きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

トンネル事故なぜ? コスト削減で改修先延ばし、ずさん点検

2012-12-29 19:29:06 | 公共交通・安全について
トンネル事故なぜ? コスト削減で改修先延ばし、ずさん点検
自公推進の民営化 背景に


2日に発生した中央自動車道上り線の笹子トンネルでの天井板崩落事故は、9人が死亡する最悪の事態となりました。管理が行き届いているはずの高速道路でなぜこんな事故が?事故の背景には、自民・公明政権(当時)が推進した道路公団民営化が影を落としていることがわかってきました。

今回の事故は、厚さ8~9センチのコンクリート製の天井板と隔壁約330枚が長さ130メートルにわたって連鎖的に崩落しました。落下物の重さは約360トンにおよびます(図)。




崩落の原因は、天井板を支えるつり金具をトンネル内壁にとめるアンカーボルトの脱落によるものとみられています。
3日に会見を行った中日本高速道路の吉川良一専務執行役員は、「老朽化が原因の一つとみられる」との見方を示しています。いっぽうで、つり金具でコンクリート板を支える天井板方式そのものへの疑問や弱点を指摘する技術者も少なくありません。

保全体制機能せず
「本来なら今年9月の定期点検で笹子は、すぐに補修が必要な『AA』の判定が出ているべきだった。こんな異常を見落としたのだから、点検をしていないのに等しい」
こう語るのは、中日本高速道路の道路管理に詳しい関係者です。
事故があった笹子トンネルの点検は、2000年と05年、08年、今年9月に行われていました。
そのうち、コンクリート内部の異変やボルトのゆるみを異音で検知する「打音検査」は、00年以後、行っていません。目視でしか検査をしていませんでした。
同時期に検査した反対車線の笹子トンネル下り線では、事故後の緊急点検で、「アンカーボルト」の脱落やゆるみなど計670カ所もの不具合が見つかりました。
このことからも中日本の保全体制が機能していなかったことはあきらかです。



事故発生から間もない、緊迫した様子の笹子トンネル上り線(大月市側)=2日、小林義孝党都留市議撮影

外注化で「効率的」
高速道路の保全や維持修繕が後退したきっかけは、05年10月の道路公団民営化です。中日本高速をはじめとする高速道路会社6社が誕生しました。
ここで、中日本高速が打ち出したのは、コストの削減です。
同社は06年に発表した経営計画で「2010年度までに行う保全・サービス事業においては、05年度までに実施した02年度比3割コスト削減の水準を維持しつつ、更なる削減をめざす」と明記。
さらに保全点検や維持修繕などの業務については、アウトソーシング(外注化)などで「効率的」に行う方針を打ち出しました。
こうしたコスト削減が如実に現れたのが、トンネル改修です。
中日本管内では、笹子と同型トンネル19本で改修工事が行われ、天井板が撤去されていました。
いずれも民営化前の04年までに撤去が完了していました。
中日本管内で天井板が残っているのは、距離の長い笹子トンネル上下(約4・7キロ)と恵那山下り(8・5キロ)などの5本を残すのみでした。
なぜ、笹子の改修は行われていないのか?関係者は「改良には工事費がかかり過ぎるのと作業が大変なので、距離が長い笹子はずっと先延ばしにされていると聞いた」と証言します。
さらに関係者によると、「03年に天井板を撤去した小仏トンネルでは、しみだした水が天井板の上で水たまりをつくっていて、コンクリートの鉄筋もポロポロになっていたと聞いた。その時ですら、『笹子の方が危ない』『次は笹子だ』と現場を知る人たちは話していた」といいます。
本紙は、民営化後の中日本がどのように検査内容を変更したのか、質問したところ、中日本は「文書の保管期限が切れており、詳細がわからない」と回答。
コスト削減が強力に進められる中、高速道路の管理点検がどれほど後退したのか。事故再発防止には、徹底した検証が欠かせません。

高速道路会社~財界型の人事と経営手法持ち込み
道路公団の民営化では、新会社トップの会長人事に当時の小泉政権と日本経団連の奥田碩会長(トヨタ元会長)が強力に関与し、財界大企業型の経営手法を新会社に持ち込みました。
中日本の初代会長には、元伊藤忠商事常務で元道路公団総裁の近藤剛氏。東日本は新日鉄の元副社長、西日本は神戸製鋼の元常務、首都高速道路はトヨタ元専務、阪神高速道路は松下電器元副社長が初代会長です。
その後も中日本は、元日本経団連専務理事の矢野弘典氏や住友スリーエム元副社長の金子剛一氏(現CEO兼社長)が経営トップに続いています。
一方、日本共産党の穀田恵二衆院議員は、道路などの新規建設を抑え、維持更新に費用の重点を移すよう、3月の衆院予算委員会で求めています。こうした主張は、維持更新を後回しにする一方で道路の新規建設を推進する自公政権や財界型とは対照的です。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年12月23日付掲載



