きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

安全求め続けて JR福知山線事故10年③ 原因究明へ共同検証

2015-04-30 20:54:32 | 公共交通・安全について
安全求め続けて JR福知山線事故10年③ 原因究明へ共同検証

「安全管理体制を構築しておくことは鉄道事業者の責務と考えられるが、JR西日本はその責務を十分に果たしていなかった」―。昨年、事故の遺族とJR西日本が共同で事故検証の報告書をまとめました。報告書は事故を起こしたJR西の組織的要因を分析し、事故の核心に迫っています。遺族と加害企業による共同の事故検証は、わが国初の画期的な取り組みです。
「なぜ家族は死んだのか」「なぜ運転士はあんな暴走をしたのか」。遺族らにとって、事故の真相解明と再発防止は最大の願いです。
しかし、JR西は、長らく事故と真剣に向き合ってきませんでした。国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)の事故調査報告書などでも、真相解明には至りませんでした。



事故現場のカーブを通過する列車=4月25日、兵庫県尼崎市

遺族の呼びかけ
そうした中、事故で妻と妹を失った淺野弥三一(やさかず)さん(37)=兵庫県宝塚市=が同社に呼びかけ、真相解明のために責任追及を横に置いて、事故を遺族と共同で検証する議論が始まりました。
「福知山線列車脱線事故の課題検討会」(09~11年)で、JR西は依然「運転士による大幅な速度超過は想定できなかった」とのべました。同時に「運転士のミスは原因ではなく結果であり、その後ろに組織的要因がある」という認識に変化していきました。
さらに有識者の第三者を加えた「安全フォローアップ会議」(12~14年)が昨年4月にまとめた報告書は、かつてなくJR西の組織問題に踏み込みました。
報告書は、JR西が進めたスピードアップによってダイヤが極端に余裕のないものとなった上、ATS―P(自動列車停止装置)を整備しないままだったこと、懲罰的な労務管理が行われていたことなどが関連し合って事故の背景要因となったと分析しました

管理体制に不備
これまでJR西がATS―P未整備の言い訳としてきた「運転士の大幅な速度超過は想定できなかった」という見解や、ミスを報告しにくい懲罰的な労務管理について、「人はミスをするものであるという安全科学の基本認識から外れている」と厳しく批判。
スピードアップをするなら同時に安全対策を強化する、ダイヤ改定など事業を実行したあとも監視、評価、修正するといった安全管理体制に不備があったと指摘しました。
安全確立へ向けてJR西に対し、▽安全最優先の経営を進めているか社外検査を受ける▽原因究明と再発防止を優先し、ヒューマンエラーで社員を処罰しない▽上意下達から対話型のコミュニケーションに転換する―ことなどを提言しました。
JR西がこれらを真写剣に受け止め、信頼される鉄道事業者として再生していけるかどうか、社会的な目を注ぐことが求められます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年4月26日付掲載


JR西日本の言い分の、「運転士の大幅な速度超過は想定できなかった」。東日本大震災での原発事故。東京電力の言い分の「想定外」と共通する面もあります。
ですが、「運転士のミスは原因ではなく結果であり、その後ろに組織的要因がある」という認識に変化に一筋の光が見えます。
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安全求め続けて JR福知山線事故10年② 遺族の声投げかける

2015-04-29 10:18:38 | 公共交通・安全について
安全求め続けて JR福知山線事故10年② 遺族の声投げかける

事故で長女の中村道子さん(当時40)を失った藤崎光子さん(75)=大阪市=の胸に光る黄色のリボン形のバッジ。昨年4月、韓国で300人以上の犠牲者を出した客船セウォル、号事故の追悼の思いが込められています。
藤崎さんは同年12月、セウォル号事故の遺族らと兵庫県尼崎市で会い、「真相究明と再発防止がお互いの願いであり、二度と誰も被害者にならないようにする使命が遺族にある」と語り合いました。
この10年間、日航機墜落事故(1985年)や信楽高原鉄道列車衝突事故(91年)をはじめ、多くの事故の遺族らと交流してきました。「遺族の方々との交流では、何も言わなくても気持ちが通じ合うものがあります」



