6636e174058b80504a4f73d9800497a2.jpg)
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“大きな誘惑”
マルクスは「法定時間を超えた過度労働で得られる特別利潤は、多くの工場主たちにとってあまりにも大きい誘惑で」、このひったくりを「発見されないことをあてにしており、発見された場合でさえも、罰金と裁判費用とが取るに足りない額なので、相変わらず自分たちには差引利益が保証されると計算している」といいます。
「毎日たった10分間だけ超過時間の労働をさせることを私に許すならば…私のポケットに毎年1000ポンド」入るというある工場主の言葉を紹介しています。
厚生労働省のガイドラインはこうした時間も労働時間に含まれるとしており、賃金が払われるべきです。(猛)
(週1回、7回連載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年3月30日付掲載
![資本論 労働日_01](http://kura1.photozou.jp/pub/555/190555/photo/265222029.v1585618468.jpg)
資本論 労働日_01 posted by (C)きんちゃん
『資本論』の第1巻 第8章 労働日の書き始め
![資本論 労働日_03](http://kura1.photozou.jp/pub/555/190555/photo/265222031.v1585618495.jpg)
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労働日 工場主とボヤール 剰余労働に対する渇望
![資本論 労働日_02](http://kura1.photozou.jp/pub/555/190555/photo/265222030.v1585618481.jpg)
資本論 労働日_02 posted by (C)きんちゃん
労働日 工場監督官たちの告発
19世紀のマルクスの時代に行われていた労働時間の「ちょろまかし」。21世紀の今でも横行している実態。
『資本論』で書かれている、工場監督官の告発。このくだりを読んで、労働基準監督署で活動する共産党の活動家たちは奮起したと聞きます。今ではその役割がより増しています。