今回は、中日本の改修工事費のカットがクローズアップされていますが、東日本や西日本にしても実態はあまり変わらないのでしょうね。
別の件ですが、ETCの普及によるのでしょうか、人が配置されていない「一般」の料金所が増えています。僕は障害者割引を利用しているんですが、呼び出しボタンを押して、カメラで手帳を見せて対応してもらわないといけません。
これも民営化の影響でしょうか。困ったものです。
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どっこい生きている都会のタヌキ④ 「隣人」と共存するには

2012-12-28 21:36:31 | 科学だいすき
どっこい生きている都会のタヌキ④ 「隣人」と共存するには

タヌキ、ハクビシン、アライグマは農業害獣として知られています。農地の少ない都市部では関係のないことに思えますが、都市ならではの問題も存在します。
特に問題になっているのはハクビシンの屋内侵入です。バクビシンは隙間を見つけて天井裏に侵入し、そこでふん尿をしたり、出産したりもします。悪臭はするわ、夜中にどたどたと天井裏を走り回るわで、かなり困った状況になってしまいます。アライグマも同じように天井裏に潜り込みますし、タヌキは床下に潜り込むことがあります。このような場合どうすればいいのでしょうか。



子だくさんのタヌキ

業者に頼んで駆除してもらうのもひとつの方法です。ただ、駆除された動物は原則として殺処分になります。殺してしまうことには抵抗がある人も多いでしょうし、やりすぎると都会では絶滅してしまうかもしれません。私が勧める対策は「侵入防止」です。動物が入り込んでくるのは隙間があるからで、それをふさいでしまえば建物の中には入ってこられないはずです。
被害の例は他にも、タヌキがフンをする、ハクビシンやアライグマに果物を食べられるといったものもあります。被害というほどではありませんが、外に置いていたイヌ、ネコのエサをタヌキが食べに来る、という事例もあります。
このような被害の相談がたびたびあるため、その対策をまとめた「杉並タヌキおつきあいガイドライン」を東京タヌキ探検隊!のホームページに掲載していますので参考にしてください。
野生動物というと里山や山林にいるものと思い込んでしまいがちですが、タヌキもハクビシンも私たちと同じ街に住む「隣人」です。外来生物法で駆除の対象になっているアライグマは別として、安直に駆除するのではなく、被害を抑えながらもいっしょに暮らしていくための知恵が必要とされているのではないでしょうか。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年12月28日付掲載


大都会東京の中心部にも、野生動物のタヌキが住んでいるなんてほのぼのしていて、いいじゃありませんか。一緒に暮らしていくための知恵が必要になってくると思います。

僕のマンションのベランダでは、野鳥の鳩の糞害で困っています。一時期は子育てもしたこともありました。その後、糞で汚された後はできるだけ早く掃除をして居つかないように心がけています。
朝目覚めると、ベランダで2羽がクッククックしているので、バサッとカーテンを開けると一斉に飛び立っていきます。
鳩とも、一定の距離をおいて付き合っていくしかないようです。
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どっこい生きている 都会のタヌキ③ ハクビシンとアライグマ

2012-12-27 19:33:51 | 科学だいすき
どっこい生きている 都会のタヌキ③ ハクビシンとアライグマ

タヌキの目撃情報を集めていると、その中に明らかにタヌキではない別の動物の目撃が時々混じっていることがわかってきました。
尾が長く、屋根に登ったりする動物はタヌキではありません。その正体はハクビシンでした。ハクビシンはジャコウネコ科の動物です。「ネコ」とついていますが私たちのまわりにいるネコとは別物で、マングースに近い動物です。顔の真ん中に白い線があること、胴長短足で尾がとても長いことが特徴です。



ハクビシン(上)とアライグマ

本物のタヌキを見た事が少ないせいか、ハクビシンをタヌキだと思ってしまう例はよくあります。
驚くことに東京都23区ではタヌキよりもハクビシンの方が目撃情報が多くあります。単純計算するとハクビシンは2000頭規模で生息しているのではないかと推測されます。
生息分布の傾向もタヌキとはやや異なり、薄く広く分布しているようです。
ハクビシンは運動能力が優れていて、塀や樹木を登ることができるだけではなく、なんと電線を歩くこともできます。タヌキにはまねできない軽業です。
都会にいるのはハクビシンだけではありません。東京都23区にはアライグマも確実に生息しています。目撃情報数が少ないため正確な動向はつかめませんが、数十頭から100頭程度が生息しているようです。
アライグマは、本来はアメリカ大陸にだけ生息する動物です。ペットとして輸入されたアライグマが捨てられたり脱走したりした結果、日本のあちこちで繁殖し、定住することになってしまったのです。現在は外来生物法によりアライグマの飼育は禁止されており、駆除の対象にもなっていますが、生き残ったアライグマは今でも全国各地に分布を広げています。皇居でも捕獲されたことがあり、都会には関係ないこと、と無視できる状況ではありません。
(金曜掲載)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年12月21日付掲載


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どっこい生きている 都会のタヌキ② 犬のようで犬ではない