藤崎光子さん

責任追及を決意
藤崎さんは福知山線事故で道子さんの遺体を確認したあと、「安全より利益を優先したJRの責任追及のために、残された人生をささげたい」と決意。遺族らの連携を呼びかけ、「4・25ネットワーク」の結成につなげました。
以来、ネットワークとして何度もJR西日本や関係省庁と交渉、要請し、遺族、被害者の声を届けてきました。
しかし、この10年間、JR西は事故をめぐって隠ぺいや保身、不誠実な言動を繰り返し、遺族の気持ちは傷つけられてきました。
藤崎さんは、「悲しみが癒やされることはありません。毎日、道子がいてくれたらどんなに助かるかということばかりです。道子は私と夫の親の世話をする、と言っていましたから、天国でゆっくり眠っていることはなく、忙しくしているのではないでしょうか」と話します。
事故を防ぐATS―P(自動列車停止装置)の設置を指示する義務を怠ったとして、JR西の歴代4社長が業務上過失致死傷罪に問われた刑事裁判が10年に始まり、藤崎さんらは被害者参加制度を利用して、証拠閲覧や意見陳述、被告人への質問を行ってきました。
裁判では、証人のJR西社員らが「運転士がカーブで大幅に速度超過するとは考えられなかった」などと安全対策の基本を踏み外し、あからさまに歴代社長らをかばう証言に終始。ここまで判決はいずれも被告無罪。事故の核心は隠されてきました。
藤崎さんは、「無罪判決は残念ですが、法廷で歴代社長の声を聞き、私たちの声を直接ぶつけることができたことには意味がありました」と語ります。

「組織罰」導入を
藤崎さんら遺族の有志は昨年3月から企業など組織の責任を問う「組織罰」の導入についての勉強会を、法律の専門家を交えて開いてきました。
藤崎さんは語ります。
「企業名公表や入札制限、検査の厳格化といった是正措置など、組織罰について日本独自のあり方を考えていけたらよいのではないでしょうか。社会の発展とともに司法も変えていく必要があると訴えていきたい」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年4月25日付掲載


遺族の藤崎さんが、裁判では無罪判決だったけど「法廷で歴代社長の声を聞き、私たちの声を直接ぶつけることができたことには意味がありました」と語っていることに懐の深さを感じました。
企業など組織の責任を問う「組織罰」の導入の取り組みの発展に期待します。
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安全求め続けて JR福知山線事故10年① 悲劇招いた“利益優先”

2015-04-28 16:12:12 | 公共交通・安全について
安全求め続けて JR福知山線事故10年① 悲劇招いた“利益優先”

JR史上最悪、鉄道事故としては戦後4番目となる死者107人、負傷者562人を出したJR西日本の福知山線脱線事故から25日で10年を迎えます。
何が事故をもたらしたのか、再発防止のためには何が必要なのか―。この10年間、遺族、被害者らは事故の真相解明と鉄道の安全確立を求め、日本社会を動かし始めました。(細川豊史)

2005年4月25日午前9時18分。兵庫県尼崎市のJR福知山線尼崎駅-塚口駅間のカーブで上り快速電車が脱線し、マンションに激突。事故の直接原因は、電車がカーブを安全に通過できる上限の時速70キロを大幅に超える同116キロで入ったことでした。
死亡した運転士=当時(23)=は、伊丹駅で電車をオーバーランさせました。遅れを取り戻そうと、カーブ手前の直線では時速125キロで運転。オーバーランに関する車掌と指令所の交信に気を取られ、ブレーキ操作が遅れました。



マンションに激突して多くの犠牲者を出したJR福知山線脱線事故=2005年4月25日、兵庫県尼崎市

余裕ないダイヤ
事故をもたらしたのはJR西日本の安全軽視、利益優先の経営姿勢でした。私鉄との競争に勝つためとして、列車のスピードアップを実施。事故列車も運転時間が削られ、極端に余裕のないダイヤでした。
一方、列車の速度超過を検知して自動的に減速させるATS―P(自動列車停止装置)のカーブへの整備を先送り。安全は運転士の操作に依存させられました。社員はミスをすると受けさせられる懲罰的な「日勤教育」におびえていました。事故は、これらの諸要因が重なって起きたとみられています。
規制緩和でATS―Pの整備やダイヤ編成を鉄道会社任せにし、監督責任を放棄してきた国の責任も重大です。
国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)が07年にまとめた事故調査報告書は、事故原因は「運転士の速度超過」だとしました。
「日勤教育」、ATS―P未整備、ダイヤの問題にふれたものの、それらがどう関連して事故につながったかは解明されませんでした。
遺族らはさらに事故の真相解明を求めてJR西や社会に働きかけ続けました。
カーブにATS―Pを整備して事故を防ぐ義務を怠ったとして業務上過失致死傷罪に問われたJR西の歴代4社長の刑事裁判が10年から行われてきました。
しかし、事故の具体的な予見可能性はなかったとしてここまですべて無罪が言い渡されています。事故原因を解明する上で、個人の罪を問う刑事裁判の限界が示されました。

癒えない悲しみ
一方、遺族らの粘り強い呼びかけで、遺族とJR西が事故を共同で検証する議論が09年から始まりました。
しかし、安全なはずの電車に乗った家族を突然失った遺族らの悲しみは癒えることはありません。負傷者の障害や後遺症の苦しみは今も続いています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年4月24日付掲載


福知山線事故現場を走る電車(上り線)_02
福知山線事故現場を走る電車(上り線)_02 posted by (C)きんちゃん

列車のスピードアップと余裕のないダイヤ編成。オーバーランなどのミスを、運転者個人の責任におしつけられること。さまざまな要因が重なりあって事故は起こりました。
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メディアをよむ 自民圧力こそ放送法違反

2015-04-25 12:16:50 | いっせい地方選挙(2015年)
メディアをよむ 自民圧力こそ放送法違反
須藤春夫

自民党のメディア介入がますます露骨です。今月17日、自民党情報通信戦略調査会は、NHKとテレビ朝日の幹部を党本部に呼び出し報道番組の内容について事情聴取をしました。
対象はNHKの「クローズアップ現代」におけるやらせ問題。テレビ朝日は「報道ステーション」に出演した前コメンテーターの「官邸からのバッシングを受けた」とする発言問題についてです。



同じ日付の「しんぶん赤旗」日曜版に掲載された、やくみつるさんの『小言・大言』

安倍政権と自民党は、これまでも選挙報道に際してNHKと在京民放テレビ5社に「公平中立」を文書で要請するなど、番組編集の自由に重大な侵害を行ってきました。しかし、今回のように個別番組の内容にまで踏み込んだ事情聴取は異例のことです。
信濃毎日新聞は社説で、自民党は特定の主張を持つ政治団体であり番組への介入はとりわけ許されないと指摘。自民党は何を根拠にテレビ局を呼びつけ「法律に基づいてやらせてもらう」と言うのか、言論への介入そのもので放送法違反の可能性が強いと厳しく批判しています。
事情聴取終了後、調査会の川崎二郎会長は記者会見で、放送法には停波の権限まであると発言。また、NHKと民放連でつくる「放送倫理・番組向上機構」(BPO)がやらせや政治的圧力の問題についてチェック機能をはたせないなら、政府が関与する新たな仕組みを創設する方針も明らかにしました。さらなるけん制発言です。
日本ジャーナリスト会議、放送を語る会、NHKを監視・激励する視聴者コミュニティなどの市民団体と有識者は連名で、自民党の行為は放送法違反であり、憲法21条の表現の自由を脅かし、日本の民主主義を危うくする行為で断じて許されないと抗議声明を発表しました。
政権与党の介入を許さないためにもNHKとテレビ朝日は事情聴取の内容を明らかにし、放送の自主・自律を堅持する毅然(きぜん)とした態度を示すべきです。
(すどう・はるお=法政大学名誉教授)

「しんぶん赤旗」日曜版 2015年4月26日付掲載



自民党が「低波」まで脅しをかけながら、番組編集に介入するなんで許せないですね。マンガのように、「逆に、洗いざらいホントのこと報道しちゃってよいのかな?事あるごとのアレヤコレヤ」と言ってやりたいですね。
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恥ずべき傲慢 撤回を 「戦争法案」自民の修正要求

2015-04-24 11:00:40 | 平和・憲法・歴史問題について
恥ずべき傲慢 撤回を 「戦争法案」自民の修正要求

日本共産党の志位和夫委員長は23日の記者会見で、社民党の福島瑞穂副党首が参院予算委員会で安倍政権が推進する安全保障法制を「戦争法案」と述べたことに対して自民党が議事録修正を求めていることについて所感を問われ、「許しがたい対応です。国会の発言で『自分たちの立場にそぐわない』『けしからんから削除しようヒというのは許されない対応です。こういう恥ずかしい、傲慢(ごうまん)な姿勢はやめるべきで、撤回すべきです」と指摘しました。
志位氏はこのなかで、「国会の発言であきらかな事実誤認、公序良俗に反する発言なら削除の対象になるでしょうが、ある法案をどう評価するかはそれぞれの政党の自由な判断に属する問題です。
自由な言論によって是非を争うべき問題で、これがまかり通れば、国会は自由な『言論の府』ではなくなります」と語りました。
そのうえで、かつて日本共産党が周辺事態法(1999年)を「戦争法」と呼び批判の論陣を張ったときには、自民党から同様の要求はなかったことに言及。
「いまも私たちは『戦争立法』と呼んで論戦しようとしています。法案の本質を規定する、ふさわしい名称として使っています。
それは、それぞれの党の規定、判断です。気に入らないなら、『そうではない』と答弁や論戦で言えばいいわけで、問答無用で削除するのでは、国会が成り立たなくなります。横暴、傲慢、恥ずべき要求は取り下げるべきだと強く言っておきます」とのべました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年4月24日付掲載


志位さんが言うように、「ある法案をどう評価するかはそれぞれの政党の自由な判断に属する問題」「まかり通れば『言論の府』でなくなる」というのはまさにその通り。
自民党は、間違っても共産党には修正要求は言ってこない。自民党の修正要求は許せない事だが、社民党もなめられたのもだと思う。


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