2012-12-26 22:43:34 | 科学だいすき
どっこい生きている 都会のタヌキ② 犬のようで犬ではない

タヌキというと、どのような姿を思い起こしますか?太った体、低い鼻、丸耳、シマ模様の尾、といった姿が思い浮かぶかもしれませんが、それは間違いです!
タヌキはイヌ科に分類される動物です。つまり、オオカミやキツネやコヨーテなどと同じグループです。
タヌキの顔をよく見ると、鼻が長いイヌ顔です。耳もクマのような形ではなく、イヌに近い丸みを帯びた三角形です。タヌキの尾にはシマ模様はありません。シマ模様の尾を持つのは実はアライグマで、外見が似ているためにどこかでイメージが混同されてしまったようです。



夏毛のタヌキ

タヌキが太っている、というのは半分正解です。これは太っているというよりも冬毛の毛足が長いためにそう見えているのです。夏毛のタヌキは写真のように短毛で、とてもすらりとしています。
外見はまるでイヌそのもので、タヌキとはわからない人もいるのではないでしょうか。
足跡もイヌそっくりで、爪跡のある4本指です。小型犬とほとんど同じ大きさ、形状であるため、タヌキの足跡は、都会では散歩のイヌとの区別が難しいです。
タヌキの体は意外に小さく、イヌで例えれば小型犬のビーグルや柴犬と変わらない大きさです。ネコと並んでも同じぐらいです。
タヌキは春から初夏にかけて出産します。生まれて数週間までの赤ちゃんは全身が真っ黒で、一見するとイヌかクマの赤ちゃんに見えてしまいます。そのため、知らずに拾って家で育てているうちにタヌキらしい模様が現れて正体がわかる、という事件が毎年各地で発生しています。
このようにタヌキはイヌらしい特徴を持った動物です。ただ、イヌとは違う点も多く、例えばタヌキは尾を振って感情を表すことはありませんし、吠えることもめったにありません。イヌのようでイヌではない、そんなタヌキはとても興味深い観察対象です。
(東京タヌキ探検隊!)(金曜掲載)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年12月14日付掲載



映画「平成狸合戦ぽんぽこ」でも、「太った体、低い鼻、丸耳、シマ模様の尾」というイメージで描かれています。日本の民話に登場するのも同じイメージです。

タヌキは身近な動物といいながら、実際はあまり見たことがありません。イノシシは「ぼたん鍋」のお店の前に剥製があったりするので意外に知られています。
神戸市中央区に住んでいるんですが、山手幹線より北側には夜中によくイノシシが徘徊しています。夜中に何回も目撃したことがあります。
僕にとっては、イノシシの方が逆に身近な動物です。
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どっこい生きている 都会のタヌキ① 目撃情報を集めると

2012-12-24 21:23:26 | 科学だいすき
どっこい生きている 都会のタヌキ① 目撃情報を集めると


東京タヌキ探検隊! 宮本拓海

東京都23区というと世界的な大都市です。
そんな所にタヌキがいるなんて信じられるでしょうか?
私が運営するホームページ「東京タヌキ探検隊!」では東京のタヌキ目撃情報を集めてきました。それらを分析すると23区には約1000頭のタヌキが生息しているらしいことが推計できます。



1000頭というととても数が多いようですが、面積からすると生息密度は薄いものです。また、23区内のタヌキの生息分布には偏りがあることも明らかになりました。分布は北西部に多く、荒川や江戸川が流れる東部では少なくなっています。
タヌキは都会でどうやって生きているのでしょうか。タヌキの食べ物は昆虫や果実が中心です。東京都23区でも公園や雑木林、畑などの緑地にはいろいろな昆虫がいますし、柿を植えている民家も、ギンナンを落とすイチョウもあります。また、フンを分析すると明らかに家庭ごみをあさったと思われる証拠も出てきました。豊富とは言えないものの、ある程度の数のタヌキを支えていくだけの食物はあるようです。
東京タヌキ探検隊!では東京に限らず全国の目撃情報も収集しています。東京以外での目撃情報はまだまだ少ないものの、横浜市・川崎市では、ほぼ全域にタヌキが分布していることが推測できます。
大阪市では繁華街の心斎橋での目撃情報があり、ここでもタヌキが都心部に広く分布しているのではないかと考えられます。意外にもタヌキは都市生活に適応した動物なのです。
都会にはタヌキだけではなく、姿、格好が似たハクビシンやアライグマも生息しています。東京タヌキ探検隊!ではこれらの野生動物の目撃情報も集めています。こういった動物を目撃されたら、ぜひ詳細をしらせてください。詳しくは東京タヌキ探検隊!のホームページをご覧ください。
(東京タヌキ探検隊!)(金曜掲載)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年12月7日付掲載


20年近く前の映画「平成狸合戦ぽんぽこ」でも、都会にタヌキがどっこい生きていると言っていました。
映画の世界だけでなく、実際に生きているんですね。映画に出てきた多摩ニュータウンだけでなく23区内にも生息とは驚きです。
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